【陸上競技】野澤、好感覚取り戻す | 早スポオフィシャルブログ

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早稲田大学でスポーツ新聞を製作する「早稲田スポーツ新聞会」、通称早スポの公式ブログです。創刊から64年を迎え、600号も発行。ブログでは取材の裏話、新聞制作の秘話、現役大学生記者の苦悩を掲載‥これを読めば早スポ通になれる!

第10回トワイライトゲームス 7月28日 東京・代々木公園競技場

 関東学生陸上競技連盟主催で行われるトワイライトゲームスが、今夏も開催された。ワセダからは16名の選手が出場したが、納得の結果といえるのは400メートル障害の野澤啓佑(スポ4=山梨・巨摩)らほんの一握り。しかし今大会は、現状を把握するための場として捉えている選手も多い。各々が有意義な夏期練習を積み、日本学生対校選手権(全カレ)では『強いワセダ』を見せてくれることだろう。


早スポオフィシャルブログ「ただいま取材中!」-野澤

★野澤、優勝で手応え
400メートル障害で野澤が優勝を果たした。ユニバーシアード以来のレースとなった野澤は、スタートしてすぐに前に出ると、最近走りが崩れてしまうことが多かった後半も安定したリズムでハードルを越える。そのまま最後まで他を寄せ付けずに一着フィニッシュ。関カレ王者の貫録を見せた。ユニバーシアードから腰の痛みを抱えていたという野澤。その中での49秒92というタイムは自信につながったようだ。9月の全カレでは連覇が懸かる。いかに自分の理想のレースに近づけるか。最後の全カレでは、その勇姿を見たい。
(記事 川嶋悠里、写真 井上義之)



早スポオフィシャルブログ「ただいま取材中!」-田中

★田中、自己新で3位も「通過点」
 「悪くはないが、まだ通過点」。自己記録を更新しての3位入賞にも田中言(スポ2=東京。早実)は満足する様子はなかった。タイムレース決勝の仕組みをとる男子800メートル。B組の田中は序盤、楽に走ろうと最後尾につける。残り300メートルとなったところでレースプラン通り一気にスピードを上げ前を猛追。さらに残り50メートルからは顎を上げ全身を使ったがむしゃらな走りで組2着に入り、次の組の結果と合わせて見事3位に輝いた。この一見、良い結果に田中が浮かれるようすがないのには理由がある。今季の目標を49秒台に設定したためだ。まだ目標とは差があるが、田中の足は目指すゴールへ向かって行く。
(記事 石丸諒、写真 中澤佑輔)



早スポオフィシャルブログ「ただいま取材中!」-佐藤

★積極的な走りで好記録
 日が落ちた競技場で最終レースとなった男子4×400メートルリレー。まずは第一走者の木村賢太(スポ2=大分・杵築)が序盤から飛ばし、一位でバトンを渡す。続く野澤も快走を見せつけ、2位との差をキープした。三走を任された伊澤賢人(スポ2=栃木)は粘りの走りを見せるが、中大に追い抜かれてしまう。アンカーである佐藤拓也(スポ2=埼玉・越谷西)が必死に中大を捕らえようとするも、惜しくも逃げ切られ結果は2位。記録は3分07だった。「気持ちのモチベーションを作る上での今回のレースは本当にプラスになった」(野澤)と語るように、普段とは異なるメンバー・走順で臨んだ今大会は今後の糧になるだろう。
(記事 落合修平、写真 石丸諒)


◆結果
▽男子100メートル
竹下裕希(スポ3=福岡大大濠) 10秒42(4位)
九鬼巧(スポ3=和歌山北)  10秒50(6位)
▽男子800メートル
田中言  1分51秒75(3位) 自己新記録
出口翔(スポ2=東京・開成)   1分53秒74(10位)
吉田貴洋(スポ2=和歌山・田辺)  1分56秒96(11位)
▽男子110メートル障害
早川恭平(スポ4=長野吉田) 14秒21(4位)
▽男子400メートル障害
野澤啓佑 49秒92(1位)
永野佑一(スポ3=福岡・育徳館) 50秒88(3位)
▽男子4×100メートルリレー
竹井-永沼-欠畑-玉井
40秒26(3位)※
▽男子4×400メートルリレー
木村-野澤-伊澤-佐藤
3分07秒13(2位)大会新記録
▽女子走高跳
土川萌子(スポ3=栃木・那須拓陽) 1メートル60(8位)

▽女子100メートル
岡山沙英子(平17人卒=広島JOC) 12秒15(8位)

※ 日本代表チームはオープン参加のため順位に入っておりません。


◆コメント
野澤啓佑(スポ4=山梨・巨摩)
――400メートル障害、優勝おめでとうございます。感想は
感想としては、しっかり49秒台が出せたというのが一番うれしいですね。このタイムをしっかり前回あったユニバーシアードで出せていたらなという気持ちもありますが(笑)、本当にうれしいです。
――レース後の優勝インタビューでは良いリズムで走れたとおっしゃっていましたが
前半からしっかり14歩で行けました。なおかつ、最近の傾向だと後半が落ちてきてしまって崩れてしまうところがあるのですが、今回はそのリズムが落ちないでしっかり最後まで同じようなリズムで走れたのが良かったです。インターバル自体は、9台目まで14歩で、最後だけ15歩でした。
――きょうは最初からスピードに乗っていた印象がありました
周りからそう言われますけど、感覚としては全力というよりは楽に走れたという印象だったので、そこが次の課題になるのかなと思います。
――その次の課題というのは
やはり前半からしっかりスピードに乗って、なおかつ今回みたいにスムーズに落ち幅を少なくゴールできるようなレース展開を自分の中で良いイメージとして描いています。そのイメージ通り走れるようになればいいかなと思いますね。
――それでは、マイルの感想を聞かせてください
今回新しいメンバーというか、いつもと違ったメンツでチームを組んで、戦略としては1、2走で逃げて、3、4走でどこまで粘れるかということでレースに挑みました。1走の木村がしっかりトップでチームに良い流れを作ってくれたので、僕もそのリズムに乗って…。後ろを離せたかと言ったら離せはしなかったのですが、3走の伊澤がしっかり順位をキープして、最後4走の佐藤につないでくれました。結果的には2番でしたけど、一応3番というのがチーム全体の目標としてやっていたので、2番をとれたのは良かったかなと思います。一つ課題とすれば、佐藤の最後、一人だけではありませんが、良い流れの中でやはり最後の直線で越せる力が一人でもついてくれば、チーム全体としてまた一個上のレベルに行けるのではないかなと今回思いました。
――いつもとメンバーが違った理由は
それぞれに対する今後の期待度ですね。走順も皆初めてでしたが、そういう違うところでも走れるという、どこでもいけるぞ、いつでもいけるぞ、という気持ちのモチベーションを作る上での今回のレースは本当にプラスになったなと思います。
――普段は4走を走られていましたが、今回の2走というのはいかがでしたか
大学入ってからだとユニバーシアードで2走を走らせてもらったのですが、そこでラップタイムではありまずがベストが出て、そのまま調子に乗って…という感じですかね(笑)。今回も前半から、いけたかどうかはわからないですが、しっかり気持ちでは突っ込んでいったと思います。今後全カレも、もしかしたら4走ではないかもしれませんし、どこになるかわからないですが、どこでもしっかり走れるようにしたいと思います。
――最後の直線での歓声がすごかったですが、どんな気持ちでしたか
歓声は誰が応援されているのかわからないのですが(笑)、それをしっかり…。声は聞こえていたのですが、後ろが来ているのかな、せまっているのかなという印象が一番強くて。でも、そのままトップで渡せたのは気持ち良かったし、見ている観客の人たちも楽しめたのではないかと思います。
――ユニバーシアードが終わってからは
ユニバーシアードで腰の方があまり良くなくて…。今回も痛みがあって、どうかなと思っていたのですが、その中でも自分のレースができたというのはプラスに捉えて、次は腰の状態を万全にして、全カレなどにしっかり挑めたらなと思います。
――それでは、このレースはどのような位置付けだったのでしょうか
ユニバが終わって一段落というか、落ち着いた感じなので、今度は全カレに向けてのこのレースは通過点として最後のレースでどのようなレースができるのかを図りました。調整などはまったくしていないのですが、その中でも49秒台が出たというのは本当に今回良かったなと感じています。そこは次の秋シーズンに向けてプラスに捉えて受け止められるのではないかなと思いますね。
――最後に秋のシーズンに向けて、お願いします
秋はきょねん全カレで勝っているので、個人の種目で連覇を狙うというのはもちろんですが、チームとして総合優勝または多種目優勝をきょねん取れなかった分ことしはしっかりとって、ワセダが強いところを見せていきたいなと思います。

田中言(スポ2=東京・早実)
――自己新記録を更新されました
現段階の力として1分50秒台は出ると思っているので、これまでの1分52秒0というのが物足りないものでした。今回の記録は悪くはないですがまだ通過点だと思います。
――調子は良いのですか
最悪です。出たくないなと思うくらいでしたので、それが上向きになればと思います。
――レースは最初に抑えてラストに上げるというものでしたが、あらかじめ考えていたのですか
ついて行って一週目に楽をして、後半に上げられたら上げようと思っていました。結果的にそれがはまりました。
――これまでの試合でラストに課題があったように見えていたのですが
ラストも重要ですが1週目の走り方がこれまで出来なかったので、きょうはそれが上手くできたのかなと思います。
――去年よりタイムの面でも実績の面でも成長されたと思いますが要因は
自分の体や、追い込むところ、そうではないところ、合った練習などが分かって来たと思います。1年生の春は言われたことをやるだけでダメでしたが、秋から色々と考え始めるようになり、それがちょっとずつ形になってきました。
――同期の中距離陣の存在は刺激になりますか
自分が一番になりたいという気持ちがあるので活躍が嬉しい半面、悔しいです。ただ、一人では出来ないという思いもあるので、とても刺激にはなります。中距離陣全体としてはみんな少しずつしか記録を更新できていないですが、絶対にもっと良い記録が出ると思います。誰かが殻を破ればワセダの中距離がもっと強くなるはずです。
――夏に向けての課題や取り組みたいことを教えてください
楽にスピードを出せる動きを作ることと体力強化です。
――秋に向けての意気込みをお願いします
ことしの目標が1分49秒台なのでそれに向けて、現状に満足せず頑張りたいと思います。