日本では買い物をする際、レジで

1万円札を差し出しお釣りが発生する場合、

レジの人が行うある基本動作があります。



お釣りの千円札を まず自分で2度ほど

数えたあと、最後は、お客さんの目の前で 

わざわざ丁寧に「千、2千、3千円・・・」と

確認を促すように声を出しながら、

数えて見せてくれます。




最初は、「この店はていねいだな~」

思っていたのですが、どこの店に行っても

同じなので、正直驚いています、、、




もちろん、中国ではこんな動作は

ありえません・・・。



なにをいまさら??  と言われそうですが、

中国に長くいると、こんなことがとても

新鮮に感じます、、、(笑)




そんなとき、銀行員時代に叩き込まれた

ある言葉を 思い出します。



それは、「現金その場かぎり…」

という言葉。



意味は、文字どおり、「現金はその場でのみしか

確認できないし、あとではどうにもならない」と

いうことを戒める言葉です。



店のレジにしても、銀行の窓口にしても

受け渡しの現金が多かったり、少なかったり

といったようなことが時々起こります。



現金の受け渡しをするのは、人と人ですから、

故意でなくとも、どちらかの勘違いということ

で起こりうる可能性も あるわけです。




若き!?銀行員だったある日、私はある酒屋さんに

集金に行きました。



そこの奥さんは、


「はい、今日は100万入金しといて!」


私に帯のかかったままの100万円の札束を

渡されました。



お札に帯がかかっていたとしても、もちろん

帯を外してお札を数え 確認します。



しばらく、奥さんは店の奥の方に入って

行かれました。


ところが、私がそのお札を数えると、

何度数えても 100枚ではなく、

99枚しかないのです、、、




(え、1枚足らないよ~)



そこで戻ってこられた奥さんに、


「奥さん、すいませんが

 99万円しかないのですが…」




その瞬間、奥さんの形相は変わり、


「えっ、 そんなはずはないわ!

 だって、100万円の帯がかかったままよ!!」




「いえ、何度数えても99枚しかないのです。

 ご確認してみていただけますか?」(汗)



その札束を私の手から、奪い取ると自分で

数え始めます。



「… 97、98、99 …。


そんなはずはない…  おかしいわ・・・」



次の瞬間、その不可解な表情の後には、

あきらかに私を

疑っているのが表情が見て取れます、、、



(おいおい、冗談じゃないよ、、、)



疑いをかけられて 驚きとともに 

なんとも言えないようなくやしさが

こみ上げてきます・・・。




その場は、なんとか治まったものの、

次回からの集金です。


お金を数える際には、奥さんがわざとのように

私の目の前に立って、するどい目を

光らせるようになりました、、、



とてもやりきれないような気にもなりましたが


「現金、その場限り…」


身をもってその言葉の重さを学んだ瞬間でした。






ちなみに、その後わかったことですが、

100万円束が1枚少なかった理由…




奥さんがケチでなかなか、遊ぶ金がもらえない

ご主人が、こっそりと1枚(1万円)だけ

抜いていたそうです、、、



ご主人、再び同じ手を使おうとして、

目を光らせていた奥さんに現行犯逮捕!? 




こちらは、とんだとばっちりでした、、、(笑)