【PickUP@アニメ】「GANTZ」 | U-NEXT [ユーネクスト]

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昨日から配信開始しました! 地上波での放送時は放送コード等の問題でカットせざるを得なかったシーンを大幅に追加し、よりテーマがはっきりしたオリジナルバージョンでの配信。

「GANTZ」です!


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玄野計(読み:くろの・けい)は高校生。ある日、地下鉄の駅でホームレスがホームに落下するのを見かける。そこへ助けに入ったのが、偶然居合わせた玄野の小学校時代の親友、加藤勝(読み:かとう・まさる)。行きがかり上、加藤と協力して落下者を助けようとする玄野だったが、進入してきた電車に轢かれてふたりとも死んでしまう。次の瞬間、彼らはマンションの一室にいた。部屋には、リストカットした巨乳女子高生の恵(読み:けい)など、数人の「死んだと思われる」人々。部屋のど真ん中には、“ガンツ”と呼ばれる謎の大きな黒い球。彼らはその球に、“ネギ星人”を「やっつける」ように指示される。玄野や加藤をはじめ、死んだはずの人々は理由もわからないまま、ワケのわからない星人と戦うことになるのだが…。

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シュールで、シニカルで、残酷で、ちょっとHで、それでいてキマジメな作品。まだ10話までしか見られていないのですが、そんな印象を受けました。

生と死のハザカイで繰り広げられる、緊張感あふれるSFアクション。グロテスクな描写やきわどいエロス発言も多いので、地上波で放送できなかったのも納得。

…ではあるのですが、作品自体がどこか“ユルさ”を内包しているのです。遊び、と言っていいかもしれません。

ガンツは、その黒い球の表面にテキストメッセージを表示することで指令を出すのですが、その合図がラジオ体操のテーマだったり。いつも「ち」と「さ」が逆になっていて、「さわやか」が「ちわやか」だったり。だいたい、やっつける相手が「ネギ星人」だったり。

思わず、「ふっ」と笑ってしまう。そこが、この作品の愛すべきポイントにもなっているのです。

一方で、最も緊張感のある場面では、突然視聴者にリアリスティックな問題提起をしてくるので、ドキッとさせられます。

フツウ、SFアクションなら、クライマックスで敵と相対したとき、自分が武器を持っているとき、よほど敵とのあいだに深いエピソードがなければ、ドカンとアクションで一発盛り上げて、なんとかやっつけてめでたしめでたし、というところでしょう。

それが、このアニメの登場人物たちは、撃つか撃たれるかの場面で、唐突に視聴者に問いかけるのです。

「撃ったら、どうなる?」「撃ったら、こいつは死ぬのか」

ここにいたるまでに、私たち視聴者は、いくつかの死とそれを取り巻く人間の悪意を、残酷なかたちで見せられています。だから、この問いに、躊躇せずにはいられない。

でも、撃たなかったら、自分が死ぬ。死ぬのは怖い、どっちがいいんだ、死にたくない、どうしたらいいんだ、と。

クライマックスで、こんな根源的なこと問うヒーローはなかなかいませんよね。

こうして、視聴者は、SFの世界を突然ぐぐっと近くに感じさせられます。登場人物たちとともに、突如、生と死や正義について考えさせられるのです。

実は、主人公の玄野は冒頭、何に対してもヒネクレていて他人を見下し、人の情や良心を信じることなく孤高を気取り、その割には高校生らしいエッチな欲に振り回されて生きている少年だということが、しつこいくらいに描写されています。

一方の加藤は、頭はイマイチだが身体が大きく、真っ直ぐでひたむき、愚かなまでに情に厚い少年。

ふたりは小学校時代は仲が良く、玄野はわんぱくのガキ大将、それに憧れていたのが加藤、という構図だったようですが、今はお互いかなり変わってしまっている。を卒業して以来会っていなかったようで、そのあいだにそれぞれに不幸な出来事があったことが少しずつわかってきます。

ふたりがそれぞれに心に傷を抱えながら、どのように成長していくのか。特に玄野はどう変わっていくのか。玄野と加藤と、巨乳の恵ちゃんの、奇妙な三角関係。

そして、実体は死んでいるのに「FAXから出てきたコピー用紙みたいなもの」として生きなければならない彼らの行く末、気になります。

第1話だけだと、あまりにも性悪説な展開に嫌悪感を抱くかたもいらっしゃるかもしれません。が、第4~5話まで観ると、作品の真意と世界観を把握できると思いますので、まずはそこまでご覧になることをオススメします!

製作はGONZO、オープニングテーマのRIP SLYMEをはじめ、劇中音楽もなかなかカッコイイです。

どうぞお楽しみください。





※PPV

番組表<アニメ>