2007年08月09日

吾郷清彦編「神道理論体系」新国民社・・を読む

【オルタナティブ通信】

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 百科事典のような書物で、細かい文字で700ページ弱。文庫本にすると5冊、2000ページ程の書物であるが、なかなかおもしろい。この書物の出版 には、出雲神社を始めとした全国の神社が多数、費用を出資し協力している。

 平成天皇が、先日
テレビ に出、日本人は朝鮮半島から渡って来た民族と平然と発言していた。明治時代にそのような発言をした者は、間違いなく「非国民」として警察に逮捕され、刑務所に入れられたはずであるが、現在では、天皇自身がテレビで、平然と、そうした発言を行っている。

 本書では、日本を代表する神道学者達が、同様の日本人=朝鮮、
中国 起源説を理論的に語っている。

 日本人が「オリジナルな民族である」という主張が、全くの誤りである事が、天皇の信奉者によって語られる。「日本人がオリジナルな立派で偉い民族」なので、朝鮮、中国人より「偉く」、差別して良い等という日本に根深くある差別の根拠となってきた、「天皇制」の考え方が、天皇自身と天皇信奉者の神道学者により、「無知から来る誤り」であると否定される。

 また、天皇が明治時代以降、日本国家の政治
指導者 となり、第二次世界大戦 以降は国家の象徴となった事について、神道学者の立場から、天皇が政治的に悪用され天皇自身が戦争に加担した事につき、誤りである事も言及される。

 明治から現在までの天皇の「在り方」は、神道の「道」の在り方として間違っている、という非難である。

 これは、本書出版に
資金 を提供した多数の神社と神主達が、戦争に加担し、また象徴となった現在の天皇を、「間違った神道」と考えている事を示している。

 また、かねてから神道学者の中には、明治天皇が西南の役を前後して暗殺され、英国と日本の
三菱 、三井財閥の「あやつり人形」として、「何でも言う事を聞くニセモノ天皇」が即位し、日清日露戦争、第一次.二次世界大戦 を行って来たと主張する者達が居る。
昭和天皇、平成天皇は、暗殺された明治天皇に代わった「ニセモノ」の子孫であり、天皇の
資格 のないニセモノであるというのだ。

 こうした主張をする学者は、傍流と思われて来たが、本書では日本の代表的神道学者として、論陣を張っている。

 これは、本書出版に資金を提供した多数の神社と神主達が、本当の明治天皇が暗殺され、
外資 によるニセモノの「アヤツリ人形天皇」が即位し、その末裔が現在即位している事を認識している事を示している。

 本書には、神道を数学を用いて分析し、その世界観を明晰に記述した論文が含まれている。神道が、明晰な数学的思考を持った世界観である事を示した、優れた研究である。

 「万世一系」「神国」等と言った、明治初期に「戦争実行のために作られた」デマを信じ、その裏返しとして「神国」でない朝鮮、中国民族を差別する人種差別に陥るのは、愚かな日本人の繰り返してきた過ちである。

 神道が朝鮮の宗教儀礼・鬼道のコピーであり、神道がアジア全域に存在するシャーマニズムの1つであり、欧州、中国、朝鮮全域を含むユーラシア史の一部としてしか、天皇史と日本史が成立しない事、それを自覚する事が、ユーラシア経済圏の東端の貿易港・日本が生き残るための唯一の「道」、日本の未来である事を歴史は教えてくれる。

 最後に、「古事記」「日本書紀」の記述が、朝鮮の百済国史の人物名を入れ替えただけの偽造文書であり、元々、固有の日本史等存在せず、日本史が朝鮮史である事を明記しておきたい。 
posted by Sirius at 03:45| Comment(7) | TrackBack(0) | 日記