仕事をしていますと、叱られることが多いのは当然のことです。

しかしながら、“叱られる”という経験は、
叱られた者を時に奮い立たせてくれます。


私は、あるお客様の対応の際、相手方に、
叱る厳しさと同時に、育成をするという目線で接していただきました。

お互いにとってシビアな案件であり、大きくいえば、
その判断によっては今後の生活が大きく変わってしまう話でもあるからです。

「そもそも何で、アンタみたいな知識の無い者が対応しているんだ。
相手を説得するということが、どういうことが分かっているのか?」

そのお客様のもとには、私は初めて対応をし、
お話をさせていただいたところ、
説明不十分ということでお叱りを受けたのです。

つまりは知識が乏しいということは、
相手に対する説得力がないと評価をされてしまいます。

それは、日々学ぶことを怠っているという証拠でもあります。

私は今の仕事に就いて間もないのですが、その事情は相手方にとっては問題にならず、
目の前にいる人はその道では“プロ”としての扱いを敢えてするのです。

一通りのお説教をいただいた後、私の目をよく見て
このように語ってくれたのです。

「アンタはまだ若いよ。
こっちはな、40年も会社で働いてきたんだ。

取引先には怒鳴られて何度も何度も頭を下げたよ。
逆に、自分の会社の部下を思いっきり叱ったこともある。

怒られたら、次には必ず改善策を探し、調べてくるのが当たり前なんだよ。
何度も何度もこうして会う回数を重ねて、
それで初めて信頼というものが生まれるんだ。」

その方はご自身の長年の勤務経験から、こちらの意図を言わずとも理解をし、
ほとんど把握している上での対応をしてくれているのです。

「あんたは、まだ信用できない。」

結果を出してほしい、仮に結果が出せないのであれば、
誠意ある、納得できる理由を提示してほしいと、
その方は、訴えているような目をされていました。

次回お目にかかるまでに逃げるのか、それとも再び挑んで
信頼のかけらを得るのか。

信頼関係は、日々の生活態度や言動から生まれるものです。


仕事の関係はもちろん、我々のあらゆる人間関係においても
信頼関係は重要となります。

相手を認め(私利私欲を捨て)、誠実に(嘘をつかず)、しっかりと
約束を果たすことが大事ですね。