防衛省: 情保隊統合・警務隊統合とセットの「レンタル移籍制度」 | Wattan Net Life

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無道探訪‼︎                                         

          【前半、既出のデータを陳列します】

 今年になって自衛隊は急速に組織再編しているように見える。しかし、それは今までずっと用意周到に下準備され、積み上げられてきた「実働経験」がようやく結実しようとしているにすぎない。組織の再編というと大げさのように聞こえるが、これまでの策動が関連してひとつの方向へと導かれているようでもある。まず、今年の3月に自衛隊に創設されて防衛大臣直轄の機動運用部隊となった中央即応集団(略称 中即団)もしくは、Central Readiness Force(略称 CRF)である。この編成は、国内で緊急事態が発生した際に迅速に対処できる部隊としての機動運用性と各種専門性を一元的に管理・運用できる性質と、国際協力活動を担うために教育訓練を行なう目的で創設されている。今のところ、人員は約3,200名。来年2008年の3月までに発足する緊急即応連隊など隷下部隊を併せて人員は約4,100名の予定となる。今年の8月には、ゴラン高原第24次派遣輸送部隊が出国するが、このたびの第24次派遣から中央即応集団隷下部隊となった。これは、命令指揮系統が中即団司令官を経て防衛大臣の直轄になるということであり、これまでの各師団・方面隊管轄ではなくなった。

 例えば、防衛省の本局が命令を下す「頭」となるなら、中即団と各師団に配置される緊急即連隊が、各連隊と連携して「手足」の中核的役割となる。だが、当然周囲を見張る「目」や、情報を掴む「耳」が必要になってくるのだ。折りしも、自衛隊の情報流出などの相次ぐ不祥事が出るなか、情報の監視体制の強化を図り、自衛隊以外の情報収集活動まで視野に置いた「情報保全」体制の強化を目指し、陸・海・空各自衛隊の情報保全隊を本局の情報保全本部に統合することになった。しかし、憲法の枠を超えた自衛隊の活動に批判的な市民運動までも監視・情報収集対象にするような情報保全隊の活動は各方面から批判の声が多い。

 さらに、この8月には、警務隊を陸・海・空各統合する方針を防衛省は決定した。今までの警務隊は、陸自約800名。海自約140名。空自約150名だ。それぞれが「縄張り意識」が強く、横断の連携がない組織系統になっていたので何らかの事件を捜査するに当たっても管轄意識が障害になり、陸・海・空それぞれの「身内びいき」などが問題にされていた。統合により、このような問題を払拭し、「捜査能力の向上をはかる」としている。この、警務隊とは軍隊で一般的にいう「憲兵隊(Military Plice)」のことであり、司法警察の権限を有している点では同じである。よく、旧軍の「憲兵隊」のイメージで見られがちだが、実際はそれほど強い権限は持っていない。しかし、統合により、この先どのように変わっていくか不安要素は強い。そして、警務隊は情報保全隊と同じく防衛大臣直轄の組織に再編されるのだ。

 また、防衛省の人事では9月に新設される防衛監察本部、防衛監察監に前名古屋高検検事長の桜井正史氏(62)が内定している。桜井氏は、元東京地検公安部長であり、昨年の防衛施設庁入札談合事件の捜査指揮をしていた人物でもある。この防衛監察本部とは、入札談合事件をきっかけに防衛施設庁の廃止と防衛省への統合に合わせて設置される防衛大臣直轄の機関なのだ。当然、旧施設庁関係の人材など使える者は使うが、それ以外のほとんどはリストラ対象にされるだろう。しかし、防衛省は納入業者・企業との関係を大事にしたいことに変わりはない。

              【ここからWattanモードに突入します】

 そこで、考えさせるのが今回の「レンタル移籍制度」である。すでに多方面から問題視する声が上がっていると思う。例えば、「若年労働者の兵役化」とかであるが、私は必ずしもこれだけだとは考えていない。たしかに、民間労働者を2~3年の契約で自衛官の職務に就かせるには最低限の基本教育は必要だろう。防衛医官の民間採用の例をとって見ても前期基本教育課程は義務として行なわれるが、実際の職種に付いたら射撃や格闘などとはおよそ無縁の仕事が待っているだけだ。だいたい、そこら辺の若年労働者を第一線の防衛任務に就かせるなど、常識では到底考えられない。私が危惧しているのは、むしろ上記で述べたような防衛大臣直轄の組織・機関に必要な人材を各管理職・専門職労働者から補充するのではないかということだ。まずは、自衛隊と機材・備品納入業者との関係だが、これは切っても切れない関係にあることは度重なる入札談合問題の関係を見ても明らかだろう。もし、私だったらこう考えるだろう。「もっと手っ取り早く済む方法はないか」と、そこで考えられるのは社員の出向である。それもただの出向ではない。自社の正社員としての身分を有しながら補給関連の部隊に自衛官として入隊させるのだ。もちろん下っ端の隊員ではない。専門職なので、曹(下士官)もしくは、幹部(将校)として任官させるのだ。当然、代表的な関連会社数社から人材を確保するのだが、それにあぶれた企業は仕事が回ってこないかも知れない。これではもう入札談合どころか完全な独占になる。だから防衛監察本部は美味しい仕事だ。なぜ美味しいかといえば、それだけ賄賂が集中するからである。元公安部長という奴ほど妖しいものはいないだろう。きっと裏で取り締まる対象とグルになっているに違いない。そんなふうに妄想すると見境がなくなるから危ない。

 さて、こうなると当然黙っていないのが警務隊だ。しかし、統合された警務隊は規模こそ大きくなったが、如何せん、捜査能力はとうてい警察には及ばない。なにしろこれまで扱ってきた事件のほとんどは、隊員どうしの喧嘩や窃盗、イベント・式典の警備などである。たまにあるのが、部隊内で政治活動をする反戦自衛官を逮捕・拘禁(違法)したり、女性自衛官へのレイプ現場を押さえても事件を有耶無耶にすることぐらいだ。そんな警務隊にも、「レンタル移籍制度」は朗報であった。この制度は、民間人のみならず他の官公庁からも人材を募ることが出来るからである。すでに、警察庁からは内定者の履歴書が届いていた。警備局公安課や刑事局、生活安全局、交通局といった様々な部署から人材が確保できる。これならば能力向上間違いなしだ。と思ったのも束の間。実際に移籍してきた隊員たちと、もとからの警務隊員たちとの間で派閥争いが生じてしまったのである。そこで気が付いた。「ああ、そうか。警察は自衛隊以上に縄張り意識が強いんだ」ということである。

 「まさか!」と思われる中央即応集団への「レンタル移籍制度」であるが、意外にも必要性が問われている部門があった。実戦部隊に素人はお呼びではないにしても、国際協力活動の教育訓練において経験の浅い現職自衛官では補いきれないところが多い。国際協力では言語や生活習慣の違いを超えてお互いに理解しあえるスキンシップが大切である。そういう、ソフト面の分野は普通、他の軍隊ですら教えることはない。そこで、着目されたのがNPO・NGOで国際支援・交流活動の経験を持つ民間人の登用であった。また、彼らのコミュニケーション・スキルから学ぶことによって、派遣先の情報収集にも役立つと思われたからだ。そして声を掛けられたのが幾つかの民間団体であるが、いずれもイラク・アフガニスタン・パレスチナ・東チモールなどの地域で活動実績のあるグループである。予算の余っている防衛省は、そこで1人あたま年収約300万円の2年契約で教官の待遇で雇用することになった。彼らは隊員たちに国際協力活動のレクチャーを行ない、それなりの成果をあげはじめた矢先に、信じられない事実が発覚した。インターネット上に中央即応集団の訓練内容や隊員たちの写真が掲載されているではないか。自衛隊では、「部外秘扱いで進められていた訓練なのになぜインターネットに」と、誰もが疑問を抱いた。しかし、それはすぐに解明された。教官として雇われた者のひとりが某NPOのホームページに、「ぼくの活動報告!」として掲載していたのだった。

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 スポーツ振興もスポンサーとして自衛隊が付けば怖いもの無しなのか。
それにしても、この映像・・・観る人によるが、かなりグロテスクなものに感じられるのではないだろうか。実際に入隊してからの厳しさや、勤務の過酷さなどは微塵も感じさせない。楽しそうな雰囲気のお姉さんが、自衛隊について楽しそうに説明してくれる。まあ、PR広告などはどこの業界でも同じようなもので、舞台裏のキツク厳しい部分などは出さないのだろう。

それにしても、う~ん・・・・「レンタル移籍制度」かぁ~、侮れねえ~。


 結局、これからは防衛産業から海外派兵と、自衛隊の一元的な統制・支配が進むなかで与党政権は、そこから利益を搾取して肥太る仕組みを創りたいのかなどと訝ってしまうのだ!