片足を失った退役軍人:「俺がイスラム系を憎むのが当然と考えている人間にはうんざりだ」


クリス・ハーバート(Chris Herbert)氏
は2007年、イラクの路上の爆発によって右足を失いました。

退役軍人となった彼のFacebook上のコメントが、一瞬にしてソーシャル・メディアやイギリス・アメリカのマスコミを含むメディアに報道され、ハリーポッターの著者、J.K.ローリング女史までもが大絶賛しています。

この記事の掲載の時点で、彼の投稿のシェアの数は162,827件!

「イスラム恐怖症」な人たちにうんざりしている人たちには、彼のこの発言はもう的を得ていてなんとも気持ちのよいものですからね。



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https://www.facebook.com/chris.herbert6420/posts/10153191869156434 より翻訳

(画像 Facebookより 下の列の真ん中の男性がクリス・ハーバート氏「自分が超かっこいいと思ってた頃」)



爆発の被害に遭ったからといって、俺に人種差別的態度を期待する一部の人間にイライラしてるよ。俺の考えはこうだ。

そう、一人のイスラム系の男を吹き飛ばし、俺は脚を失った。

そして同じ日、イギリス軍の制服を身い腕を失ったのもイスラム系だった。

その現場から、俺を救助してくれたヘリコプターに乗っていたのは、イスラム系の衛生兵だった。

俺の命を救う手術をしてくれたのは、イスラム系の外科医だった。

イギリスに帰ってから、俺を助けてくれたチームの一人はイスラム系の看護婦さんだった。

俺が歩く方法を練習するリハビリをしていた時、毎日の俺が必要なものを何とかしてくれたチームの一人がイスラム系医療アシスタントだった。

俺が自宅に帰って初めて、父親とビールを飲みに初めて出かけた日、タクシーに無料で乗せてくれたのはイスラム系のタクシーの運転手だった。

父親は俺の医薬品やその副作用にどう対処していいかわからなかったが、パブで父親を慰め、アドバイスをしてくれたのはイスラム系の医師だった。


(画像 Facebookより 現在のハーバート氏)


それとは反対に、

俺の彼女に「俺とだってヤレるのに、身障者とヤってるなんて」と言って、彼女の顔につばを吐きかけたのは白人のイギリス人だった。

自分が先に乗れるように、エレベーターから俺の車椅子を押し出したのは白人のイギリス人だった。

俺がまた従軍していて自宅に帰ろうとしていた時、身体障害者用駐車スペースに車を停めた俺の父親に怒鳴ったのは白人のイギリス人だった。

(それでも、俺の回復の時期に、たくさんの人が俺のことを助けてくれた!白人のイギリス人も俺は憎んだりしないよ!ははは)

俺が言いたいのは、邪魔するな(fuck off)ってことだよ。俺が嫌いなのは自分でわかっているし、俺が嫌いじゃない人間も自分でよくわかっている。

俺が感謝する人間が誰かも知っているし、感謝してないのは誰かもわかっている。

少数のバカのやったことで、一つの人種の男女全員を憎みたいのならどうぞご自由に。でも自分の考えを俺に押し付けないでくれ。一人の思い上がったバカが、今日は俺の死ぬ日だと決め付けた(爆弾の攻撃を仕掛けた)から、俺なら簡単にだませると思っているのだろうが。

ダーイシュ(訳注:Daeshe、ISILのアラブ名であまりよくない意味が含まれる)やタリバンのようなグループの行動でイスラム系全員を批判するのは、KKKやウェストバラ・バプティスト派教会(訳注:アメリカのキリスト教過激派)の行動でキリスト教全体を批判するようなものだ。

自分の人生の現実を見て、あなたの家族にハグをしてまた仕事に戻ったらいいんじゃないのか?




(翻訳終了)


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【コメント】

このポストが口コミで一瞬にして世界中に広がったのに、Facebookを見ると彼の父親はFacebook上での彼のよくない言葉遣いのために怒られたそうです(笑)


「一般化(
Generalization)」:あるグループの一部の事物について成り立っていることから,そのグループ全体について成り立つように論をおしすすめること。


ある程度は一般化も避けようもないのですが、あまりにもこの一般化が激しい場合には、不必要な期待や憎悪感を一部の人間の集団に向けられることになり、そもそもこれが戦争などの原因になるんじゃないかと懸念しています。

しかし彼は透明な目を持ち、物事(現実)を徹底した透明性で見ていて、好感を感じずにいれません。行き過ぎたイデオロジーに傾倒すると、一人の人間を見るのにも不要なフィルターを通してみることになり、目の前の人間が知らない人間でも、その人に貼られたレベルのために無条件で憎しみを感じたりとか・・・バカバカしいですよね。



ウェストバラ・バプティスト教会については、こちらの記事でラッセル・ブランドとその教会の濃い絡みがご確認いただけます。


恐怖の特効薬は「愛」



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