この美しきスケーターであり非常に素晴らしい女性である明子が持つ創造性と芸術に対する解釈に、私は絶えず驚嘆している。彼女が今回取り上げたテーマは非常に難しいものだが、彼女は全ての面に対して深い理解を持ってそれをパフォーマンスしているのだ。
明子はプログラムの初めから終わりまで、氷の上で私たちにその物語を見せてくれる。彼女のプログラムにはいわゆる“余白”が無い。これはとても重要なことだ。加え、彼女は偉大なる願いをもってそれをパフォーマンスする。
このアーティクルで、私は彼女がパフォーマンスする“O”というプログラムの詳細を伝えたいと思う。これがより完全に彼女の才能を評価する手助けになると信じている。そして何枚かの明子の写真も一緒にお届けしたいと思う。これらは昨年夏に非常に専門的かつ才能豊かなカメラマンであるJacque Tiegsが撮ったものだ。気に入ってもらえると嬉しい。
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“水を動かすことは出来ないよ 水があなたを動かすんだ”
- ジル・サンクロワ、シルクドソレイユ クリエイティブバイスプレジデント
“O”はカナダのサーカス＆エンターテイメント集団、シルクドソレイユの水をテーマにしたステージ作品である。このショーは1998年10月以来、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのベラージオホテルで常設上演されている。フランス語での“水”である“eau”に由来する“O”は、1.5ミリオンガロン（5,700m3）の水のプールの周りと上空で行われるパフォーマンス、例えばシンクロナイズドスイミングやエアリアルパフォーマンス、地上パフォーマンスを特徴としている。14世紀のヨーロッパのオペラハウスをイメージしてデザインされた“O”のシアターには1,800の客席があり、通常1日2回上演されているため一晩3,600人の観客がそのショーを堪能することが出来る。
2010年10月下旬より、シルクドソレイユは“O”シアターのバックステージツアーを始めた。舞台袖、トレーニング室、衣装室、休憩スペース、水中照明エリア等を見て回り、舞台上のキャットウォークを通りサウンドブース、照明ブースなどを見学することが可能だ。“レギュラーデイ”の合間をぬってのバックシテージツアーのため、参加者全員が全く同じ体験を出来るわけではないと言う。場合によってはパフォーマーのトレーニングやリハーサル、運が良ければ本番の風景に出合えたりするかもしれない。
このショーでは85人のアクロバット、シンクロナイズドスイマー、そしてダイバー達が5,700m3のプールでパフォーマンスを行う。メンテナンスが行われる時はプールの水は12時間かけてベラージオ湖に排出され、それにより湖の水位が1インチ（25mm）上昇するという。プールの水温は88℉（31℃）に保たれ、パフォーマーの為に水中通信システムと呼吸用にレギュレーターが備えられている。出演者全員がスキューバダイビングの資格を持つ。
“O”のキャストにはユニークなキャラクターが多く含まれており、水の中、外、そしてその上空、合せて11つのアクトがある。
“O”の音楽はブノワ・ジュトラによって手掛けられ、チャイニーズヴァイオリン（二胡）、バグパイプ、アフリカンギターやハープ（コラ）、コロンビアギター、チェロ、古代木管楽器など多種多様の打楽器を含む世界の器楽と古典的西洋音楽との融合を特徴とし、ショーの間中、音楽はステージ横と上に設置されたガラスの後ろ側に控えているバンドによって生演奏されている。
2007年、シルクドソレイユは映画“Flow”をリリースした（“O”のアーティスト達をトリビュートしたもの）。このドキュメンタリーは“O”シアター並びにコロラド川周辺で撮影されたものだ。フィルムは特定のアーティスト達がステージ上のみならず川の周辺でもマフォーマンスをする様子を映しており、パフォーマンスを作り出す上で使用される必要な技術装置の詳しい情報を与えてくれる。“Flow”のボーナストラックにはパフォーマンスクリップ、ロシアンスイング、“O”プール表面下の映像と技術情報、そして“O”そのものの創造についてが収められている。
全ての写真はJacque Tiegs（Freelance National News Producer, Freelance Photographer/ Magazine/ Special Occasion and event）の好意によるものです。