TUNのブログ

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# まえおき
 以前(2012-09-03)のブログで、「3x4x5 2x3x4 sometimes blocks」という記事を書きました。
 当時海外サイトで買った、'MF8 Full Function 2x3x4'がブロックしまくりという内容でした。

 その後、triboxで販売された時に、
「mf8の2x3x4キューブです。
2012年の夏に発表されたパズルですが、特定の条件で一部のパーツが固定されて動かなくなるという現象があり、海外のショップでは「Bandaged 2x3x4」として取り扱われておりました。
補修用のパーツを入手しましたので、triboxストアでは完全に可動する2x3x4キューブとして販売いたします。」という説明があり、構造について、「センターに固定されていない大きなインナーエッジパーツを下記のパーツに入れ替えることで、完全可動の2x3x4キューブになります。」と画像付きで説明されていました。
https://store.tribox.com/products/detail.php?product_id=839
 そのうち何かのついでに購入しようと思っているうちに販売終了になっていました。

 最近になって、パズル系の整理をしていて、何気なくこの「Bandaged 2x3x4」を手に取って動かしているうちに、このBandageあるいはblockがどう移行するのかを含めての解法に、はまってしまいました。
 いつものようにある程度めどがついたところで、ネットで検索したら、一つだけ「Bandaged 2x3x4 の解法」というのを見つけました。
http://cubepuzzle.arrow.jp/modules/d3forum/index.php?topic_id=243
 反応がなかったせいか構造の説明で投稿は中断しています。
 (投稿日時  2019-4-2から2019-6-1)

 さて、まず、完全可動の場合の解法ですが、
https://wikiwiki.jp/rubik/2x3x4
 にありますが、以下で示す、私流とは異なります。
 ブロックの回避は、攻略法に密接に関係するので、私流のやり方での「Bandaged 2x3x4 の解法」を説明します。
 私の以前のブログでも触れましたが、またwikiwiki.jpにも「スクランブルの最中に2x3の面を完成させて1or4層目を回す作業を入れないとあまり難しくなりません」とあります。このスクランブル過程での、2x3面の片側のみの完成状態(当然、直方体ではない)で1or4層目を回す作業もブロックが邪魔します。このブロックを回避するのは、今のところ、試行錯誤です。

# 攻略法の流れ
 まず、完全可動と仮定して、私流の揃え方の流れを説明します。
 これは、大筋「3x3xN(N≠3)の解法」(2011-11-08)で示したやり方で、4層部の1,2層と3,4層のコーナーセットを作って、2x2x3と同型にして攻略するという考え方です。

(0)直方体化
 まず、直方体に戻します。この方法については特に触れません。
※一つだけ手順例を示せば、(3)で挙げている手順。
    [U' R2 U' R2 U R2 U R] == RUB <-> RDF, LUB <-> LUF

※ wikiwiki.jpの攻略法では、この直方体化の時に、4層部分の2,3層を揃えるようになっていますが、私流は、この段階では、そこまでは求めません。2,3層を揃えるとすると――wikiwiki.jpでは詳述していませんが――、隣接互換(T-perm等)や斜互換(N-perm等)の手順が必要になることがあります(斜互換は90度回転すると、隣接2個2組の同時互換なので隣接互換2回で代替可能)。

(1)コーナー・エッジセット
 さて、持ち方:2x4 = U, 4x3 = R, 2x3 = Fを基本として記述しますが、最初のセットの段階では実際は4層部を縦に3x4を正面に持って動かしています。
 4層部で、コーナーの1,2層が揃っている箇所があれば、それを後方に逃がします。揃っていない場合は、(必要に応じてadjustしながら)F2で揃えて逃がします。3組までは容易に組み合わせができるでしょう(2x3面の色が同じものを揃えていくのが分かりやすいでしょうが必須ではありません)。

 一見、セット済み5組、未セットが3組になることがあります(画像!)。
 その時、未セット3組全部が同側面に集まることはありません。未セットが1組と2組に別れ、斜3点移動の配置になっています。従って2組セットの側を180度回転させれば1組のみのセット(3組未セット)に変わります。そのセット箇所を反対側の未セット箇所と同じ面に位置合わせ(アドジャスト)して斜互換。そうすると4個の未セットが片側に集まるので、その1層を180度回転してセットします。

(2)コーナーセットの位置揃え
 直方体が維持されている限りコーナーの隣接移動は不可能なので斜移動に限られます。
※ wikiwiki.jpの手順では、最初の直方体化の時に2,3層を揃えてしまっているので、コーナーの斜互換(2,3層の奇置換を必ず伴う)は発生しません。

 180度回転のみでは揃えられないパターンとして、コーナーセットの斜互換と斜3点移動があります。いずれも90度回転は4x2のU面を使わなければならなという制約があります。
 斜3点移動は斜互換-adjust-斜互換で代替できるますが……
 いずれにしても、セットでの移動なので、F Bは使わず、Fw Bwを使うのでブロックを気にする必要がありません。

*斜互換・手順例(持ち方:2x4 = U, 4x3 = R, 2x3 = F)
 「mf8 3x4x5 parity」(2012-0(4-27)で紹介したN-permをここでの持ち方に合わせると
    Bw2 [R2 U2 R2 U] R2 (u) [Rw2 U2 Rw2 U] (u') [R2 U2 (u) Rw2 U']    RUF <-> LUB
        [ ]は私が憶えやすくするために付けたもので、それ以上の意味はありません。こうすると、最後もUにして、LUF <-> RUBの互換と憶えた方がいいかもしれません。
 ところで、上記の手順はLL手順なので、Bw2が頭に付いてますが、それを省くと、RUF <-> RDBで、上記と組み合わせると3点移動です。

**3点移動
 2x2x3の場合で2x2の完全1面から攻略していく方法だと、両側面に渡るコーナーの3点移動を意識することはありません。
 2x4x3のコーナーセットの場合の両側面に渡るコーナーの3点移動も、同じ考え方で、まず底面2x4を完成させるという方法は可能です。但しその底面を完成した段階では、一時的には直方体が崩れます。そこで、上面の隣接互換で上面を完成させるのが2x2x3と同様の方法です。
例:【画像】
U' R2 U' R2 U R2 U R
    RUB <-> RDF, LUB <-> LUF
 この後、上面の隣接互換(RUB <-> RUF)の後に(u)で、直方体に戻すと
    RUB  -> RDF -> LUF
 ところで、上面の隣接互換ではなくて、交換子(Commutator)手順を使って直方体に戻すと、別の3点移動になります。
 RUB <-> RDF, LUB <-> LUF
の移動では、1個だけが移動している面はDのみなので、Dとの交換子で、
    [U' R2 U' R2 U R2 U R2] D2 [R2 U' R2 U' R2 U R2 U] D2
    RUB -> RDF -> LDB の斜3点移動

 さらに: [U' R2 U' R2 U R2 U R2 U] とUを加えると、
 RUB -> RDF -> RUF -> LUF -> RUB
の4点移動になって、この場合は、D以外にBでも交換子手順を考えることができます。
 Bとの交換子手順では、
    [U' R2 U' R2 U R2 U R2 U] Bw2 [U' R2 U' R2 U' R2 U R2 U] Bw2
    LUF -> RUB -> LDB
(Bw2ではなくてB2を使えば、コーナー単独の3点移動です。)

※wikiwiki.jpの3点移動の手順もB2をBw2に変えれば、コーナーセットの3点移動になる。
    [L2 U R2 U']x2 B2 [U R2 U' L2]x2 B2

(3)3層部中層のセットと位置揃え
 「3x3xN(N≠3)の解法」で示したやり方です。
 簡単に例を挙げて、再説します。
 手順例(BまたはFの一方のみを使います):セットが出来てない箇所をLFとRBに、RBの3層目と同色をLBの4層目に置きます。そして、
    B2 R2 [U2 Fw2 U2 Fw2 U2 Fw2] R2 B2
 まず、B2で、RBの中3,4層の色を揃え、R2でRFに移し、LFとRFの交換。そして元に戻す。

 位置揃えは、[U2 Fw2 U2 Fw2 U2 Fw2]や[U2 R2 U2 R2 U2 R2]で、容易な手順です。

# さて、いよいよ本論。ブロックの回避方法
 持ち方の記述は、 4x3(緑、青)= R, 2x4(黄、白)= U, 2x3(赤、柿)= F を基本とします。
    ( )内の配色は私のものを示していますが、Youtubeなどを見ると汎用性はありません。以下同じ。

(4)ブロックの0~1化
 まず。ブロック部分を1以下にすることを目指します。
 ブロック部分が1ヶ所であれば、そのブロック部を移動することが可能なので4層の外層(1、4層)を180度回転させる必要がある箇所がブロックされている場合にはブロックを反対側に移して180度回転させればいいわけです。

 さて、まずブロックの減少、解消法です。
    Q = (U R2)^12
 という12手の循環手順を使います。
 この手順で、キューブ全体の配置は元通りですが、blockの変移(3ブロック以上、2ブロック、1ブロック、全可動)が起きます。
 同じ可動性の状態でも内部構造的には異なる状態があるようで、Qの結果が異なる場合があります。以下の記述は構造に根拠を置いたものではなくて、経験的なものですので、必ずしも網羅的ではありません。

 2ブロックの場合。ブロックは左右同じ側にあって、同じ側で増減、移動します。どちらの側にあるかを判断して、ブロックのある側を右に置きます。
 ※F、B両側ともブロックの時
    Bw2 D2 で、Fブロック、B freeなら上段にブロック
    Bw2 D2 で、Bブロック、F freeなら下段にブロック
 この2つの場合は、L2を最初に実行すれば、L側は、上段と下段が入れ替わるので、もう一度、上記を実行すれば、ブロックがRLのどちら側かが判断できます。
 ブロックが上下斜めの2か所になっている場合は、D2の後の可動でどちらの斜めかは容易に分かりますが、RLのどちらかの判断は難しい。
    <a>:D2 で、Fがブロック、B freeなら<RUFw+RDBw>または<LUFw+LDBw>
    <b>:D2 で、Bがブロック、F freeなら<RUBw+RDFw>または<LUBw+LDFw>
 <a><b>のそれぞれで、Qを実行してみると、<a>はR側がブロック、<b>はL側がブロックであることが分かります。

 以上の判別で、FもBも可動にならない場合は、ブロック箇所が3以上と考えざるを得ない――確かめようがない――場合があります。その時は、とりあえずどの持ち方でもいいですからQを実行します。それで状態が変わらない時(実際にあります)は、持ち替えてQを実行してください。今度は必ず状態が変化します。

 変移パターンを単純化するために、ブロックが<RUFw>を含むように、持ち替えながら実行する原則です(Q^2まで同じパターンが連続した場合に(r2)で持ち替えます)。
○RUに1列に並んでいる時の変移――多分2通りです。
・    ◆<RU(Fw+Bw)> =Q⇒ <RUFw+RDBw> =Q⇒ <(RU+RD)Bw> 
 ここでブロックが<RFw>を含むように持ち替え。
    (r2) <(RU+RD)Fw> =Q⇒ <RDFw> 

・    ◆<RU(Fw+Bw)> =Q⇒ <(RU+RD)Bw>【そのまま、Q だと◆へ】
 ここでで、ブロックが<RFw>を含むように(r2)の持ち替え。
    (r2) <(RU+RD)Fw> =Q⇒ <RDBw> 

 【参考――1列に並んでいるブロックをLUに置いた場合の変移は後述の参考:#4で示しています。】

○この変移で分かるように、Q1回で2ブロックが1ブロックに変わるのは、<(RU+RD)Fw>の時ですから、Bw2やD2などを使って、2ブロックを<(RU+RD)Fw>に集めて(Fwに集めるように移動するのですが、次項で述べているようにL側にブロックが移る場合があるので、その時は持ち替えが必要です)、Qを実行すると1ブロックになります。

(5)ブロック位置移動――1ブロックの場合
(1)のセット手順でブロックが、FまたはBの180度回転を妨げる場合は、ブロックを反対側(F⇔B)に移動させます。
 RUFの2個がblockの場合について説明します。
 ブロック位置がU2で移動する場合とFw2で移動する場合のどちらかになっています。

situationU: U2で<RUFw>はLUBwに移るがblock位置が<RUBw>に変わる。
 (R2 U2)^3 で元に戻った時、blockは3回移動した結果、
    <RUFw> block ⇔ <RUBw> block

situationF: Fw2で<RUFw>はLDFwに移るがblock位置が<RDFw>に変わる。
 (R2 Fw2)^3 で元に戻った時、blockは3回移動した結果、
    <RUFw> block ⇔ <RDFw> block
 この場合:D2 (R2 Fw2)^3 D2 として<RUFw>をLDBwに移す。

 つまり上記のいずれかの方法で、Fw側のブロックをBw側に移すことができて、F2の回転が可能になります(或いはその逆)。
 ※上記はいずれも、
    Fw2はBw2に等価、U2は(Eは無関係なので)D2に等価である。

○U 90度(直方体の変形)を含む手順を使うとブロック状態が変化します。
 従って、(1)のコーナーセットの途中で、斜互換を使った時は、ブロックが両側2か所に増えている場合があるので、その時はもう一度ブロック減少手順を実行します。
 セットが完成した後の移動(2)でも、斜互換または、3点移動を使うことがあります。
 その時も(3)の3層の中層セットで、ブロックは1箇所以下でなければならないので、ブロック減少手順が必要です。

# ブロックの解消
 以上で、6面は完成しますが、ブロックが残っていると後味が悪いので、ブロックの解消、全可動状態を目指しましょう。
 上記で完成させた場合、ブロック箇所は1ヶ所だけになっているはずです。
 その1箇所のブロックを右側上段に来るように持ちます。
 ブロックの増減や移動は3x4面の片側のみで起きます(キューブ完成面では緑面)。
○<RUFw>の時、左右が固定なので、持ち方は2通りですが、Qでのブロックの変移は3通りです。
 第1の持ち方(R緑/U白/F柿)
    ①<RUFw> =Q⇒ <RUFw> =Q⇒ free
    ②<RUFw> =Q⇒ <RUFw> =Q⇒ <RUFw> の固定
 第2の持ち方(R緑/U黄/F赤)
    ③<RUFw>(黄赤) =Q⇒ <RDBw>(白柿) =Q⇒ <RUBw>(黄柿)
○ブロックが<RUBw>の時は、第2の持ち方の一局面なので、
        =Q=> <RUFw> =Q⇒ <RDBw>(白柿)

○第2の持ち方で、<RDBw>(白柿)にして、(r2) で①②に移行。
    ①の場合はQまたはQ2で<free>
    ②の場合は④を使うために、(r2) <RDBw> =Q⇒ <RUBw>④へ

○④:②のパターンの解決法
    (f2) <LDBw> =Q⇒ <free>
 通して書けば、
    <RUFw>② (r2) <RDBw> =Q⇒ <RUBw> (f2) 
        <LDBw> =Q⇒ <free>

※ところで、④を<RUFw>①の時に実行したら、
    ・<RUFw>① (r2) <RDBw> =Q⇒ <RUBw> (f2) 
        ◆<LDBw> =Q⇒ <LD(BwFw)> =Q⇒ <LD(BwFw)> =Q⇒ <LDBw>* =Q⇒ <LDFw> =Q⇒ <LD(BwFw)> =Q⇒ ◆へ
        *の時に、(f2)で戻ることも可能
    ・<RUFw>①' (r2) <RDBw> =Q⇒ <RUBw> (f2) 
        ◆<LDBw> =Q⇒ <LDFw)> =Q⇒ <LD(Bw+Fw)> =Q⇒ ◆へ
 ようするに<RUFw>②以外の時には、<LDBw>を媒介する方法はうまくいかない。

#参考:完成Free型からのQ手順による循環
 #1 (緑R黄U赤F)
●free =Q⇒ free =Q⇒ free

 #2 (緑R白U柿F)
●free =Q⇒ <RUFw> =Q⇒ <RUFw> =Q⇒ freeの3回周期

 #3 (緑R白U赤F)
●free =Q⇒ ③<LDFw> =Q⇒ <LDBw> =Q⇒ freeの3回周期

 #4 (緑R黄U柿F)
●free =Q⇒ <LU(Fw+Bw)> =Q⇒ <LUFw> =Q⇒ <LUBw> =Q⇒ <LU(Fw+Bw)> =Q⇒ freeの5回周期        

    ※    <LU(Bw+Fw)>が始まるパターンで、以下の場合あり。
        <LU(Bw+Fw)> =Q⇒ <LUBw> =Q⇒ <LUBw> =Q⇒ <LUFw> =Q⇒ <LUFw> =Q⇒ <LU(Bw+Fw)> へ戻る

    ※ 白柿<RUFw>②ケース【白赤でQ'=><LDBw> (f2)黄赤 <RUBw> Q' => <RDBw> (r2)白柿 <RUFw>】
パターン①
    <RUFw>② (f2)黄柿 <LDFw> =Q⇒ <LDFw>+<LUBw> =Q⇒  <(LD+LU)Fw> =Q⇒ <LDFw> (f2) <RUFw>①' =Q⇒ <free>
パターン②
    <RUFw>② (f2)黄柿 <LDFw> Q'(=Q^4) で、3?ブロック化が発生。Q 斜2 Q Fw2 Q 斜2 Q 3?
 

前回に予告した、いくつかの興味深い手順の紹介です。
――OPの新手順としては三つ(19手~21手という最短には及ばない手数ですが)。広いネットのどこかには転がっている手順なのかもしれませんが私は未見です。黎明期ならともかく、15手の手順がいくつも公開されている現在では関心を持つ人は少ないでしょうが。

前回のずらしたセンター半分の簡単な手順での再構築という手順を検討している過程で、どんどんその《簡単な》という主旨からは外れていって、興味深い手順に行き着きました。

最初は2点交換から。
(6) u' R2 u' R2 F2 u' F2 u F2 u' R2 u2 R2 F2 (14btm)
6点の置換ですが、エッジ・ペアの崩れは2箇所。
エッジ・ペアの簡単な3点移動で、FR-dとBR-dのエッジ縦並び2箇所の互換になります。最後の手順のところで、エッジ・ペアの3点移動が起きないように少し工夫します。
(6)' u' R2 u' R2 F2 u' F2 u F2 u' [u d'] F2 u2 [u'd]
 == u' R2 u' R2 F2 u' F2 u F2 d' F2 u d    (13btm)
手数が1手減りました。これを上段(LastLayer)に移すために、u'->r、R->U、F->Fとすると、
[1] r U2 r U2 F2 r F2 r' F2 l F2 l' r'
となって、UF-lとUB-lの2点互換です。
後半はF2が続くので実際は、
r U2 r U2 (r) U2 r U2 r' U2 l U2 l' r' (r')
のように動かすのでしょう。
今回のこの手順の発見は大成果でした〔後日談あり!〕。かといって、私自身実際には、あまり使わないとは思いますが。
エッジ・ペア手順のためには複合が必要で、二つ考えられます。

3点移動と組み合わせると、2点移動x3点移動という初パターンのOP手順が出来ます。
[2] r U2 r U2 F2 r F2 r' F2 l F2 l' r' (r') r2 U2 r D2 r' U2 r D2 r
(r'とr2は併せてr)、
持ち替えで記述すると
 == r U2 r U2 (r) U2 r U2 r' U2 l U2 (r2) l' r U2 r D2 r' U2 r D2 r  ――新手順(21btm)。
後の方の(r2)を省いて書けば、
 == r U2 r U2 (r) U2 r U2 r' U2 l U2 l' r D2 r U2 r' D2 r U2 r

また核手順の前に、r2 B2 を付けると、前後の互換が隣接の互換に変わります。
但し、前処理の結果、(180度回転する)U面のセンターが同色ではなくなってしまうので、[f b']で、センターを仮に同色にしておきます(例のテクニックを借用)。
[3] r2 B2 [f b'] - r U2 r U2 F2 r F2 r' F2 l F2 l' r'- [f' b] B2 r2  ――新手順(19btm)

次に、4点置換。ここからは、u'- r に変えた手順のみを示します。
[4] r U2 r U2 r2 U2 r' U2 r U2 r' U2 r2  (13btm)
 - r r2 U2 r' D2 r U2 r' D2 r2
[5] r' U2 r' U2 r2 U2 r U2 r' U2 r U2 r2  (13btm)
この両方の4点置換は、周知の3点置換と親近性があります(置換点に共通性が高い)。
[4]を使うと反転エッジがUBになるので、[5]を使って、3点置換と併せると、
[6] r' U2 r' U2 r2 U2 r U2 r' U2 r U2 r2
 - (r') r D2 r' U2 r D2 r' U2 (r) ----(21-1=20btm)
というOP手順が出来ます――新手順。
念の為、持ち替えなしで記述すると、
r' U2 r' U2 r2 U2 r U2 r' U2 r U2 - r' F2 r' B2 r F2 r' B2  ----(20btm)
これは今のところ私の知っている4点x3点系の最短手順です。

後日談====
Cube Voyage > speedcubingの道 > 4x4x4 > 4x4x4 パリティ手順まとめ
に、OLL Parity (OP)
Rw2 B2 Rw' U2 Rw' U2 x' U2 Rw' U2 Rw U2 Rw' U2 Rw2 U2 {x U2}
という手順があるのは少し前から気づいていました。
このRwをrに変えると、
[7] r2 B2 r' U2 r' U2 x' U2 r' U2 r U2 r' U2 r2 U2
== r2 B2 r' U2 r' U2 B2 r' B2 r B2 r' B2 r2 B2
という Double Parity です。
さらに、RwをRに変えると、
R2 B2 R' U2 R' U2 x' U2 R' U2 R U2 R' U2 R2 U2 {x U2}
で、これはいわば、「変位T-Perm」系。

今回この手順を少し詳しく見てみると、
[1]の [r U2 r U2 F2 r F2 r' F2] l F2 l' r'
の[  ]の箇所が、[7]の3手目からの [r' U2 r' U2 B2 r' B2 r B2] の対称形だということに気づきました。
従って、[1]の前に対称形の前処理、r2 F2 を付けて、最後を調整すると、当たり前ですが、
r2 F2 - r U2 r U2 F2 r F2 r' F2 - r F2 r2 F2  (15btm)
という全くの対称形が出来ます。
[1]は新手順と言えたとしても、画期的という訳ではなく同工異曲、残念。

ところで、[1]のrをRにlをLに変えると、
[1]' R U2 R U2 F2 R F2 R' F2 L F2 L' R'
UFL<->BUl、UL<->UR
という、これもいわば、「変位T-Perm」系。
とすれば、このFをfに変えれば、ダブル・パリティ手順が出来そうですが、そうはなりません。
端列を中列に変えて有効な手順であるためには、その端列と対面(この場合はFとB)以外の動きが180度のみであることが経験則です(十分条件ですが、必要条件であるかは不明、90度があるとセンターの2個セットも崩れるので復帰するには手数がかかりそう)。
従って、[1]'の手順は、RとLをrとlに変えることは出来ますが、F(とB)をf(とb)に変えてもだめなのです。
しかし、中列への適用不可とはいえ、「変位T-Perm」に13手のものがあるということは、「転位F Perm」も含めて、中列への適用可能な15手よりも短い手順の可能性に期待が湧きます。

3x3の手順に還元すると、いくつかあるコンピュータ・ソフトが使えます。フリーのをいくつか試しましたがなかなか短い手順は出てきません。
比較的短い手順が出てくるのは、Cube Explorer 5.13でした。ただし、どういうアルゴリズムになっているのか、短い手数から出てくる訳ではないので、何度も試さなければなりません。
「転位F Perm」系のsolveを試しているときに、たまたま、
F2 R2 B2 D2 L' D2 R F2 R2 U2 R' U2 R B2 R'
という中列に適用できる15手の手順が出てきました。
[8] F2 r2 B2 D2 l' D2 r F2 r2 U2 r' U2 r B2 r'  (15btm)
これは、2012-01-24 ■1 Double Edge Flip
で「転位F Perm」系と名付けた、
(8) r' U2 [l F2 l' F2] r2 U2 [r U2 r' U2] F2 r2 F2 (15 btm)
とは異なる手順です。

以前に、ver.5.00を試したことはあったのですが、その時は14手の手順が二つ出てきたものの転用不可な手順でした。
転用可能な14手以下の手順があるか、14手まで総当たりで調べればいいだけだと思ってザーッと計算してみたら、ちょっと現実的ではなさそうですね。

 

5チャンネルについ書き込みました。
----
816□7×7=4□□2018/07/23(月) 18:50:12.83ID:12+/pnDU
>>788
> ではパリティを事前に防ぐ方法はありますか?
>>807
>>812
> これ事前に発生しないように工夫する方法はある?
マジレスしますが、
センターを構成する同色の4ピースが区別できないので無理です。

ただエッジ・ペアを作った段階でEOパリティ(エッジ1組の反転)かどうかを判断することは出来ます。
反転エッジの数を数えて、それが奇数であればパリティです。
エッジが反転かどうかを判定するには少しコツが要ります。対面の色を同色系とするのが一つ、次は中段にある上下段のエッジどう判断するか。
3x3は常に偶数ですから3x3で数え方を試すことが出来ます。
この時点で判断することには、それなりの意味はあります。
パリティ解消の為のセンターの作り直し――エッジ・ペアの作り直しの憶えるというほどでもない「簡単な手順」の組み合わせ(LastLayerでの手順に比べて手数は少し多い)があるからです。
----以上
そこでは書かなかった、《憶えるというほどでもない「簡単な手順」の組み合わせ》を、出来るだけ分かりやすくまとめました。
ついでにいろいろと試していると思いがけない手順の発見もありました。――それについては、次回に分けて書くことにします。

まずは、手順というほどでもない手順の組み合わせを「手順化」して示します。
最初に、u'(上から2段目)とセンターの半分を90度ずらして、順次センターを戻していきます。
(1) u' [R2 u' R2 u] (u) [d R2 d' R2] (u) [d R2 d' R2]
センターが戻った段階で、中段のエッジに、4エッジ置換(奇置換)と3エッジ置換(偶置換)が起きて、中段のエッジ・ペア4箇所とも崩れています。このエッジ・ペアを作り直すと、OP(方向パリティ)は解消しています。
念の為、持ち替えなしで記述すると、
 == u' [R2 u' R2 u] [d B2 d' B2] [d L2 d' L2]
このタイプ(まず、u'でセンターを崩してセンターを再構築する)には、エッジ奇置換の各種興味深い手順があります。――そもそも全てのOP手順が中列を90度ずらす手順を含んでいる訳ですが。

次に、(1)をバンテージ4x4(一隅のピース7個の拘束)で使えるようにu2から始めると、
(2) u2 [R2 u' R2 u] u2 R2 u' [R2 u' R2 u]  (11btm)
6エッジ移動(エッジ・ペア4箇所崩れ)。手数は11手に減ります、

さらに少し工夫した、
__________
u' [R2 u' R2 u]    (u'でずれたF色を戻す、R下にはL色)
d B2 d'            (R色を戻す、B下にはL色)
[L2 u' L2 u]    (B色、L色を戻す)
B2
~~~~~~~~~~~
(3) u' [R2 u' R2 u] (u) d R2 d' (u) [R2 u' R2 u] F2 (13btm)
持ち替えなしで表記すると、
 == u' [R2 u' R2 u] d B2 d' [L2 u' L2 u] B2
で、4点置換と3点置換ですが、エッジ・ペアは2箇所しか崩れていません。
【※ エッジ・ペアの3点移動(9手)でエッジ斜め2点の互換】
ペアの作り直しは2箇所なので、お決まりの、
u2 [R U' R' F' U2 F] u2
の8手でペア・セット完了です(合計21手)。
このペア崩し手順は、視覚的にそれほど複雑ではなく、エッジ・ペアを作り直すという手順としては、今のところ最短です。

ここまでは、u'の後に3~4手でセンターの半分を戻すというやり方で、センターの再構築をやってきましたが、もっと単純なやり方があります。
u'の後に、センターの上半分を一個ずつずらして入れ直していくという方法です。2x2の8355法で、コーナーの位置パリティを修正したのと似た考え方ですね。
(4) u' R2 u' R2 u' R2 u' R2 u'    (9btm)
エッジ4点置換で、4個のエッジ・ペアの崩れ。
これは、2011-12-07の■4x4異順(続)に書いたOP手順の核手順です。おそらくこの手順を最初に見つけた人も、こういう発想で発見したのでしょう。
特別の手法を使わないエッジ・ペア作り直しだと、ペア2個を作るのに8~9手、4個だと16~18手かかります。総手数では(3)に劣りますが、この単純さは捨てがたい。

ついでに、u2でずらして、センターを順次再構築してみます。
右面のセンター、上段に何色が入り、下段に何色が退避しているかを( )書きで示します。
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u2 R2 (R色が入り、L色が退避)
u' R2 (F色を退避、L色を仮入れ)
u2 R2 (F色を入れ、B色が退避)
u2 R2 (B色を入れ、L色が退避)
u' R2 (L色を入れる)
u2 R2 (元に戻す)
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(5) u2 R2 u' R2 u2 R2 u2 R2 u' R2 u2 R2  (12btm)
PP(位置パリティ)が出来ます。
よく使われている手順に比べて手数が多くて実用的ではないでしょうが、一応、参考のために。
※よく使われている手順とは、
u2 R2 (R色が入り、L色が退避)
u2 R2 (L色を入れる)
u2 (元に戻す)
です。そこで発生するセンター移動をどう消すかということに、それぞれの手順の工夫がありました。