守るべきコミュニケーションのお話 | 談話室 『和太刀』 別室

守るべきコミュニケーションのお話

通常稽古では、まず座っている相手の身体を自分の体変化によって操れるかどうかということからスタートしてみたりすることもあります。
無論、一通り剣の持ち方や振り方をはじめとする所作や手順をなぞった後ですけど。




座っている方は、無理矢理な力に対しては絶対に動かないようにします。
立ち廻りというのは表現、芝居ではありますが、つまるところ意思の疎通やコミュニケーション作業ですから、例え武術的なものでなくともこうした実的訓練は必要だと思います。人間の身体の構造を知るという点からも、「どこをどうしたらどのようになるのか」ということも理解しておく必要がありますしね。




芝居だからといって、こうした稽古要素のない集団の立ち廻りというのは、振り付けられた戦いの中に「やり取り」とか「関係性」を感じることは出来ません。ただ派手に暴れているというだけです。
これから先、もしかしたらこのような要素があるものばかりが好まれるということは無くなっていくのかもしれませんが、個人的にはそういうときが来てもこういう部分だけは絶対に外さないものを守っていこうと思う次第です。

                                                       清水