忍 従 | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

連休後半、皆さんは如何お過ごしでしょうか?

今日は、月刊 『致知』 6 月号に掲載されたエッセイを、抜粋・編集にてご紹介させていただきます。

          ◆     ◆     ◆     ◆


中国の古い昔、寵蘊(ろううん)という坊さんが師匠に弟子入りを願い出た。

禅門は簡単に入門を許さない。 

玄関で待っていると師匠が現れ、いきなり桶の水をバサッとかけた。

他の志願者は皆腹を立てて帰ったが寵蘊だけは残り続け、入門を許された。


弟子になって間もないある日、師匠が外出した。
寵蘊は蔵に入り、普段は食べられないご馳走を作って皆に振る舞った。


ところが、思いもかけず予定より早く師匠が戻ってきた。

師匠は激怒し、寵蘊を寺から追い出したばかりか、ご馳走した分を街で托鉢してお金を返せと要求した。


寵蘊は風雨の日も厭わず托鉢を続け、ようやくお金を返した。

すると師匠は「お前が托鉢している間野宿をしていたのは寺の土地だから家賃を払え」と迫った。

寵蘊はその言葉に従い、また黙々と托鉢を続けた。

その様子をじっと見ていた師匠は弟子を集め、自分の後継者が決まったと宣言し、寵蘊を皆に紹介した。

・・・この話を講演で述べられたのは、円覚寺の横田南嶺管長であった。

        

                 横田南嶺管長


横田管長は45歳で管長に選ばれたが、なぜ自分が選ばれたのか分からない。

ただ一つ、これかなと思うものがある。
それは「ここを離れない」という一事。

どんなことがあってもここから離れない。 

ここを見限らない。 
ここに踏みとどまる。

自分が貫き得たのはこのひとつ。
それを師匠は見てくれていたのではないか。

と、横田管長は話されていた。


          ◆     ◆     ◆     ◆

新年度から早や1ヶ月・・・中には入社式や研修初日の翌日に辞表を出した新社会人がいた、なんて話が巷間伝わってきます。

また研修や配属された職場で働き始め、早くも 「こんなはずじゃなかった」 と後悔している方も少なくないかもしれません。

でも、考えてみてください。

右も左も分からない新人に、いきなりやりがいのある仕事を任せる会社なんて、あるのか? と。

何事にも下積みや経験が必要なはず。

先輩たちは皆そういう時期を経てそれなりの地位に就き、そこで大きな仕事を任されているのです。

転職でキャリアを積む・・・というのは、一人前以上になったビジネスマンにのみ当てはまる言葉。

どうか短気を起こさず、黙々と与えられた仕事をこなしましょう。
五月病に罹る暇がないくらい一生懸命に。

必ず誰かがそんな貴方を見ていますし、必ずそこから得られるものがありますから・・・。笑2
 


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