先週、私の身内のご友人の画家であります廣田純夫さんの作品が

東京の国立新美術館で展示されているということで行かせてもらいました。


廣田さんの作品はイタリアの古い街並みが描かれた水彩画の作品です。


以前に、廣田さんの個展をのぞかせて頂いた際、初めて見た時、

「これが水彩画なのか」と感心し、何度も丁寧に重ね塗りされているので

絵に厚みと温かみを感じます。


ここまで丁寧に描き込みがされてあると、一体どこをもって

完成としようかと、迷われるところでしょう。





今回の展示は上記の絵画の一点のみとなりますが、

廣田さんはイタリアを中心とした古い街並みを多く描かれています。


もともと神奈川県・茅ヶ崎のご出身で、以前にはよく茅ヶ崎の風景を描いていたのですが、

今は完全に別の景色となり、当時の面影はありません。


例えば、20年ほど前には田んぼであった場所を描きましたが、

今や住宅地になっていたりするのです。


どれもこれも時代の流れとともに昔と変わってしまったな・・・と感じます。





今現在、描かれていますイタリアの古い街並みは変わらずに

石造りの道や壁、赤い屋根といった色合いや家屋の建築が揃っていて美しく、

訪れる者を魅了させてくれます。


ところどころ傷んでいたら修復をして、そしてその素材も特定の石を使っていたりと、

そのこだわりは徹底しているのです。


ある小さな崖の上に聳え立つ町をモチーフに描かれていましたが、

そこに住む人々は先祖代々から住んでいる人がその町を守っているとのことです。


若者は年頃になると町を離れて、都会で生活しますが、

歳を重ねるとまた戻ってくる人も多く、その町を大切に思っているそうですね。




なかなか町全体が、昔ながらの面影を保っているという場所は、

日本では数が少ないでしょうね。


日本では、地震も多く、湿気もあり、昔は木造家屋が多く、そのお土地柄、

長期間家屋を保たせることが難しいのかもしれません。


また、戸建てを好まない、核家族化・独身世帯が進む

各家庭のライフスタイルの変化も影響しているでしょう。


そのおかげで日本は成長してきたともいえるでしょうから、

一概にどちらがよいかは言うべきではありませんね。


ただ、家屋だけでなく家電製品等や価格の安い使い捨ての消耗品にしても、

耐久年度が短ければ、それだけ仕事が増えて利益の出る業界があります。


良いものを大事に使うといった気持ちは、

それほど芽生えないのかもしれませんね。





廣田さんは、茅ヶ崎とイタリアの古い街並み、日本とイタリアの作品を

まるで対比しているかのように並べていましたが、

そこから感じるものはたくさんありますね。



廣田さん、いつも楽しませていただき、ありがとうございます。

今後とも、応援させていただきますので宜しくお願いします!



水彩連盟展

場所:国立新美術館

開催期間:2015年4月1日(水)~13日(月)