◆釣行記~北天の空 | 「 晴 釣 雨 讀 」

「 晴 釣 雨 讀 」

晴れた日は大いに釣りを樂しみ…
 雨の日は靜かに讀書や道具の手入れに耽る…
   無理をせず、焦らず、穏やかな心で渓魚との駆け引きを満喫する…

 …ある方から頂いた言葉です

  渓流ルアー釣りや関連することに触れていきたいと思います

 快晴つづきのお盆休みでしたが、後半の数日は、まとまった降雨に恵まれました。

 木曜金曜の晴天を挟んでの土曜日に好況を期待しておりましたが、その木曜金曜に釣行していた『山女魚乃忠学校』の釣友の何人かからの情報では、どこの川も増水や濁りもなく、魚の動きが渋い状況とのことでした。

 

 その情報以前から、次の土曜の釣りは、お盆休みの人出を踏まえた釣り場を考えておりました。

 果たして狙いどおりとなるか、期待と不安を抱えつつ、朝を迎えました。

 

 いつもの太平山遠景です。

 午後から雨の予報でしたが、気持ちのよい快晴の朝です。

 

 8/20(土) 秋田市河辺地域 岩見川水系
 天候快晴、気温21→29℃水温16℃、水位やや減水気味

 週前半の降水量は多めに感じていたので、少しは増水が残っているかと予想しておりましたが水位は低く、お盆休み前の晴れ続きで、山の保水量的に大分余裕があったのかもしれません。

 

 人目に触れやすい区間ということで、逆に竿抜けとなっていればと考えて入渓しましたが、キャストにも遡行の動きにも反応が見られません。

 

 徐々に日の出の時間が遅くなっております。

 

 大場所の連続ですが、全く反応が見えません。

 

 河原の至るところにキクが咲いておりました。

 調べましたがノコンギクと呼ぶそうです。

 

 最初に見掛けた砂場に足跡がありません。

 

 沈み石の間の大きな流れを狙ったら、4~5寸のチェイスがありました。

 

 撮影のためにロッドを差し出すと、とたんにトンボが寄ってきます。

 先回からの続きで、ピントを合わせるのが慣れてきました。

 

 少し進んだところで、大きな石に挟まれた淀みが見えました。

 左奧へ投入して波に入れるイメージで淀みへ入れようとしますが、ラインが石の上に引っかかり、そこが支点となって丁度良いスピードでルアーが淀みに進入して間もなく、3寸くらいのヤマメがヒットしました。

 

 魚の付き場、チェイス&バイトに適したレンジとスピード、そのためのルアーの投入点とコースの想定は概ね当たっていた感じがしますが、ラインが引っかからずに通せたとして、そのときのスピードでバイトしていたかどうか・・・。

 小さなヤマメの釣果ですが、そのおかげで、いろんな考えを巡らせることができます。

 

 またすぐ上でも小さな魚影のチェイスがありますが、レンジとスピードを狙いどおりとすることができません。

 しかし、直近の人の出入りはなさそうに感じられました。

 

 川際のミズを見ると、十分に大きな玉を付けております。

 そろそろ、どこの山でも良い状況となってきた感じがしております。

 

 たくさん採れました。

 ご近所さん用に採りましたが、2箇所くらいで十分な量を頂くことができました。

 秋の貴重な山の恵みであり、誠に有り難いことです。

 

 大場所も続きますが、こうしたところでは全く反応が見えません。

 

 しかし、足跡も見えません。

 

 さてと・・・、着きましたな。

 

 この場所は、今年の4/30(土)のことですが、パートナーズの忠さん(佐藤 忠雄さん) が主宰する『山女魚乃忠学校』への登校として、忠さんと山形のTさんと私の三人で釣行した際に、熊と遭遇した場所です。

 詳しくは過去の記事「◆釣行記~門下の桜」(ここをクリック)を参照下さい。

 

 そのときの写真です。

 間近で熊を見たのは人生初の経験でしたが、以降は幸いにも熊に遭遇しておりません。

 最近も熊の出没情報の報道があり、今年は本当に熊の出没が多い年となりました。

 

 ここを訪れた理由ですが、特に怖い物見たさで訪れた訳ではなく、戦略上の都合です。

 熊の横断箇所にあった砂地に、熊も人も足跡はありませんでした。

 地元では有名な"熊の通り道"の様で、ある程度は緊張と注意をしながら進んでおりましたが、その気配は感じられず、無事に通過しました。

 

 熊の通ったコースと、その上への1投目に4~5寸のチェイスがありましたが、2投目以降に反応はありません。

 

 少し進むと水深が深くて渡河できない状況でした。

 慎重に高巻きをします。

 

 小さなドングリを見つけました。

 

 横断できそうなところで川に降りますが、それでも地形の都合で水の勢いが強く、縦断方向の地形も険しいままで、意を決して慎重に底を見極めて、なんとか横断できました。

 

 そのまま川沿いに進み、途中で大きな淵があります。

 しかし魚の反応は見えず、その上に進みます。

 

 間もなく迎えた堰堤ですが、淵からここに至るまで魚影は見えませんでした。

 

 堰堤の左側から上に登りましたが、ウグイの様な小魚の群れが見えました。

 沈み枝の上流に投入して静かに持ってくると、5寸くらいの、それでも群れの中では最大でしたがチェイスがありました。

 

 最後までバイトする動きは見られず、途中で静かにその場に留まるのですが、よく見ると、腹ビレや尻ビレの先が真っ白で、背に白い斑点が見えます。

 なんと、イワナでした。

 

 ウグイの様な頭に角張ったところがなく、綺麗な流線型をしており、群れの小魚達もイワナと思われます。

 放流された魚達なのでしょうが、何故こうした淀みに着かなくてはならないのか・・・。

 

 堰堤上は土砂だまりとなっており、キャスト練習をして、すぐに退渓としました。

 退渓点近くの葦場ですが、果て・・・。

 

 この日は前日に脚を痛めていたので、前回同様に午前中のみで退渓としました。

 まあ、仮に午後に釣りができたとしても、私には川の選択肢が残されておりませんでした。

 

 お盆過ぎに必ず見掛ける、形が何とも神秘的なオオウバユリを見掛けました。

 

 そして、川で見ることができなかった秋の七草、ススキの穂を林道脇で見つけました。

 市街地で既に出始めているのを見掛けておりましたので、探しておりましたが最後に見つけることができました。

 これで菊とススキが揃いました。

 

 この日の最高気温も高く、秋田市で34.4℃です。

 まだ11時前でしたが、太平地内の温度計で35℃となっておりました。

 

 帰路に撮影して太平山遠景ですが、雲が多くなっております。

 そして、正午すぎから雨が降ってきました。

 

 

 事前情報のとおり、やはり、お盆休みの後半に降った雨は、その直前までの渇水や人出を仕切り直してくれるだけの効果はなかった様です。

 そんな中、秋田の忠学生で、こうした状況の太平山地の川で尺ヤマメを釣った方も居り、釣れない理由というものは、当然のことながら、状況によるものだけではありません。

 

 秋田市周辺は現在も残暑が続き、最高気温が30~35℃、最低気温で25℃を超える日もあります。

 8/22(月)から23(火)に掛けて台風9号の影響により、全県的に警報を伴う降雨がありました。

 

 秋田県の渓流遊漁禁漁日の9/20まで、残りが丁度1ヶ月となりました。

 状況に頼ってばかりは良くないことですが、それでも厳しい状況が2週間以上続いておりますので、次回の釣行までには幾らかの好転を期待したいと、どうしても考えてしまいます。

 

 秋が深まるほどに、禁漁日までの1ヶ月が短く感じられます。

 磨くことができるか、見出すことができるか。

 何らかの到達点を以て、今年の釣りを締めくくることができるように、可能な限りは釣行に臨みたいと存じております。

 

------------------------------------------------------------

 

 さて、本来ならばここで締めとなるのですが、触れておきたいことがございます。

 

 この記事の釣行日である8/20(土)の夕方5時に放送されたラジオ番組

  IBC岩手放送 「フィッシュオンイワテ」

  ※毎週土曜日の夕方5時放送

 にて、当ブログを紹介して頂きました。

 

 パーソナリティーはIBCアナウンサーの加藤久智さんです。

 番組や加藤さんのことをweb上で調べたのですが、1984年(昭和59年)の放送開始から今年で32年目を迎えた長寿番組で、忠さんからも伺いましたが、加藤さんと忠さんの付き合いも古く、忠さんが番組にサクラマス・鮎・渓流釣り等の情報提供で出演されるようになって15年は超えているとのことです。

 

 

 この場を借りて、加藤久智さんと番組スタッフさんに御礼申し上げます。

 

 放送の数日前に忠さんから電話を頂き、その様な運びとなったことを伺いました。
 忠さんも驚かれておりましたが、加藤さんの方から当ブログのことを持ち出されたと伺い、私も全く思いも寄らないことでしたので、とても驚きました。

 秋田県秋田市在住につき、ネットで全国のラジオが視聴可能な「Radiko (ラジコ)」の会員登録を済ませて拝聴しましたが、随所に御厚意が感じられる内容で、誠に有り難く存じております。

 

 私がブログを始めた理由は、釣行の様子を後で見ても判りやすい形で記録を残すこと、その様子を忠さんに見て頂くこと、そして、遠方に住まう友に郷里秋田の自然を感じてもらうこと、の三つでした。

 その過程で、渓流ルアー釣りに於いて、佐藤忠雄さん(忠さん)がこれまで示してきた理論の普遍性に気付きを得てからは、業界の現状を踏まえて、微力でも忠さんの近くでこれを支え、後世に残していくことの重要性を強く感じるようになりました。

 そして、忠さんが著した『御凜書~新しいヤマメ釣り』や一連のパートナーズDVDの紹介や、『新しいヤマメ釣り』を目標とした『山女魚乃忠学校』の活動の紹介も加えさせて頂く様になり、今年で5年目を迎えました。

 

 渓流釣りや鮎釣りで高名の伊藤稔さん米澤厚志さんを輩出してきた岩手の釣りは、他県に比べてレベルが高いと耳にすることが多いのですが、その岩手の釣りを、公共放送の立場から長年支えてこられた番組に、こうして取り上げて頂いたということで、とても光栄なことと存じております。

 

 これからの大きな励みとなります。

 ありがとうございました。

 

 これからも宜しくお願い申し上げます。

 

 以上です。