なにか物事を 早急に決断するとき、

日本式の稟議方式では 欧米式に負ける!

と、一度は聞かれたことがあると思います。



海外で仕事をされた方なら日系企業と欧米企業の 

決断の早さに大きな差があると感じられたことが

あるでしょう。



最近でこそ、日系企業も稟議等の簡素化を

図り、スピード化を図りつつある

ようですが、それでもまだ大きく

後れをとっている感じがします。



なにが、そんなにちがうのか?

それは現場責任者の決裁権限がいちばん

大きいと思います。



こちらの外資企業の責任者は日系企業の場合

大半が日本人ですが、欧米系の場合中国人を

代表にしているケースが大半です。



しかもその代表者に持たせている権限が

大きいのです。



日系企業の場合、なにかことがあるたびに

日本の本社にお伺いを立て、そしてこちらの

事情に詳しくない本社の人間がああだ、こうだ

と言いつつ、やっと決まったかと思ったときには

時すでに遅し!ということが多々あります。



たとえば出店等の物件を探す場合。

物件が見つかったと同時に 素早く判断し

是非を決定しなければなりません。



そうでなければ、好物件はすぐに他に

奪われることになります。



欧米系でなくとも 中国人もとにかく

決断、行動が早い!のです。



「いつまでやる?」


「いまでしょう!!」(笑)



昨年、当社も探していたホテルの好物件が

ある日見つかりました。



競争が激しいのを知っているので、3日後には

日本から専務が来て 物件を確認し、物件オーナーに

借りる希望を伝えました。



ただ、当社のトップがどうしてもその物件を

見たいというので契約を一週間延ばしてもらい

一週間後にトップが上海に来ました。

しかも契約を前提にしての来上海でした。



しかし、その前日に他の業者が 私たち以上に

お金を積み 契約を完了してしまったのでした。


向こうも当社のトップが来ることを承知して

契約を内諾していたにも関わらず、目先の現金に

当方との約束よりも優先させたのでした。



一瞬の油断が大きな失敗に なりました。




<教訓>

こちらでの決断事項は 時間との勝負だと

いつも認識するべきです。


また、日本の本社も現地の現状を日頃から

把握し、現場への権限委嘱も大切なことだと

思います。