【前編】アフリカの貧困について知っておきたいこと | ホワイトバンド ブログアクション

【前編】アフリカの貧困について知っておきたいこと

こんにちは。

ホワイトバンドブログアクション運営局です。


【追記】11/21__ _ __ _ ___ _ __ _ __ __ _ __ __ _ __ __ _ _

私たち、ホワイトバンドブログアクション運営局は
ホワイトバンドにまつわる一連の騒動について
私自身も、ホワイトバンドを300円で購入したものとして
「ほっとけない世界のまずしさ」キャンペーン事務局
の運営方法に関して要望や疑問点を持っています。

その議論の答えはキャンペーン事務局の方々に出していただきいと切に願っています。

一方、アメーバブログとしては多くの方が抱いた「貧困」に対する理解を深められるよう
独自で取材を行うことにいたしました。
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突然ですが、皆さんは「貧困」と聞いて何を思い浮かべますか?


お腹を空かせ座り込む人々。
ゴミの山でプラスチックを集める子ども。
内戦、難民、エイズ、天災・・・。



貧困のイメージは想像することができても
その貧困の状況について実感を込めて語れる方は少ないのではないでしょうか。


そこで、ブログアクションでは、世界の貧困の中でも、最も過酷状況にあるアフリカにスポットを当て、

今回から2回にわたり、国連職員、大学教授、大使として30年以上も

現場からアフリカ支援に携わってきた石弘之さん

「アフリカにおける貧困の現状」を教えていただきたいと思い、取材を行いました。

前編・後編2回に渡ってインタビューを報告いたします。

今回は少し長いレポートになりますが、貧困の厳しさ、難しさを目の当たりにしてきた

石さんだからこそ語ることのできる貴重な内容になっております。ぜひ最後までお付き合いください。




【前編】アフリカの貧困について知っておきたいこと



石弘之さん 石弘之(いし・ひろゆき)

1940年、東京都に生まれる。

東京大学卒業後、朝日新聞社に入社。ニューヨーク特派員、科学部次長などを経て編集委員。

85~87年国連環境計画(UNEP)上級顧問。94年、朝日新聞社退社し、96年から東京大学大学院教授。

2002年に大学退官後、2004年までザンビア大使を務める。

2004年12月、北海道大学公共政策大学院教授に就任。

受賞歴に、国連ボーマ賞、国連グローバル500賞、毎日出版文化賞。  



  現在、1日2ドル以下で生活している人が全世界の人口の4割を占めているといわれています。

貧困問題は東南アジア、南米を始め、北米、ヨーロッパを含めて

世界中に存在していますが、その中でもやはりアフリカは深刻な状況にあります。  


  アフリカは、サハラ砂漠をはさんで北と南に大きく分かれます。

サハラ砂漠から北は、アラブ世界です。

サハラ砂漠から南を「サハラ以南アフリカ」と言いますが、

この地域では満足に医療を受けられる人は数パーセントしかいません。

世界のエイズ患者のうち約7割がこのサハラ以南アフリカにおり、非常にひどい状態になっています。

エイズによってアフリカ全体が崩壊寸前になっていると言ってもいいくらいなのです。

皆さんも、貧困がもたらすアフリカのエイズ問題を、ぜひ知っておいてください。



1ドルの薬が買えずに死に行く人々



  アフリカでは、これまでにエイズが原因で約2500万の人が死んでいると推定されます。

現在、患者になっているといわれるのが、約2800万人。

南部アフリカのレソトなど、4割の人がエイズにかかっている国もあるほどです。

なぜ、こんなに多くの人がエイズになっているのか。

貧困により医療をほどこす施設がなく、薬が手に入らないのがその大きな理由です。  


  ご承知の通り、エイズは今ではコントロールできる病気になっています。

ARVという薬を毎日決まった時間に飲むと、発症が抑えられるようになっているのです。

途上国向けに安いジェネリックのARVがあり、これを使えば薬代は1日1ドルで済みます。

しかし、大部分の人にはこのお金が出せません。

エイズは薬があれば死ななくても済む病気ですが、

お金がないので生き残れないというのが現実に起きていることです。  

1日1錠薬が買えれば死ななくても済みますが、ほとんどの人が買えない。

そこで、少しでも「治る」という希望を見い出そうと、迷信がはびこるわけです。

南部アフリカでは「男性のエイズ患者が処女とセックスをすれば治る」

という迷信を多くの人が信じてしまっています。

今でも医療の主役はウィッチドクター(呪術師)で、呪術師がそうした迷信を広めたといわれています。  

 

  その迷信のせいで、生後半年とか9カ月の女の子がレイプされるような犯罪が

すごい勢いで増えている。これはレイプというより、もはや殺人です。

南部アフリカはレイプ発生率が世界一ですが、その原因にエイズがあるのです。



社会の中枢を担う世代がいなくなる 石弘之さん



  エイズは、性的にアクティブな年齢層がかかりやすい病気です。

アフリカでエイズで死んだ2500万人のうち、そのほとんどが10代後半から30代前半です。

その年齢というのは、200年前に奴隷貿易でアフリカからヨーロッパ、アメリカに

もっていかれたのと同じ年齢層。奴隷貿易だって、老人より労働力になる若者を狙っていましたからね。

 
  今日まで続くアフリカの立ち遅れは、奴隷貿易で若い人がいなくなったことが

大きな要因ですが、現在もエイズで同じ状態が再現されてしまっているわけです。

社会の中枢で一番働ける人達がいなくなっている。

現在、南部アフリカのマラウイでは深刻な飢餓が広がっていますが、

農村の中核人口がエイズで死んで農作業ができなくなった。

僕が大使をやっていたザンビアでは年間2000人、

学校の先生がエイズで死んでいます。年間2000人ですよ。  


  その中にモラルのない先生がいて、女生徒にエイズをうつす。

また、お母さんがエイズの場合、産道と母乳で感染して生まれた子の3割はエイズになります。
とにかく非常に悲惨な状況です。  

エイズは性的に感染しますから、片方の親がかかると両方の親が死ぬケースが多くなります。

子供は孤児になる。アフリカでは今、エイズ孤児だけで1100万人いますが、

数年後には2000万人になると予測されています。  

両親がいないエイズ孤児は、親戚をたらい回しにされます。女の子の場合、

そこで親戚にレイプされるケースも多い。それから孤児に生まれると、学校に行けない。

満足な栄養が摂れない。病気になっても医者にかかれない。

生涯の初めから最低限の生活が約束されているようなものです。  


  大家族制なので以前は親戚が面倒を見ていたのですが、

親戚もいっぱい子供をかかえているから、とてもじゃないけどまかないきれなくなっている。

そういう子達は、街に出てストリートチルドレンになる。そこで物乞いをしたり盗みをしたり、

女の子の場合は売春をしたり、そうやって生きていくしかなくなるわけです。



石弘之さん 拉致されて兵隊になるエイズ孤児




  ストリートチルドレンの男の子を拉致してきて、兵隊に仕立てるようなことも行われています。
そういう少年兵が30万人くらいいると言われている。
10才前後の子が銃を持って戦っているんです。
ウガンダは長年戦争やっていますから、大人の兵隊が少なくなっています。

政府側の兵隊も反政府側の兵隊も、子供達が中心になって戦っている。

彼らのリクルート源がストリートチルドレンです。


  少年奴隷になるケースもあります。

奴隷なんてアメリカの南北戦争でなくなったと思うかもしれませんが、

実際アフリカでは奴隷制度がまだずいぶんあるんですよ。

貧しい親が売ったり、親戚が預かった子を売ったりして、子供達を売り買いする。

そういう子供達は、ほとんどが大農園で働かされます。  

一番多いのはチョコレートの原料のカカオを作るカカオ農園ですね。

彼らは一銭の金ももらえずに、最低限の栄養で朝から夜遅くまで殴られながら働きます。

世界のカカオ生産の半分はアフリカです。

そういう少年奴隷によって、みんなが食べているチョコレートができているわけです。

チョコレートは「カカオ豆を粉にして、砂糖とミルクとアフリカの子供達の血と汗で作る」という言葉が

あるほどです。  



  カカオ農園で働く少年奴隷は国際問題になって、少年奴隷を使っていない場合は、

チョコレートの箱に『Child Slave Free(少年奴隷を使っていません)』

但し書きを入れるようになったくらいです。少年奴隷はハッキリした数は分かりませんが、

数十万人いると言われています。カカオ農園の他、コーヒー農園や綿花農園などで

働かされることもあります。  奴隷とまではいかなくても、過酷な重労働を課せられていることも多い。

社会保障がまずないですから、アフリカで親を失うということは人生のどん底に落とされることを意味します。エイズによって、このような子供がどんどん増えているのです。   

次回 は、アフリカに対する援助の難しさについてお話ししたいと思います。)


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  皆さん、いかがでしたか?

  貧困に端を発するアフリカでのエイズ問題には、世界の人々が胸を痛めています。

しかし、道路はない、クリニックもないところでどうやって対策を立てるのか。

エイズ薬は使い方が難しく、定期的に血液中の免疫を測って、

薬の組み合わせを変えていかないといけません。


けれども、血液検査する場所がない。しかも、大部分の人は診療所なんてないところに住んでいる。

バスで2日かけないと行けないような人もいます。そうすると薬を配ることもままなりません。  


  どうにかしなければいけない。しかし、どうやって解決すればいいかが分からない。

こういうことが、アフリカの貧困問題ではとても多いのです。

アフリカの貧困の現状からどのような感想を持ちましたか?

皆さんの率直なご感想をお寄せください。

【追記】11/21__ _ __ _ ___ _ __ _ __ __ _ __ __ _ __ __ _ __ __ _ _

このブログで実施したアンケートや取材等は

アメーバブログ単体で実施し「ほっとけない世界のまずしさ」
キャンペーン事務局の指示を受けたものではなく独自で取材を行うことにいたしました。

その点をご理解いただきますようお願い申し上げます。

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