金沢旅行3日目、晴れ時どき雹(2) 兼六園 | けものみち

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日記のようなものです。

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東京に二日続きで、みぞれや雨が降った。
また寒くなっちゃったねえ。
書きかけの旅の記録でもつけるとしましょうか。


雪から晴れへ、晴れから雹へ天気の変わったあの日。
再び晴れた空のもと僕は兼六園へ向かったんだ。



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到着!21世紀美術館から、歩いて数分ですぐに着いた。



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門から少し入ったところで入場券を買ってどんどん進むと
もう、速攻「雪つり」だらけだった。



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ほとんど攻撃的な風景に僕には見えたね。
夜中、誰も見てない間に合戦でもしてそうだ。
いやもしかしたら、静かに立って、合戦相手を待ち続けているのかも知れない。

土と木の肉体を得て、氷の鎧兜をまとい
彼らは暗闇の中から起き上がって来る。
僕らは彼らを見てはならないし、彼らに見られてもならない。
見つかったら殺されるか、彼らの仲間になるかのどちらかだ。
土と木の肉体は寒かろうね・・

幻想の槍の音を聞きながら園内を歩く。
と、少し離れたところからパラパラと
何かたくさん、小さなものが落ちてくる音が聞こえてきた。

「あっちか?こっちか?」と音の方向を探す間もなく、やがて・・



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僕の上にも小さな白い砲弾がいっぱい落ちてきた。

大きくて5ミリくらいのかわいい雹だった。
雪つり兵の砲弾、おそるるに足らず!

なんて思えたのはせいぜい最初の1分くらいだった。

雹って・・精神的ダメージ、でけえよ!
自分のところでも、周りでも、とにかくそこらじゅうでバラバラばちばち鳴ってて
「これいつまで続くのよ」って。



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たまらず、一番近い茶室に逃げ込んだ。

「時雨亭」。
なんだかタイムリーな名前で、化かされるかと思った。
中に入ったら着物の女の人がいたよ。
「人」かどうかは実際のところ分からないけど‥

いったん入ってから、僕は自分の体に幾つも雹が乗っかってる事に気がついて
「ちょっと表で掃ってきます」って外に出ようとしたら
どうやらいつも用意しているらしいタオルを1枚貸してくれた。
「そ、外に逃がさないためだな?!」
なんてとっさには思えないもので、ありがたくお借りして
僕はすっかり中に居ついてしまった。



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やがて運ばれる抹茶と和菓子。

着物の人は、運んできたらまたどこかに去っていったよ。
ここは36畳ぶんの広い部屋になっていて、他に2人、お客さんがいた。
奥でひそひそ声や包丁を研ぐ音も聴こえないので
安心してお菓子をいただくことにする。



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外の白いところと、中の桃色は違うお菓子で出来ていた。
白いのは平たい生地っぽいもので、桃色は餡だ。
外側から菓子楊枝で軽く押さえると、やや抵抗された。
もう少し・・と力を入れたら外の生地が切れ
すわっと手が沈んでいったよ。

しっとり柔らかい餡だった。
白い生地のおかげで、口の中で多少ゆっくりたのしむことが出来る。



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食べ終わってボンヤリしていたら、着物の人がまたやってきて
僕ら3人の客にこの建物の事を教えてくれた。

この建物は最近作られたものだけれど
かなり古くにあったのを再建したものらしい。
その際、エアコンや照明といった新しい技術もとりこんだ。

でもこの写真でいうと、右側にはそれらをつけていないらしい。
確かに天井に照明がない。
こちら側は古い建物そのままの造りなのだとか。もちろんエアコンも無い。

左の部屋も一見すると、エアコンは無い。
どうやら天井裏に埋めてあるらしい。
よく見ると、天井の一番端に吹き出し口を作ってある。
そして天井の板も密かにいい木を使っていた。

それから、この建物は釘を一本も使っていないそうで
他にもなにやら色々面白い建物らしく
着物の人の解説も段々と白熱してゆく。

この土地の人々の建物や小物、色んな物作りへの情熱はいったい、なにごとだ。



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分かりづらいけど・・柱の一部、羽子板の形の木が埋め込まれている。
これは邪魔なフシを抉り取ったところを、そういう形にしたものらしい。
もう、とにかく何かしたいんだね。



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昔ながらの造りにしてあるサイドの、庭に面したところ。
こちらはガラス戸を入れていない。縁側の向こうに木の雨戸があるだけだ。
そこまでやるか!さむいよ。
夏は暑いんだろうね。
でも、いいわね。



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茶室でゆっくりしている間に、晴れた。

またいつ降るか分からないから、急いで茶室を出て歩き出す。
もう、晴れ続けることなんて期待しない。
どうか別の建物が近い場所で降られますように。



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池にさっきの雹が半分溶けて浮いていた。



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ちょっと好きな風景で、つい、撮る。



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やたら撮る。



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除雪部隊、笠で現る!

ここで見るとなんか雪つりの仲間っぽい。
密かに木が何本か減っていたりしないか、見渡したけど
普段の姿を知らないので分からなかった。



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橋の向こうにも。

何人くらいいるのかな。雪つりの精・・



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町を見渡せる所があった。
昔は、どのあたりまで城下町として広がっていたんだろう?
いい風景だったんだろうな。



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来た時とは別の門から出ると、お土産の店や「お食事処」が並んでいた。
なぜかお土産屋さんばかりのところと
「お食事処」の多いところと別々にある感じだった。

写真はお食事処の方。
鴨料理やらぜんざいやら、あったかくて美味しいものが色々あるらしかった。
でも残念ながらお腹がすかない。

お土産屋さんの方を幾つか覗いて、兼六園を離れた。