029 頭を浮かせる話 | 私の日常

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思いつくまま雑多な話を書いています。


※HP掲載のサークルレベルの記事に手を加えてお届けしています。
※HPの連番とは異なります。


029 頭を浮かせる話

モダン&ラテン共通の話です。


しっかりと床にいるために 「両足で床をプレスして強く立つ」 ― こんなことを先生に言われたことはありませんか?


しかし、これが意外と難しいと思いませんか?


床をプレスする両足、その上の腰、そして背骨、頭 ― どこか一か所で少しでもずれると、全体が崩てしまいます。ずれが生じると、強いボディが見えません。


しかも、自分では、どこが崩れているか、なかなか分かりません。


そこで私たちは、「アレクサンダー・テクニーク」から学んだ 「頭を上に浮かせる」方法をサークルで用いています。


イメージ的には、操り人形の頭を持ち上げていくと、その下に体がぶらさがってついてくる ―― そんな感じです。


更には、「頭を切り離して上の方において置く」感じが持てれば最高で、トップ・ダンサーの踊りをみていると、こうした原理を何らかの形で教わっているのではないかと感じることがしばしばあります。


この方法で踊る場合、体は頭の下にぶらさがっていますから、理論的にはボディは脚部の制限を受けることなく自由に動くことになります。



そんな方法では、床に対する強さが表現できなくなるのではないかとの懸念が湧いてきます。でも:-

床を意識して強く立っているつもりでも、弱々しく感じることはありませんか? 

それは体のどこかにひずみがあるからではないでしょうか?


また、実際に床に対して強く立ってみてください。次に、弱々しく立ってみましょう。

床に対する体重は変化したでしょうか? いいえ、どのように立とうとも、床に対する重さは変化しないのです。


そんなわけで、どうせ同じなら余計なことはせず、バランスの良い形を作ろう ― という考えなのです。


それに、これはサークルレベルでの講座ですから、例えこの方法で強さが表現できなくても、全然構いません。プロのように踊ろうなどと無茶な考えを起こさず、できるだけ楽に綺麗に踊れる方法を見つければ良いのですから。その結果、万が一、優雅に踊れれば、儲けものなのです! (笑)



最後に情報として、この「頭を上にして、その下にボディをぶら下げる」方法は、ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニックにも書いてあることも付記しておきます。


ハッピー・ダンシング! Makoto Kammoto 


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アレクサンダー・テクニークは心身の無駄な緊張を止めることで、それまで抑えられていた能力を開放する方法です。アレキサンダー氏(1869-1955)自身は、オーストラリアでシェークスピア劇を演じていましたが、あるとき声がでなくなり、鏡を使ってその原因を長い時間かけて見つけた人です。その結果、無駄なことはしない、体全体の調和が必要という事に気づきました。そのテクニークは現在、欧州のいくつかの国では医療機関と連携をとって代替医療として教えられており、ジュリアード音楽院、英国王立演劇学校(RADA)をはじめとする芸術系の学校で教えられたり、乗馬、ダンス、水泳、演劇その他に応用したアレクサンダー・テクニックのコースも各地で開催されたりしているようです。

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