前回で 通訳の語学力のことに

ついてお話しました。


じつは 通訳を選ぶ際にもう一つ

重要なポイントがあります。



私自身 いままでに4人ほどの

通訳を使う機会が ありました。



一番優秀だったのは 日本に4年程

留学し、日系企業の中国支社で数年

働いたことのある女性でした。



彼女は 中国人か日本人であるか

わからないほど流暢な日本語を使い

とても正確に通訳してくれるのです。


もちろん少しでも 専門用語やわからない

言葉があればすぐに調べて常に正確に

を心がけてくれていました。


通訳としては 100点満点だったと

思います。



しかし次第に私の中で 多少の不満が

生じてきました。



それは、なにか・・・・。



言葉には 心があると思います。



たとえば、交渉事にときに 熱意を

言葉に込めて 相手に伝えていきたいし

謝罪のときは 心の底から申し訳ない

気持ちを言葉に込めたいと思います。




従業員に注意するとき あるいは

彼らの不満に対応するときなど

気持ちを込めた説得力のある言葉で

伝えなければと思います。



しかし、彼女にとって 言葉を

正確に伝えることに始終し、

相手に対し こちらの気持ちを伝える

ことまでは難しかったのです。



技術的には 表現力や演出力と

呼ぶものかもしれません。


しかし最も肝心なことは 

こちら側の気持ちを理解して

いるか、いないか…に

尽きると思います。




したがって相手に用件は伝わっても 

なかなか気持ちが伝わらず、

苦慮することが多かったのです。


いや、実際そこまでを要求する

ことの方がまちがいなのかもしれません。


しかし、いまの私のパートナーは

付き合いが長いのというのもありますが

私の考え方自体を 理解してくれて

いるためか、言葉以上に私の思いを

込めて相手に熱く伝えてくれます。



その結果 相手にも気持ちや誠意がつたわり、

なによりも物事がうまく進むのです。


この件は かなり高度な要求になるとは 

思いますが 外国人が外国で長くビジネスを

続けていこうと考えるならば、とても

重要なことではないかと考えます。




<教訓>


解決方法は2つ


自分自身が熱い思いを相手に

伝えることのできるだけの

語学力を身につけることです。


もし、それができないならば

ほんとうに信頼できる通訳=パートナーを

見つかるまで探すことです。



そしてコミュニケーションに常に心がけ

自分の考え方や思いをできるだけ

理解してもらう努力を日頃から

すべきだと思います。