当社の制作物はWeb、印刷物共に「効果をあげるための制作」です。低迷するクライアントさんの商品、価格、販促力などを総体的に判断して制作をしています。どうしても、商品力から、競合に勝ち目がない場合には、博報堂や電通と言った広告代理店にも通用する高度なテクニックを使うこともあります。
広告代理店を称賛する理由はありませんが、日本の人気広告、CMの50%はこの2つの会社を経由しているのだから、クリエイテイブな面で学ぶべき点が多いことは確実です。しかし、残念ながら、こういったテクニックを使ったデザインを採用してもお客様から受け入れられないケースがたまにあります。
クライアントさんが否定する理由
こんなとき「大手広告代理店に1発OKがでるものが、商店のお客様(例)には何故、受け入れられないのか?」を考えたことがあります。1つは、こういったお客様の場合、デザインを主観でしか見ていないからです。自分の趣味、趣向で判断しているので、見よう見まねで他社の良いとこどりをしようとするわけです。しかし、これによってデザインの導線は確実に崩れます。これは設計ではなく貼り絵だからです。
もう1つは、過去に小成功の経験がある人は、「他人の意見に耳を傾けられない人」がいます。自分がデザイナーになったかのように自分で設計をしだすのですが、たいてい、他人の職種枠にまで踏み込んでくる人の完成品はお粗末な仕上がりになります。
当たり前ですよね。
ボクシングも本をいくら読んでも上手くならないように、デザインの設計も経験もスキルのない人が考えるものと、数多く経験を積んだプロが「どちらが良いものを作れるか?」考えればわかりそうなものです。
ですが、お客様が結果を問わずに「自分の趣味、趣向」に走りたいと言う認識でしたら問題はありませんが・・
結果からの判断では
●成功する人は「プロの意見を素直に聞ける人」
●失敗する人は「主観を押し通す人」
嘘だと思われるかも知れませんが、私が関わった仕事では1年後に大きな差としてハッキリ表面にででてきます。例えば、店舗商売でしたら上の人は、1年後は終日、満員御礼で従業員を3倍にしている。下の人は1年後も、自分の領域じゃない部分に時間をつぎ込み1人で打開策を考えている。
こんな形で良い、悪いは結果に現れます。
本当に良いデザインにして、自社の商品を向上させる意識があるのであれば「他人の領域にまで首をつっこまず、聞くべきところは聞く思考」を持つことが必要です。
前編「感覚のミスマッチで起きること?」