パパダキス&シゼロン 新たな挑戦に向かって | WFS JAPAN

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Papadakis, Cizeron ready for new challenges
By Alexandra Ilina





フランスのアイスダンスチーム、ガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロンは、魅力的で独創的、そして情熱的なデュオとして既に知られている。

フランスのトップデュオであったナタリー・ペシャラ&ファビアン・ブルザが引退し、パパダキス&シゼロンの行く先には国内外問わず新たな高みへの可能性が広がっている。

パパダキス&シゼロンがペアを結成したのは彼らが10歳の頃。ガブリエラの母であり当時彼らのコーチを務めたカトリーヌ・パパダキスの提案によってだった。

2012年の夏に彼らはリヨンに移り、そこでミュリエル・ザズーイ、ロマン・アグノエル、そしてオリヴィエ・シェーンフェルダーの指導を受ける決断をした。そして2012/2013シーズン、彼らはジュニアステージで素晴らしい成績を納めることとなる。ジュニアステージ4年目のこのシーズン、彼らはJGPフランスで初優勝し、その後のJGPオーストリアでも優勝を飾った。

これら2回の優勝によって彼らはソチで行われたJGPFへの出場権を得て、そこで銀メダルを獲得した。ミラノで行われた2013世界ジュニア選手権大会では、SDで第2位となっていたのだが、FD当日、パパダキスは朝の氷上練習の前のオフアイスでのウォームアップで足首を捻挫するアクシデントに見舞われてしまう。FDでは、2:52頃に一旦パフォーマンスを中止したが、故障による中断が認められ、その後パフォーマンスを再開させ最後まで滑り切ったのだ。FDだけでは第3位、総合では第2位となり、銀メダルを獲得した。

昨シーズン、彼らはシニアレベルに上がることを決め、その国際デビューをニース杯の優勝で飾った。そしてシニアGPSでは2大会に出場し、エリックボンパールでは第5位、ロステレコムでは第7位となった。2014年ヨーロッパ選手権大会の補欠だった彼らは、ペシャラ&ブルザの出場辞退によって彼らに出場のチャンスが巡って来、そして第15位となった。日本で行われた2014年世界選手権では第13位。

WFSは今回、パパダキス&シゼロンと話をする機会を得て、シニアデビューシーズンについてや私生活とトレーニングとの両立、そして来シーズンに向けての抱負など、話を聞くことが出来た。





WFS: お互いについて少し説明していただけますか?

Guillaume Cizeron: 一緒に滑り初めて約10年が経っているから、お互いの事は良く理解出来ていると思うし、お互いの得意不得意や僕らがどう機能するかも解っているんだ。一緒に働く人の事を良く解っているというのは、とても楽なことだよね。小さな頃から僕らは同じリンクで滑っていたから。


WFS: ガブリエラ、あなたはパートナーの事をどう説明しますか?

Gabriella Papadakis: 彼はスケーターとして沢山の資質を持っています。私たちは競技のパートナーであると同時に、リンクを離れた時には友人同士でもあるんです。


WFS: 昨シーズンはシニア1年目でした。大変でしたか?

Papadakis: シニアに上がるのは私たちの考えでした。今年はシニアの大会に出場したかったんです。ええ、大変だったと言えるかと思いますが、でもとても大きな経験にもなりました。今シーズンには本当に満足しています。

Cizeron: いや、大変というのとはちょっと違うかな。通過点っていうか。だって毎年毎年ステップアップし続けなければならないからね。だから大会でパフォーマンスする為のより良いプログラムを作りたかったんだ。今シーズンは特別大きな目標は立ててなかったけど、シニア一年目だからね、僕らに出来る限りの事が出来たのは良い経験だったよ。


WFS: 来シーズンはどの様な予定を立てているのですか?

Cizeron: もっともっと練習する。今シーズンはシニアや大きな大会について沢山のことを学んだんだ。他のカップルを目にして、彼らと働くことを学んだ。新しいプログラムを作るために色々な人たちと作ることになると思う。

Papadakis: 来シーズンもこの調子で続けていきたいと思います。もっともっと成長したいから。

Cizeron: 僕らには既に沢山のプロジェクトがあるんだ。次のシーズンのSDはスパニッシュ・フラメンコだから、マドリッドで働きたいと思ったんだよ。そこでフラメンコダンサーと一緒にオンアイスもオフアイスもトレーニングするつもり。楽しいものになりそうだし、きっといい勉強になると思う。





WFS: FDについては何かアイディアがありますか?

Papadakis: まだ解らないわ。また独創的なものにすると思うけど。

Cizeron: 今は沢山の曲を聞いてるところだよ。クラシックとか・・・追々決めるよ。


WFS: リヨンでは勉強も一緒にしているのですか?

Both: してないよ!

Papadakis: 私は大学でフランス文学を勉強しています。文学が本当に大好き。好きな本が多すぎて、特別なものを選ぶことが出来ないくらいよ。

Cizeron: 僕はアートを専攻してる。服飾のデザイナーになるつもり。でも決めるのはまだ後だね。


WFS: デザイナーになりたいのですね?あなた達自身のコスチュームを作ったりとかは?

Cizeron: 勿論だよ。デザインを描くのが好きだからね、アイディアはいつも出してるよ。僕らのコスチュームはいつも一緒に選ぶんだ。お互いのコスチュームに意見を出し合って、コーチとも一緒にコスチュームを決めるんだよ。





WFS: 時間に余裕があるときは何をしているのでしょう?

Papadakis: そんな時間が持てるように頑張ってるわ!休日には旅行に出かけるのが好きね。

Cizeron: でも時間がある時は僕らは殆ど寝てるよ(笑)


WFS: 今年の“Stars sur Glace”ツアーはいかがでした?

Cizeron: 全公演に出演したわけじゃないんだ。僕らも疲れてたけど、チームはもっと疲れていたはずだよ。だって毎日毎日毎全てのショーに出演してたんだからね!Stars sur Glaceに出演したのは僕らにとって初めてだったから、素晴らしい経験になったよ。


WFS: ナタリー・ペシャラ&ファビアン・ブルザが引退をしました。フランスのアイスダンスの未来はどうなるでしょう?

Cizeron: 彼らは本当に素晴らしいキャリアを築いたと思う。僕らも彼らと同じくらい、いやそれ以上になれるように頑張るよ。

Photo: Alexandra Ilina