おはようございます。
森信三、修身教授録より、~2~

我々は、一体いかなる力によって、人間として生を受けることができたか。
私は40才を越えて、ようやくこの人生の大問題が、自分の魂の問題になってきた。

われわれ人間にとって、人生の根本問題は、結局は人として生をこの世にうけたことの真の意義を自覚して、これを実現する以外にないと思う。
そしてお互いに、真に生き甲斐があり生まれ甲斐がある日々を送ること以外にはないと思う。

そのためには、われわれは何よりもまず、この自分自身について深く知らなければならないと思う。

われわれがこの世に生をうけたのは、自分の努力などとは全然関わりのない事柄であって、まったく自己を超えた大いなる力に催されてのことです。

われわれ人間は自分がここに人間として生をうけたことに対して、多少なりとも感謝の念の起こらない間は、真に人生を生きるものとは言いがたいと思う。
昔の人は「人身うけがたし」という深い感懐(自分が人間として生をうけたことに対して、衷心から感謝した)を述べました。
無数の動植物のどれにもならないで、ここに人間の一人として「生」を与えられたわけです。
そこには何ら当然の理由も資格もないわけです。

感謝の念は、自らの生活に対する真剣さに繋がります。