★ザ・プレミアム・モルツ特別バスツアー【九州熊本工場】2の続きです。
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最新の工場設備を誇るサントリー九州熊本工場 では、通常の工場見学ツアー内では撮影はできません。今回は特別ツアーのため撮影も特別にOKが出ていました。ということで、たくさんの写真と共にレポートいたします。
10:50 工場見学ススタート!
「仕込」
麦芽、ホップ、水。
これら、こだわり素材の味わいを出す仕込み室。
ザ・プレミアム・モルツの深いコクと旨みの基礎がここで作られます。
麦芽に天然水を加えてできる麦汁。
この麦汁は、麦の甘みがしっかり詰まっているため
麦茶にお砂糖を何杯も加えたような甘い味わいです。
その麦汁にホップを投入し、苦みと香りつけをしていきます。
ホップをいつ入れるのか、
どのくらい煮沸するかで香りや苦味に違いが出るのです。
この段階でできた麦汁は、まだアルコール度数0%のジュース状態です。
350mlの缶で51万本分のビールが貯蔵・熟成されている巨大タンク。
仕込み釜越しに見ても、この大きさ!!!
自宅にこのタンクが1本あったら、どのくらいで飲みきれるのか?
1日に350ml缶を5本ずつ毎日飲んでも1年で1,825本。
51万本を飲み切るには何年かかるのか…、そんなお馬鹿な計算をついついしてしまいました。(正解は279.45年ですが、その頃にはサハラはもちろん、家族も知り合いも誰も生きているはずがありません。いくらビール三昧でも、それじゃあ楽しくありません。 笑)
「酵母室」
麦のジュース、麦汁はそのままではビールにはなりません。
酵母という微生物を麦汁に加え発酵させることにより、アルコールとなっていくのですね。
4つめの素材とも言える「酵母」が入っているタンク。
しっかりした元気な酵母が働かないとおいしいビールはできあがりません。酵母にとって最良の環境を作るため、醸造技師達は365日24時間体制で見守っているとのこと。どんなにオートメーション化が進んでも、ザ・プレミアム・モルツのおいしさは、人の手と情熱によって作られているのですね。
こうして、醸造技師達によって大切に見守られた元気な酵母を麦汁に加えると発酵がはじまり、約7~10日間で麦汁が若ビール(アルコール約5%)となります。
若ビールの味わいは、「若」の文字が示すとおり、まだまだ荒々しい感じです。まろやかに安定させていくために、じっくりと熟成させていく貯酒期間があります。約0度に保たれた冷たいタンクの中でゆっくりゆっくり寝かせることで、味わいや香りを整えられていくのです。
(泳ぎたいと夢見たあのタンクの温度が0度だっただなんて…。ビール漬けを楽しむ前に凍えてしまいますわ 笑)
ザ・プレミアム・モルツは、通常のビールよりもさらに長い熟成期間をとることで、深い味わいとまろやかな香りに仕上がっていくのだそうです。なんだか、手塩にかけて子供を育てるような手間と愛情がかけられているビールなんですねぇ。
「濾過」
熟成されたビールからオリや酵母を濾過して取り除き、いよいよ透き通った黄金色のビールとなっていきま~す
【充填機】
こうして作り上げられたビールが缶に詰められていきます。1分間で350ml缶を1,500本詰めることができるそうで、見ていると目が回りそうになりました。
【パッケージング】
思いのほか楽しかったのが、このエリア♪♪♪
これぞ工場見学!という光景との出会いがありました。
九州熊本工場は食品業界初のハイブリット(総合)工場 なんです。つまり、ビール・発泡酒とウーロン茶やペプシなどの清涼飲料という、中味も製法も異なった種類の製品を製造しているのです。
サハラたちが見学したときは、おなじみの烏龍茶がパッケージングングされているところでした。たくさんのボトルが次々とパッケージングされてるのを見て、ふとサハラは思ったのです。
「ライン上を回っている烏龍茶になって工場内を旅したいなぁ」と。
そんな妄想にふけっていたら、なにやら他の参加者が注目しているエリアがありまして、みなさんの視線の先には、こんな光景↓が…。
それは、工場内の長い旅を終え、商品となって旅立つ寸前にラインから外されたボトルの姿でした。
容量が少ない、ボトルに傷がある、フタの締まりが弱いなどの理由でラインを外され、下の青い箱に落とされてしまうのです。まるで戦力外通告を受けた選手みたい…。と、ちょっとセンチになってしまいましたが、しっかりした製品管理が行われているということですね。
烏龍茶になって工場内を旅してみたい…というサハラの妄想は、この青い箱の中に落ちたボトルを見た途端、冷めてしまったのでした。
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センチになったサハラに元気を与えてくれたのが、工場見学の最後のコーナーであるリサイクルの説明コーナーでした。サントリーが環境に対して取り組んでいる具体的な事業内容などを、パネルを見ながら説明を受けることで詳しく知ることができました。
工場長はじめ、社員のみなさんが着用されている作業服は回収されたペットボトルからできたものです。
こちらは回収されたガラス瓶から再生されたタイルです。工場の玄関前に敷き詰められていました。
「水と生きる サントリー」にとって、環境への取り組みは、木にたとえるなら根幹のようなものなのかもしれません。
冒頭でお聞きした工場長の挨拶の中で、「麦芽滓を地元の馬牧場にエサとして提供しています。麦芽滓を食べた馬の成長がいいので、牧場経営者の方からもっとたくさんの麦芽滓を欲しいと言われています」とお話しされました。「地元の馬にもっとたくさんの麦芽滓を提供するためにも、ザ・プレミアム・モルツをたくさん増産したい思います」とも。
ゴミになってしまう麦芽滓も、そのように地元の産業に役立ち、循環しているって素晴らしいですね。環境は21世紀に生きている自分たちにとって大きな大きなテーマですもの。
サントリー九州熊本工場では「森と水の学校」阿蘇校なども開催しています。地元の森林インストラクターの方と、水の大切さや水を育てる森の素晴らしさを学べます。お近くの方は、一度参加してみてはいかがでしょう。いいなぁ、サハラも行きたいなぁ。
★ザ・プレミアム・モルツ特別バスツアー【九州熊本工場】4へ続く。
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サントリーは「武蔵野工場」「京都工場」「九州熊本工場」で、ザ・プレミアム・モルツ講座を3月31日(土)から開催するとのこと。こだわり講義や製造工程見学、そしてこだわり試飲など、お楽しみ満載です♪♪♪