夏と猫と高校野球。
今年は早実が決勝まで来たので、高校野球を観戦する。
私が子どもの頃は、どこの家庭でも夏の高校野球は観戦していた。
夏休み、親が見ているテレビから高校野球の決勝戦が終了して、うーうーとサイレンが鳴る音が聞こえてくると
「ああ、もうそろそろ夏休みも終わっちゃうなぁ」と、切ない気持ちになった。
私が小学生までは、夏はいつも千葉の銚子の祖母の所に半月ばかりも遊びに行っていた。
大きな商売をしていた祖父祖母の田舎の家は、広くて人が大勢いて、いとこ達もわいわいいて、子どもの一人や二人増えたところでどうってことがなかったので、東京の忙しい両親は、夏休みになると銚子に私と妹を送り込んだものだ。
港のすぐ近くで、海水浴場もあり、親の監視から逃れられる銚子のおばあちゃんのうちに行くのは、毎年とてもわくわくした。
当時は、銚子商業高校の野球が強くて、毎年のように夏の甲子園に出場していた。
銚子の町は、銚子商業の試合になると、町中の人が家の中でテレビにかじり付いてしまい、人っ子一人通りには出なくなる。お店もからっぽだ。野球に興味のなかったこどもの私が、かんかんに照りつける日ざしのした、誰もいない白っぽい町の中を歩いて行くと、ときどき、各家からどうッっと歓声が沸き上がり、ああ、銚子商業が得点したな、と、分かった。
野球なんて、世界レベルから見たらマイナーなスポーツ、高校野球なんかレベルが低い、とか揶揄されるが、でも、この試合しかない、と、全力を尽くす若い球児の姿には、素直に感動してしまう。
追記。
早実優勝おめでとう!