いかにも梅雨らしく

朝からしょぼしょぼと雨が降り続き、

そのうちベランダがすっかり濡れてきた。

ビーチラインを走る車は、例外なくワイパーを動かしている。

空模様を見ても、あぁ、梅雨なんだと。

電話やメールで、

年寄りの相談役を引き受けてしまっているようだ。

仲間も８０前後になり、

年寄り相応にわがままになり、

年寄り相応に頑固になり、

年寄り相応に自省をすることもない。

あなたは恵まれているではないか、

今の環境の中で自分の楽しみを見つけよう、

新しい友達を見つけよう。

そう言っても、そんなことでは納得しない。

もう、面倒なことはしたくないんだね。

メールで、あいつは俺に説教をした。

メールで、わけの分らないことを何度も言ってくる。

メールで、わざと怒るようなことを言う。

メールで言ってくること聞いてると、

ボケが始まったんではないかな？

そんな風に思うものだから、

返事もそれなりになってくる。

顔を見ながら話をしているのと違って、

冗談が通じない、それをすぐ知らせられない。

そういうことが十分理解できなくなっていて、

いや、すぐに理解できなくなっていて、かな、

すれ違いを感じたり、

憤慨したりしているのだ。

自分も年寄りの仲間ではあるから、

全部、よく分かる。

自分が当事者だったら、どうするだろう。

そうは思うものの、

最後は老い先短いのだから、

カリカリしないで、自分なりの楽しい場所を構築して、

その中で生きていくことを考えよう。

仲良くしようよ。