4x4異順 | TUNのブログ

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 私が行きつけの、キューブ類が置いてあるバーがあります。5x5x5が、時々、最後の1面のエッジ数個が揃っていない状態で転がっています。マスターに手渡されて、そのフィニッシュをやらせられます。必ずしもパリティ状態ばかりという訳ではありません。常連さんで、下から順々に揃えていって、最後の手順で詰っている人がいるらしいのです。まだ直接会ったことがないので、どういう手順でやっているのかは分かりません。

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 今は、センターを作り、エッジセットを作って、3x3に還元して解くという人が、圧倒的多数のようです。
 私は、当初、3x3と同様に、(1)完全な1面、(2)3段目、2段目のエッジ、(3)対面(最終面)のコーナー、(4)最終面のエッジ、(4)センター揃え、という順序で揃えていました。
 そうすると、周知のように、最終面でエッジの奇置換(パリティ)が発生することがあります。この最終面エッジの奇置換に最初に出会った時、これは2段目(あるいは3段目)エッジの奇置換に対応しているのだろうと直観しました。それなので、2段目を90度回して(エッジ奇置換)から、2段目エッジを(偶置換で)揃え直して、最終面エッジの奇置換を解消してから揃えていました。いったん揃えた2段目をもう一度ずらして揃え直すというのはいかにも非効率なので、そのうちに対面を先に揃えるという方式に転向することにしました。
 それまでも3x3の揃え方として、恐らくルービック・マヌーバが紹介された時だと思うのですが、ルービック氏は、完全な1面、対面、中列の手順で揃えているらしいということを読んだ記憶はあったのですが、ルービック・マヌーバには興味を持ったものの揃え方をいまさら改める必要はあまり感じませんでした。
 しかし、4x4の方式を改めるに従って、自ずと3x3の方式も改めることになりました。
 対面のエッジ手順も当初は2段目手順のアレンジで8手程度の手順を使っていたのですが、11月30日のブログに書いた凹型法を見付けて以来、特に4x4の対面エッジ手順が格段に楽になりました。

 中2列のエッジ手順として最初に使っていた手順は、揃えたい中2列の箇所ををFDにして、rU2r'U2とその左ミラー手順、l'U2lU2、そしてその逆手順の4種でした。逆手順といってもU2を先にやるだけですから簡単です。パリティがない限り、持ち替えながら何回か操作すれば、全てを揃えることが出来ます。ルービック・マヌーバー・パターンやⅩ型の互換x2のパターンも7、8回で揃います。パリティについては2組のエッジを揃えて残り2エッジ4個のピースになった時に、偶置換か奇置換かで判断しました。奇置換なら、中1列を90度ずらして、揃え直すと残り4個の時に、今度は偶置換になるので、先の手順で揃えることが出来ます。少し手数はかかりますが、単純なので、当初はこれで満足していました。

 そのうちに、もう少し4個揃えの手順を簡略化しようとして、見付けた手順が、次のようなものでした。
(1)r2 U2 r U2 r2 : 4個箱型移動(奇置換)
(2)r2 U2 r2 U2 r2 : 2個x2、X型互換
(3)r2 D2 r' U2 r D2 r' U2 r'
もちろん、ルービック・マヌーバも使います。
(1)(3)は、左手順、逆手順も使います。
(1)(2)はセンター移動を伴います。
 奇置換を手順(1)で修正して、(2)(3)等を使って揃える事ができます。対面のエッジ揃えやこの手順で、第1面、対面のセンターは影響を受けないので、最初に揃えた方が楽ですが、残りのセンター揃えは最後です。
 この(3)の手順は、一般に知られているのでしょうか? 非常に便利な自慢の手順です。

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 4、5年前に、冒頭に書いたバーで、転がっていた5x5キューブを久しぶりに触って揃えていたら、マスターや客に不思議そうに見られて、エッジセット方式が普通になっていることを知りました。まもなく、私も効率のいいセンター、エッジのセットを練習し始めました。そして、エッジペアの時に出現するパリティ(1エッジペアの反転)の手順が必要になりました。
 手順(2)もセンターの移動を解消する必要があります。センターの移動をなくすことは出来ませんが、同色の交換にするということです。(2)のセンター移動はrの前後の入換なので、その入換わるrの前後を同色にします。(2)の操作の前に、r2 B2 r2で、(2)の操作の後に、r2 B2 r2で戻します。
・r2 F2 r2 [r2 U2 r2 U2 r2] r2 F2 r2
そうすると中間2箇所の、r2 r2は消し合ってなくなりますので、その結果、
(2@)r2 F2 U2 r2 U2 F2 r2
となります。
 同様の移動をもたらす、周知の手順、
(2@')r2 U2 r2 Uw2 r2 u2
は、Uw2で、rの前後の配色が、回転r2について対称になっているために、前後の色の移動が消えます。こんなエレガントな手順は、私にはとても思いつく事はできませんでした。最初に考え出した人は記録されているのでしょうか?

 1エッジペアの反転(隣接2点互換)も、同色センターの交換とセットになっていることは容易に想像がつきます。手順として構成する時に、消しやすいセンター移動はこれまでの例に示されているように対面の交換でしょう。そこで思いつくのは、いわゆる T Permutationで、1エッジペアの反転手順の核になっているのは、T Permutation です(T Permutationというのは、3x3の隣接コーナー交換手順で、同時に隣接コーナーに挟まれているエッジも向かい合うエッジと交換される手順です。交換を示す矢印がT型なのでT Permutationと呼ばれているようです)。
 T Permutationを、中2列に適用すれば、上段のコーナー2個の代わりに2段目のエッジ2個、対面のエッジ2個の代わりに対面センター・セット2組の入換になります。分かりやすいように、上下を左右に、右面を上面に持ち替えた形で、手順を記述すれば、
・D' R2 U R2 U' R2 F2 U' F2 D R2
のT Permutationは、
・r' U2 l U2 l' U2 F2 l' F2 r U2
となります。
 これは、左2列目上面の前後の入換で(l-UF⇔l-UB)、上下のセンター交換があります。
 このセンター交換を消す(同色交換に代える)ために、l2 U2 を前処理として付け加えます。もちろん後処理としてこれを戻す操作も必要です。
(4)l2 U2 r' U2 l U2 l' U2 F2 l' F2 r l2
 但し、U2か入るので、右2列目(r-UF⇔r-UB)の入換えになります。左2列目の入換えならば、左ミラー手順です。

 また、l2 B2 U2を前処理として付け加えると、交換されるセンターが同色になるとともに、入換えエッジの位置(l-UF⇔l-UB)に、UFにあった2個(l-UF⇔r-UF)が配置されることになります。
(5)l2 B2 U2 r' U2 l U2 l' U2 F2 l' F2 r B2 l2
 l2 B2 U2ではなくて、l2 F2 U2を付け加えると、入換わるエッジはUBの2個です(l-UB⇔r-UB)。
(・)l2 F2 U2 r' U2 l U2 l' U2 F2 l' F2 r F2 l2
 T Permutationは一つではないので、どんな手順を使うか、またその右手順か左手順か、センター解消にU2かD2か、B2かF2か、などによっていろんな手順が構成できると思います。

 エッジ・セット法の時には、必要ありませんが、4個箱型移動の奇置換の手順にも、センター移動を消す手順が欲しくなりました。それがこれ。
(1@)[r2 U2 r U2 r2] [l2 U2 l' U2 l2] [r2 U2 r U2 r2]
 右手順でずらしたコーナーを左手順で戻して、もう一度、右手順。これで、見た目のセンター移動は解消します。これはちょっと自慢の手順です。
 ついでに、もう一つ自慢の手順。
(6)r2 F2 Uw r2 Uw' F2 Uw r2 Uw' r2
(l-UF ⇒ l-UB ⇒ l-UL)
 これは、同位(反転なし)3点エッジ移動です。11月8日のブログに書いたコーナー手順(5)を中列に適用した形になっています。
【追記※ 3層を動かすのは例えばUtと書くのだそうですね。知りませんでした。ここで、Uwと書いているのはUtです。tはtripleなのでしょう。ということはwはdoubleの略なのですね。wという添字を多層の意味で使っていました。wideの略かと思っていたといったら笑われますね。これからは多層一般の意味ではmultiで、Umと書くことにします。】
※ 手順(6)を中列に適用したらどうなるか興味ある方は試してみて下さい。ここでの手順としては役立ちませんが、・・・。

 こうして、最終面のエッジ手順が増えてくると、パリティの出現で転向して放棄した、layer by layerに、再挑戦したくなります。
 3x3の単純延長で出発した時の、最終面エッジ手順は、以下の同系統4種だけでした。
(0-1)Rw F R' F' r' F R F' R'
(0-2)[R l'] F R' F' l F R F' R'
(0-2)は(0-1)で右1、2列でやった操作を右1,3列で操作しているにすぎません・
 この2つの手順とその左ミラー手順だけで、全ての偶置換のパターンは解決できますが、使える手順が増えてくると、実際の解決はずっと楽になります。

 センターに影響しない、以上の手順を改めて列挙すれば、
(0-1)Rw F R' F' r' F R F' R'
(0-2)[R l'] F R' F' l F R F' R'
(1@)[r2 U2 r U2 r2][l2 U2 l' U2 l2][r2 U2 r U2 r2]
(2@)r2 F2 U2 r2 U2 F2 r2
(2@')r2 U2 r2 Uw2 r2 u2
(3)r2 D2 r' U2 r D2 r' U2 r'
(4)l2 U2 r' U2 l U2 l' U2 F2 l' F2 r l2
(5)l2 B2 U2 r' U2 l U2 l' U2 F2 l' F2 r B2 l2
(6)r2 F2 Uw r2 Uw' F2 Uw r2 Uw' r2
番外:ルービック・マヌーバ
 左ミラー手順は省略していますが、意味を持つ左手順はもちろん重要です。
 最終面のエッジのみが崩れている4x4,5x5キューブに出会ったときに使って下さい。そんなことは滅多にないでしょうが、・・・

 但し、12月2日に述べた、4x4x5の4x5面の3個エッジ揃え手順には役立ちます。
 (1@)(2@)(2@')(3)(4)(5)が、使えます。ルービック・マヌーバは使えません。運悪くそのパターンが出現したら、持ち替えながら(3)を2回使うか、(5)を2回使うかでしょう。
 (3)を持ち替えて2回使うやり方を、あえて持ち替えなし手順で示せば、
(R)[r U2 r D2 r' U2 r D2] [U2 r D2 r' U2 r D2 r]
となります。(3)の逆手順から入る方が、繋がりがいいようです。(3)の移動はF面の移動ですから、この反転もF面の上下2個です。U面の反転には、U2をB2に、D2をF2に読み替えて下さい。でも、スピードを競うのでなければ、あえて憶える必要はないでしょうし、スピードを競う人は、こうしたパターンが出現しないような戦略を立てるのでしょう。
 3x3はスピード・キューブの故にか、手順のデータベース化はすすんでいるようですが、4x4についても手順データベースがどこかにあれば、ここに書いたような手順も記録されているのかもしれません。4x4のスピードキューブというのは、エッジセット方式なのでしょうか? そうだとすれば、それに外れているこうした手順は集められていないのかもしれません。