2014年10月25日から
日本シリーズが始まる。
阪神タイガース対ソフトバンクホークス戦、
甲子園球場からの開催だ。

タイガースとホークスの組み合わせは
1964年、2003年と今年で3度目。

甲子園から始まるのは実に50年ぶり!
50年前の1964年はご存知のように
東京オリンピックが開催された年。

オリンピック一色だった当時の日本シリーズは
どのように進んでいったのか?
大阪同士の戦いはどのように展開したのだろうか。



2013年9月IOCは2020年に
オリンピックを
東京で開催することを決定した。

1964年に開催された東京オリンピックは
戦後日本の大きな転換期となるイベントで
1958年に東京で開催されることを
決定されてから6年余、
日本中が東京オリンピックを
目標のように変化していった。

1964年のプロ野球もオリンピックに合わせ、
セ・リーグ3月20日、
パ・リーグは3月14日から開幕、
9月30日に日本シリーズを開催、

オリンピック開幕日の10月10日には
終わらせなくてはいけないという制約の中、
ペナントレースが始まった。

パ・リーグは150試合を戦い、
南海が阪急とデッドヒートの末9月19日に優勝、


セ・リーグは140試合を戦い、阪神が9連勝して、
大洋を最後の最後逆転して9月30日優勝。


日本シリーズは阪神、南海の
関西同士で翌日慌ただしく開幕。
阪神はジーン・バッキー投手が29勝で最多勝、
村山 実投手も22勝をあげ大活躍、
前年に小山投手との世紀のトレードで
阪神にやってきた山内一弘が打線を引っ張ったが、
チーム防御率がリーグ1位なのが
物語るように投手陣が引っ張っていった。


南海はジョー・スタンカ投手が
26勝をあげてエースに君臨、
杉浦 忠投手が20勝でそれに続いた。

打線はチーム打率がリーグ1位で
広瀬叔功外野手が.366で首位打者、
野村克也捕手が41本で
本塁打王、115点で打点王を獲得、
また、外人選手も打線の中核で活躍したチームだった。

そんな大阪のチーム同士で
盛り上がると思いきや、
東京オリンピック直前のためか、
1,2戦の甲子園では2万人を切る観客数、
大阪球場の4戦目で
やっと3万人を超えたものの、
第7戦の甲子園では15,172人と
フランチャイズ制になってからの
日本シリーズ史上最低観客数を記録した。



10月1日、第1戦は前日に公式戦で
優勝したばかりの阪神が
疲労が残っていたのか
先発の村山実の力投だけが目立ち
阪神は3安打、南海はハーフスイングで当たった打球が
フラフラと落ちるようなラッキーヒットなどで得点。
2対0でスタンカ投手の完封で南海勝利。


  南海 スタンカ投手


第2戦は南海杉浦、阪神バッキーの先発。
投手戦かと思われたが、
南海内野陣が乱れ、着実に阪神が得点をし
阪神バッキーが完投で5対2で阪神勝利。


  阪神 バッキー投手


大阪球場に移動しての第3戦、
南海は中2日でスタンカ投手、
阪神は本間投手の先発。
この日は阪神5番の藤井栄治選手がラッキーボーイ、
2回にソロ本塁打、3回はなんと満塁本塁打!
追う、南海をバッキー投手が締めて、
阪神が5対4で勝利し、阪神の2勝1敗となった。

第4戦は阪神は村山、南海は杉浦の両エース。
ふたりとも初登板は負け投手。
この日は、山内が2本の本塁打を打つものの、
南海の広瀬、国貞のタイムリーで同点3対3のまま
最終回、南海ハドリが右翼席に
サヨナラ本塁打を打ち込んだ!
南海が4対3で勝利。



 南海 ハドリ選手


2勝2敗となった。

第5戦は両チームともエースを温存し、
阪神はバーンサイド投手、
南海は皆川睦男投手の先発。
打つ方も伏兵が頑張り、
阪神は辻佳紀捕手、安藤統男内野手の本塁打
南海は森下整鎮内野手の本塁打でなどで追ったが、
最後バッキーがリリーフで抑え、
6対3で阪神が王手をかけた。

第6戦は再び甲子園、
南海はスタンカ、阪神はバッキーと
この年のエース同士の先発。
阪神は勝てば優勝のプレッシャーなのか、
イマイチ積極的でない動きで
守備も攻撃も空回り気味、
結局、南海スタンカが99球の完封勝利で
南海の逆王手!

第7戦の先発は
阪神はエース村山、
南海は前日完封勝利した
スタンカがまさかの先発!

村山投手は南海広瀬の足を警戒するあまり、
バッターに集中できなかったのか?
初回に広瀬が強襲ヒット、二盗とされたあと、
ハドリが二塁打、
ミートに徹した野村克也が
コンパクトにヒットで2点を先取。

スタンカが緩急をつけた技のピッチングで
そのまま、2試合連続の完封勝利。
南海が1959年以来の日本一になった。

スタンカ、バッキーと日本プロ野球史上
最高の外国人投手(二人共100勝を超えている)、
ハドリ選手もかなり活躍し
「外人シリーズ」として
記憶に残る日本シリーズになっている。


 南海 鶴岡監督の胴上げ



南海が4勝3敗で終わったシリーズは、
第7戦の10月10日、
東京オリンピック開幕の日だった。
4試合を投げ3完封勝利をした
南海のジョー・スタンカがMVPを活躍、
阪神は村山 実が登板した
3試合すべて敗戦、打線も湿りがちだった。

2014年ホークスの先発はスタンリッジ投手、
実に1964年のスタンカ投手以来の
外国人投手のオープニング投手ということで
スタンカ投手の記憶も掘り起こされるだろう。

今日から始まる日本シリーズは両チームとも
苦しみぬいたペナントレースからの勝ち抜いたので
激闘を第7戦まで見てみたい。


写真は以下の書籍から引用しました。
「熱投スタンカを憶えていますか」
「ハロー、スタンカ、元気かい」


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