先週になってしまいましたが、2月9日は手塚治虫さんの命日だったんですね(1989年)。多くの名作を残した天才の作品は、U-NEXTでも「ブラック・ジャック」シリーズや「三つ目がとおる」など多く配信していますが、今日はそのなかからこちらをご紹介します。
『ジャングル大帝 劇場版 (1966)』と『ジャングル大帝 劇場版 (1997)』です!
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誇り高きジャングルの王、白ライオンのパンジャが、人間の手にかかって殺されてしまう。妻のエライザも人間に捕らえられ船に乗せられるが、檻のなかでパンジャと同じく真っ白な王子レオを出産。自分の死を悟ったエライザは、幼いレオを広い海へと旅立たせる。やっとの思いでアフリカのジャングルにたどり着いたレオに、大きな試練が…。(1966年)
ジャングルの王として立派に成長したレオに、二匹の仔が生まれる。ルネ、ルキオと名づけられた仔ライオンたちはすくすくと成長する。ある日、人間の世界に無邪気に憧れるルネがサーカスに売られてしまい…。一方その頃、ジャングルのどこかに眠る“月光石”を求めて、人間たちがジャングルへ侵入してくる…。(1997年)
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1966年版は、壮大なドラマの始まりを描く物語。白いライオン・レオの誕生と、ジャングルの王としての目覚めを描きます。
50年近く前のアニメーションは、現代のアニメのような滑らかさやリアリティの代わりに、職人たちによるアナログ製作のあたたかさが魅力的。まるで作り手の息遣いが伝わってくるようです。
構図の美しさは素晴らしく、どの場面で停止しても、イラストレーション作品として完成された美しさを感じます。特に、大自然の雄大さを描く場面などは、今のような奥行き感がないかわりに、水彩画のような美しいグラデーションで表現される自然のディテールが本当に素敵!
物語そのものはシンプルで、お子さんと一緒に観るのも楽しいと思います。
一方、1997年版。こちらも10数年前ではありますが、すでに2Dアニメの技術は成熟し、アニメーションとして自然な作風となっています。
動物たちの動くの滑らかさ、迫力にも特筆すべきものがありますが、やはりこちらの出色は、手塚アニメらしいメッセージ性。
人間と動物、技術と自然の共存という非常にデリケートな問題を扱いながら、王としてのレオの葛藤と決断や、レオの息子ルネの冒険と成長をも描きます。ラストでレオの選んだ道、かなり泣けてしまいます…。
どちらも、時代を経ても色あせない魅力は、さすが名作の持つ力。
手塚治虫アニメーションは、ほかにも「手塚治虫 実験アニメ作品集」、「三つ目がとおる」、劇場版『鉄腕アトム 宇宙の勇者』、「鉄腕アトム(新)」、「ブラック・ジャック <オリジナルアニメ>」「ブラック・ジャック」『ブラックジャック 劇場版』「ブラック・ジャック 空からきた子ども」「ブラック・ジャック スペシャル ~命をめぐる4つの奇跡~」「ブラック・ジャック21」を配信しています。
特に、「手塚治虫 実験アニメ作品集」は、ちょっぴり異色の作品13篇が並ぶ短編集。かなりオトナ向けのシュールなものや、思わずニヤリとしてしまうシニカルな作品、コラージュ風のアニメーションもあって、楽しめます。こちらもオススメ!
どうぞお楽しみください!
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