8月15日(金)
03:00起床。
起きると風が強く、ストックシェルターがバタついていました。
雨は降っていないようだったので、靴下をストックシェルターの先端にぶら下げて乾かす。
お湯を沸かしてアルファ米が出来る間に撤収準備と着替えを済ませ、食事を終えて出発しました。
ここから先はTJARの逆走になります。
山荘から急登して、分岐点で中道から三俣蓮華へ。
スタートしてすぐに雨が降り出します。
この日はこの後、ずっと雨。
ガスが濃くて、地形が良く分かりませんが、何度も通っている道なので不安はありません。
三俣蓮華の頂上は気付かず通過して、黒部五郎小舎への下りへ。
黒部五郎小舎に着いて一休み。
ここはカップメン等はなく、食事が出来る時間でもないのでシリアル系の食べ物を購入してモグモグ。
休憩していると雨が段々強くなって来ました。
視界が悪く、黒部五郎岳がある方向を眺めても何も見えません。
ルートは『稜線ルート』と『カールルート』がありますが、カールルートを選択。
単純に早いし、稜線に出ても何も見えませんので。
黒部五郎岳の肩まで登って稜線の日本海側に出ると猛烈な風が吹いていました。
ここから先はずっと嵐。
完全武装で下っていくと、同じ親不知組のKさんとお久しぶりに再会。
会えるとしたら今日だろう、と思って楽しみにしていたので嬉しい。
黒部湖を渡った後、剱岳へ行って折り返し、この日は槍まで行くそうです。
色々積もる話もありましたが、嵐の中だったので簡単な報告と挨拶のみで別れました。
嵐の中で視界が効かず、スピードも上がりませんが風も寒さも問題なし。
この区間は危険な場所もない一本道なので、登山道を外れず進めば大丈夫です。
ハイマツ帯を通ったり、ピークを巻いたり、道なりに進んで北ノ俣岳に到着。
写真では全く伝わりませんが、かなり土砂降りです。
ここまで来ると太郎平小屋まであと少し。
太郎平小屋についたら食事にありつけるので、それを励みに進みました。
太郎平に到着して少し待つと食堂で食事が可能になったので大休憩。
お客さんも少なかった為か、食事のみでも乾燥室使って良いとの事でした。
乾燥室に荷物を干して、食堂でご飯にしました。
カレー(大)+おでんを注文して瞬殺。
まったりして雨が弱まるのを期待しましたが、雨風は強まるばかり。
薬師岳への登りは沢もあり、稜線は風も強いので注意が必要です。
エスケープするなら折立に下りて、そこからロードで日本海に行く事も出来ます。
北アルプス一周としてはそれでも成立しますが、出来れば薬師岳、剱岳を越えて日本海へ行きたい。
でも、まず安全第一。
『自己責任』と言っても、事故を起こせば多くの人に迷惑をかけます。
私は、自分の判断ミスで事故を起こしたらTJARに挑戦する資格はない、
そうなったら2度と挑戦しないと決めています。
判断は慎重にしないといけません。
小屋には山岳警備隊の人がいましたが、今のところ規制はなし(要注意だけど)。
予報では午後は更に崩れて雷雨の可能性があり、明日以降はさらに荒れます。
考えた結果、このまま早いうちに薬師岳を越える事にしました。
現地を見て、ダメなら戻って折立に下ります。
小屋を出発して薬師峠キャンプ場方向へ。
薬師峠から薬師岳山荘までの間は沢沿いを進み、何度か沢を渡りますがかなり増水していて濁流になっていました。
途中からは完全に沢登りになります。
危険な所もあったので何度か藪漕ぎして別ルートで行きました。
薬師岳山荘まで来ると道は歩きやすくなりますが、風が強くなって来ます。
薬師岳の山頂に到着して安全祈願。
ここから先は岩場の稜線を通って行くので強風に注意しながら進みます。
北薬師岳を越えると前方に3人パーティーを発見。
なんと親子連れでお父さんと子供が2人。
しかも1人はどう見ても小学校の低学年です。
こんな場所に、こんな天気の時に…
おそらく、それなりに山に入っている人なら、この年齢の子供をこの天気の時に薬師岳へ連れて来ることは無いと思います。
しかもスゴ乗越側から。
注意したい気持ちもありましたが、そんな事をしたら子供が不安になります。
子供達は割と元気そうで寒さにやられている様子もなかったので、
『こっち側からの風が強いから気を付けてね』
と伝えて見送りました。
スゴ乗越小屋に着くと、小屋番の人に親子連れの事を聞かれました。
小屋の人もやっぱり心配していた様で、無線で連絡を取り合っていました。
話を聞くと、どうやらスゴ乗越から北薬師の手前まで7時間以上かかっているらしい。
コースタイムは3時間なので倍以上かかっている事になります。
やっぱり引き返す様に言った方が良かったかな…と後悔しましたが、どうにもなりません。
ずっと気がかりでしたが、下山後に調べて薬師岳で親子連れの事故がなかったのでホッとしました。
小屋でうどんを頂いてから出発。
ここからスゴノ頭、越中沢岳を越えて五色ヶ原まで。
急な登り下りが続きますが、危ない所も無く順調に…でしたが、下りで岩の間にストックを引っ掛けてしまって破損。
ちょっと不注意でした。
越中沢岳を越えて五色ヶ原が近付くと、雪渓とチングルマが増えてきます。
この景色を見ると、
いよいよ帰って来たなぁ
と感じます。
木道を通ってもう少しで五色ヶ原山荘、と言う所で雨が土砂降りになり、雷。
木道はあっという間に浸水し、川になりました。
破損したストックはテーピングで補強すればシェルターを立てることも出来たと思います。
でも、この雷雨の中でストックシェルターを立てて、水浸しで寝るのはどうにも気が進みませんでした。
小屋に到着すると、キャンセルが多くて小屋泊も可能と言うことでした。
自分に甘いなぁ、と思いながら、この日は小屋泊にしました。
カップ麺とポテチ、パンを購入して食事をした後、部屋へ移動。
この日は3人部屋で、先に入っていたお2人と色々お話する事が出来ました。
今回の旅の事、レースの事、普段のトレーニングの事などなど。
小屋泊にしたおかげでこういう縁が持てたので、それも良かったな、と思いました。
色々と話し込んだ後、ぐっすり睡眠。
お布団はやはり良く眠れます...。
04:09 双六小屋
06:17 黒部五郎小屋
07:34 黒部五郎肩
09:09 北ノ俣
09:56 太郎平小屋
12:12 薬師岳
13:47 スゴ乗越小屋
15:40 越中沢岳
16:54 五色ヶ原
コースタイム 23時間05分
嵐の中の山行、小屋休憩も長めにとってしまったのでペース上がらず。
到着が遅くなりましたが行程は予定通り消化です。
薬師岳越えは問題ありませんでしたが、通常の山行だったら止めていました。
風も注意ですが、川の増水がより危険です。
次は最後の行程で、剱岳を越えて日本海へ。
天気は更に崩れました。
03:00起床。
起きると風が強く、ストックシェルターがバタついていました。
雨は降っていないようだったので、靴下をストックシェルターの先端にぶら下げて乾かす。
お湯を沸かしてアルファ米が出来る間に撤収準備と着替えを済ませ、食事を終えて出発しました。
ここから先はTJARの逆走になります。
山荘から急登して、分岐点で中道から三俣蓮華へ。
スタートしてすぐに雨が降り出します。
この日はこの後、ずっと雨。
ガスが濃くて、地形が良く分かりませんが、何度も通っている道なので不安はありません。
三俣蓮華の頂上は気付かず通過して、黒部五郎小舎への下りへ。
黒部五郎小舎に着いて一休み。
ここはカップメン等はなく、食事が出来る時間でもないのでシリアル系の食べ物を購入してモグモグ。
休憩していると雨が段々強くなって来ました。
視界が悪く、黒部五郎岳がある方向を眺めても何も見えません。
ルートは『稜線ルート』と『カールルート』がありますが、カールルートを選択。
単純に早いし、稜線に出ても何も見えませんので。
黒部五郎岳の肩まで登って稜線の日本海側に出ると猛烈な風が吹いていました。
ここから先はずっと嵐。
完全武装で下っていくと、同じ親不知組のKさんとお久しぶりに再会。
会えるとしたら今日だろう、と思って楽しみにしていたので嬉しい。
黒部湖を渡った後、剱岳へ行って折り返し、この日は槍まで行くそうです。
色々積もる話もありましたが、嵐の中だったので簡単な報告と挨拶のみで別れました。
嵐の中で視界が効かず、スピードも上がりませんが風も寒さも問題なし。
この区間は危険な場所もない一本道なので、登山道を外れず進めば大丈夫です。
ハイマツ帯を通ったり、ピークを巻いたり、道なりに進んで北ノ俣岳に到着。
写真では全く伝わりませんが、かなり土砂降りです。
ここまで来ると太郎平小屋まであと少し。
太郎平小屋についたら食事にありつけるので、それを励みに進みました。
太郎平に到着して少し待つと食堂で食事が可能になったので大休憩。
お客さんも少なかった為か、食事のみでも乾燥室使って良いとの事でした。
乾燥室に荷物を干して、食堂でご飯にしました。
カレー(大)+おでんを注文して瞬殺。
まったりして雨が弱まるのを期待しましたが、雨風は強まるばかり。
薬師岳への登りは沢もあり、稜線は風も強いので注意が必要です。
エスケープするなら折立に下りて、そこからロードで日本海に行く事も出来ます。
北アルプス一周としてはそれでも成立しますが、出来れば薬師岳、剱岳を越えて日本海へ行きたい。
でも、まず安全第一。
『自己責任』と言っても、事故を起こせば多くの人に迷惑をかけます。
私は、自分の判断ミスで事故を起こしたらTJARに挑戦する資格はない、
そうなったら2度と挑戦しないと決めています。
判断は慎重にしないといけません。
小屋には山岳警備隊の人がいましたが、今のところ規制はなし(要注意だけど)。
予報では午後は更に崩れて雷雨の可能性があり、明日以降はさらに荒れます。
考えた結果、このまま早いうちに薬師岳を越える事にしました。
現地を見て、ダメなら戻って折立に下ります。
小屋を出発して薬師峠キャンプ場方向へ。
薬師峠から薬師岳山荘までの間は沢沿いを進み、何度か沢を渡りますがかなり増水していて濁流になっていました。
途中からは完全に沢登りになります。
危険な所もあったので何度か藪漕ぎして別ルートで行きました。
薬師岳山荘まで来ると道は歩きやすくなりますが、風が強くなって来ます。
薬師岳の山頂に到着して安全祈願。
ここから先は岩場の稜線を通って行くので強風に注意しながら進みます。
北薬師岳を越えると前方に3人パーティーを発見。
なんと親子連れでお父さんと子供が2人。
しかも1人はどう見ても小学校の低学年です。
こんな場所に、こんな天気の時に…
おそらく、それなりに山に入っている人なら、この年齢の子供をこの天気の時に薬師岳へ連れて来ることは無いと思います。
しかもスゴ乗越側から。
注意したい気持ちもありましたが、そんな事をしたら子供が不安になります。
子供達は割と元気そうで寒さにやられている様子もなかったので、
『こっち側からの風が強いから気を付けてね』
と伝えて見送りました。
スゴ乗越小屋に着くと、小屋番の人に親子連れの事を聞かれました。
小屋の人もやっぱり心配していた様で、無線で連絡を取り合っていました。
話を聞くと、どうやらスゴ乗越から北薬師の手前まで7時間以上かかっているらしい。
コースタイムは3時間なので倍以上かかっている事になります。
やっぱり引き返す様に言った方が良かったかな…と後悔しましたが、どうにもなりません。
ずっと気がかりでしたが、下山後に調べて薬師岳で親子連れの事故がなかったのでホッとしました。
小屋でうどんを頂いてから出発。
ここからスゴノ頭、越中沢岳を越えて五色ヶ原まで。
急な登り下りが続きますが、危ない所も無く順調に…でしたが、下りで岩の間にストックを引っ掛けてしまって破損。
ちょっと不注意でした。
越中沢岳を越えて五色ヶ原が近付くと、雪渓とチングルマが増えてきます。
この景色を見ると、
いよいよ帰って来たなぁ
と感じます。
木道を通ってもう少しで五色ヶ原山荘、と言う所で雨が土砂降りになり、雷。
木道はあっという間に浸水し、川になりました。
破損したストックはテーピングで補強すればシェルターを立てることも出来たと思います。
でも、この雷雨の中でストックシェルターを立てて、水浸しで寝るのはどうにも気が進みませんでした。
小屋に到着すると、キャンセルが多くて小屋泊も可能と言うことでした。
自分に甘いなぁ、と思いながら、この日は小屋泊にしました。
カップ麺とポテチ、パンを購入して食事をした後、部屋へ移動。
この日は3人部屋で、先に入っていたお2人と色々お話する事が出来ました。
今回の旅の事、レースの事、普段のトレーニングの事などなど。
小屋泊にしたおかげでこういう縁が持てたので、それも良かったな、と思いました。
色々と話し込んだ後、ぐっすり睡眠。
お布団はやはり良く眠れます...。
04:09 双六小屋
06:17 黒部五郎小屋
07:34 黒部五郎肩
09:09 北ノ俣
09:56 太郎平小屋
12:12 薬師岳
13:47 スゴ乗越小屋
15:40 越中沢岳
16:54 五色ヶ原
コースタイム 23時間05分
嵐の中の山行、小屋休憩も長めにとってしまったのでペース上がらず。
到着が遅くなりましたが行程は予定通り消化です。
薬師岳越えは問題ありませんでしたが、通常の山行だったら止めていました。
風も注意ですが、川の増水がより危険です。
次は最後の行程で、剱岳を越えて日本海へ。
天気は更に崩れました。