ロックミシンを選ぶ場面で・・・

最近は2本針4本糸のロックミシンを選ぶ事が多いですね。

(その辺の記事は、あちこちのブログにあるので今回割愛します)


さて・・・

ある程度の経験者になると、メスと針の距離について云々語り出します。

メスと針の距離が少ないロックミシンの方が縫いやすい。

カーブが縫える。

と言った感じに・・・・


じゃ、どうして距離の大きいロックミシンがあるの?

全機種、可能な限り距離を小さくすればよいじゃん!


ちょっと待った!


普通はね・・・

裁断した後に、ロックをかけるんですよ。

布を切りながらロックをかけるなんて、かなり横着な行為なんですよ!


まして、細かい部分やカーブなどの部分は、手を抜いて良い部分じゃありません!




ロックミシンのメス幅





つまりね・・・

確かにメスと針の距離ってのは、車の内輪差に例えれば、ホイルベースの短い車の方が、カーブを曲がりやすいのは事実!

だけどね・・・・

まず、スピードを落として曲がりましょうよ!(安全運転)

丁寧に縫えば、たいてい綺麗に縫えますよ。

車に例えるなら、フルスピードで交差点に突っ込まないで下さいよ!


それとね・・・

さっきも書いたとおり、

裁断してから縫え!

特にメスと針の距離が影響を及ぼすほどのキツイカーブや、細かい所は!


論理上、距離が小さい方が縫いやすいかもしれないけど、そんな細かいところや急なカーブを、切りながらロックかけて、フットコントローラーを踏みこんだら、たいていの人は失敗するから!


つまりね・・・・

トラックと小型乗用車を比べるほどの違いはないのです。

せいぜい、F-1カーのセッティングレベルの違いでしかありません。

F-1ドライバーだったら、タイムに影響が出るでしょう。

でも・・・普通の人は、そこまで攻めません。


そして、距離が小さいと言う事は、メスの影響を受けやすい所で針が布に落ちる訳で、決して良い事ずくめじゃないのです。(しわや伸縮が起きている場所に針が落ちれば、縫い目は必然的に汚くなる)


F-1のセッティングだって、最高速を無視すれば、ホイルベースを狭めますが、通常、可能な限り(コーナーリングが許す限り)ホイルベースを長めにとって、安定した走行を確保します。


つまり、メスと針の距離が小さいと言う事は、不安定になる。と言う事なのです。


つまり、直線の簡単なロックで、不安定になる・・・・それはマズイですよね。

(まぁ、ロックミシンのメス幅の差なんて、縫いに影響が出るほどの差はないんですけどね)


つまり、結論!

メスと針の距離の差は、実用的には意味がない。


全体的なロックの品質を落としてでも、カーブの内輪差をなくしたいなら、メスと針の距離が小さいものを選べ。

(つまり無精者)


綺麗にロックをかけたい人は、簡単なところ(直線)は裁ちながら綺麗にロックをかけ、細かい所は、予め裁断してから低速でロックをかけましょう。



メスと針の距離を気にしても、良い事は何もないよ!ってこと。

一番大事なのは、「段どり」とスピード調整。


フットコントローラーにスピード調整機能(単なる踏み具合でなく、車の低速ギアみたいな装置)がついた機種が、アメリカで売れているそうです。

実用本位で、論理的なメリケンの奥さんが選ぶものは違いますね。(^^)y


そういうロックミシンを下記お店では、オリジナルモデルとして扱っています。(要お問合せ)

(ミシン教室を併設しているお店が勧めるロックミシンには理由があります)


追記

ミシン屋のおばちゃんがカーブのきれいな縫い方のコツを教えてくれました。彼女が言うには、「どんなロックでも左手の使い方一つでどうにでもなる。」そうです。右カーブ の場合は布を左手で針の方に押してあげて、左カーブ の場合は布を左手で左の方に引いてあげるんだそうです。