プーチン「ISISの石油がトルコ経由で流通していることを示す『証拠』をロシアはさらに保有している」
→エルドリアン「それが本当なら辞任する」

Russia has ‘more proof’ ISIS oil routed through Turkey, Erdogan says he’ll resign if it’s true
11月30日【RT】https://www.rt.com/news/324045-putin-erdogan-su-downing/ より翻訳



(画像 https://platosguns.wordpress.com/2015/08/07/putin-issues-ultimatum-threatens-war-over-erdogans-support-of-isis-gordon-duffveterans-today/より)



ISISが制圧している油田から採掘された産業規模の石油が、トルコを経由していることを示す新たな機密情報をロシアが受け取ったとプーチン大統領が話した。エルドガン大統領は、もしその情報が確認された場合には辞任するつもりであると話している。

【関連記事】随時更新中:シリア国境でSu-24機が撃墜されてからロシア・トルコ間の関係が悪化(英語)

プーチン大統領は月曜、パリで開催の気候変動会議でスピーチを行ったがその際にトルコ情勢に関する質問を受け、11月24日トルコの戦闘機によってSu-24が撃墜されたのは、シリア国内からトルコへの石油の違法な運搬作業の安全性を確保するためであったと疑う証拠を保有していると答えている。

プーチン:「現在、ISISがコントロールする油田から採掘された産業規模の石油が、トルコ国内に流入しているということを示す新たな機密情報をロシア政府は入手しました」

「ロシア機を撃墜するという決定は、石油がタンカー船に搭載されるまでの運搬ルートの安全を確保しようという意図から出されたものだと信じるに充分な理由を、ロシア政府は保有しています」


同じく月曜日のパリでは、万が一トルコとISの協力関係を示す証拠があるのであれば、辞任するとエルドガン大統領は発表している。

エルドガン:「テロリストから石油を買うほど、トルコは不正直ではありません。もし私たちが関与したというのであれば、どうか証拠を示してください。もし証拠があるのであれば、公開してくだされば、トルコ政府も考慮します」(TASS)


トルコが石油を購入している輸入元の国は「周知の事実」とトルコの大統領は続けている。

エルドリアンはロシアに対し、アメリカが最近ブラックリストに載せた国際チェス同盟のキルサン・イリュムジーノフ会長に関するコメントを求めている。トルコの大統領は、イリュムジーノフ会長が「実質的にシリア政府のために、あるいは代理人として支援、行動している」と非難し、同会長がイスラム国と石油取引を行っていると主張。

プーチンはテロリストがロシアとトルコの間の移動でビザが免除されていることを利用して自由に移動しているとし、さらにロシア政府が問題点を指摘した後もトルコ政府は十分な対処を行っていないと言う。

プーチンは、ロシア国内のコーカサス北部を含めた複数で離れた地域でのテロリスト活動から受けている脅威について、「(トルコ政府に対し)私たちは長期間に渡り注意を払うようにお願いしています」と述べ、さらにそのテロリストは「トルコ領土から出現しています」と続けている。

ロシア政府はトルコ政府に対し「この慣習を止めるよう」に求めているとプーチンは続け、 次の点を指摘。

プーチン:「トルコ国内の一部の地域には、(テロリストが)特別な警備サービスや警察によってガードされて住んでいますが、ロシア政府はその一部の地域を突き止めています。そして(そのテロリストらが)ビザ 免除の制度を利用してロシアの領土に侵入しているため、私たちはそのテロリスト達と戦い続けています」


そして広範な支持基盤のある反テロリスト連合を形成することをロシア政府は望んでいるかという質問に対して、ロシア政府はそのような戦略を常に指示し続けてきたと述べたものの、次のように続けている。

プーチン:「しかし自らの当面の目的を果たそうとして、複数のテロリスト集団を利用し続けている者がいる間は、その実現は不可能です」

またトルコとの関係が悪化したことに対し、個人的に悲しみを感じているとプーチンは認めている。

プーチン:「問題は存在しており、それが判明してから長い時間が経っていますが、ロシア政府は問題解決のためにずっと、パートナーのトルコ政府と話し合いを持とうと試みてきました」

またプーチン大統領は、ロシア機を撃墜させる決定を行ったのはエルドガン大統領ではないというトルコ政府の主張については認識しているとしつつも、どの当局者がその決断を行ったかについては、ロシアには「無関係」だと強調している。

プーチンは「今回の違法的な軍事作戦の結果として、ロシアの兵士2名が死亡しています。機長とSu-24乗員の救援に当たった海兵です」と説明し、トルコの行動は「重大な過ち」であったと付け加えている。

シリア国内でトルコ機がロシアのSu-24撃墜させた事件から、両国間の関係は悪化している。先週木曜日にはロシアはトルコに対する経済制裁を決定しているが、それにはトルコの複数の組織や一部の製品の輸入禁止、トルコからロシアへビザなしでの移動を認めていた方針の取り止めは来年から施行される。

同会議でエルドガンは、トルコ政府は対抗措置を検討する前に「忍耐強く、しかし感情的にならず」に行動すると述べている。しかしその一方で同会議の前には、トルコ政府は「私たちの任務を行ったこと」に対しては謝罪しない、とトルコのアフメト・ダウトオール首相は明言している。

プーチンとエルドガンはパリでの気候変動会議で会うことを希望していたものの、プーチンは月曜日には彼との会合は行われなかったと話している。



(翻訳終了)

****

【コメント】

画像は管理人の趣味で元の記事とは違います。ご了承下さい。

またRT(ロシアの国際的メディア)の記事が続いていますが、私は別に「ロシアの言い分が100%正しい!」と主張したいわけでもなく、単に日本では西側メディア経由のアメリカ寄りの国際ニュースがほとんどなので、バランスを取るために掲載しているだけです。

夫婦喧嘩で、妻の言い分だけを聞いて「夫は悪い人!」と思い込む前に、夫の言い分も聞いたほうが公平なのと同じかと。

私自身はRT系の情報をフォローするうちに、少なくとも自分にも関係のあるデモやイギリス・日本関連の情報ではRTの方がより公正で端的な情報を報道しているとは思っています。

このエルドリアンの自信の根拠がどこからきているのか、最新の情報を下にまとめました。


****



落下中のロシアのパイロット(Su-24)を銃撃をしたのは、トルコの元市長の息子だった
‘Turkmen’ Who Killed Russian Pilot Is Son Of Turkish Mayor
11月29日【RT】https://www.rt.com/news/323658-turkmen-commander-turkish-ultra/


下の動画で、「トルコ機によって撃墜されたロシア機のパイロットが落下中に銃撃した」と豪語している男性は、トルコの一地方の市長であった人物の息子でAlparslan Celikという男性だそうです。彼は超国家主義者だったことも判明しています。また、The Grey Wolvesという、政治的理由による殺人を行っているグループにも参加しているとか。


そういう人がシリアで「活動」していたんですね。

トルコはISISの石油だけでなく、テロリストも輸出していたとは(゜o゜)








****

そしてSputnik日本版では次のような記事がありました。内容はリンク先で。

シリア閣僚:Su-24はエルドアン大統領の息子の利益のために撃墜された
11月28日
http://jp.sputniknws.com/


【関連記事】
トルコ大統領息子とISが一緒にいる写真が流出・露パイロット一人は無事



こちらはあっさりした内容ですが、英語版のSputnikにはもっとぶっちゃけな推論が掲載されていました。


エロドガンの「無言の支援者達」:トルコのリーダーにSu-24を攻撃するようにたき付けたのは誰か? 

Erdogan's 'Silent Backers': Who Egged Turkish Leader to Attack Su-24?
11月28日http://sputniknews.com/politics/20151128/1030925194/erdogan-silent-backers-encourage-attack-su24-oil-nato.html より一部翻訳



「感情的に不安定なアメリカの国防長官とネオコンのRussophobe Ash Carterは、Su-24と救助ヘリコプターの墜落に何か関係があるのか?あるとしたらどんな役割が?イギリスの諜報機関は?イスラエルのIDF(イスラエル国防軍)やモサド(イスラエルの諜報機関)は?」




***


そしてパリの気候変動会議ではエルドガン大統領はやたら強気でしたが、その理由は?トルコがISISの石油取引にに関係していないという印象を与えようというつもりなのかと思われますが、こんな情報もあちこちに出回っていました。



トルコがシリア国内の過激派に武器を供与していたことを暴露したジャーナリストのうち、一人は死亡、三名は逮捕・収監

1 Journalist Dead, 3 More Arrested After Exposing Turkey Arming Syrian Extremists
11月28日【Anti-Media】http://theantimedia.org/1-journalist-dead-3-more-arrested-after-exposing-turkey-arming-syrian-extremists/



トルコ国内のCumhuriyetというメディアの編集長と人気の編集者一人が、逮捕されました。彼らが記事で、トルコ政府の諜報機関がシリアの過激派反乱部隊に武器を供与していたことを暴露したためで、容疑は「スパイ」と「国家反逆罪」です。二人はジャーナリストとしての仕事をしただけで逮捕されるのは不当だと主張しています
(11月26日http://www.todayszaman.com)。


もう一人はHüriyetというトルコのメディアのレポーターが逮捕されていますが、エロドガン大統領と思われる人物に対して中傷的な批判をしたことが理由です。しかし、彼の記事には大統領の名前もだされていませんでした。反体制な意見を表明したことで、5年4ヶ月の懲役刑が言い渡される可能性があるとのこと。


そして最後の一人はPressTV(イランの国営放送)のレポーターで、アメリカ国籍を持つSerena Shimという女性です。彼女は10月頃に反アサド武装勢力と武器の、トルコとの国境からシリア北部までの流れについて調査をしていました。




その時に、トルコの諜報機関(MiT)が彼女に関心を寄せ、周辺の住民に彼女がどこに住んでいるのか聞き取りをしています。彼女は「イスラム国に対する西側諸国の秘密の援助に関する証拠を発見」していたとされているからです。

しかし彼女はトルコ諜報機関から脅迫を受けた後、わずか数日後にトルコ南部に滞在していた際に、車の衝突事故で死亡しています。
しかも事故直後に彼女と車の同乗者はトルコの軍部によって40マイル離れた病院に搬送され、彼女のパスポートや結婚指輪も遺族の元に手渡されていません。

さらに具体的には「ISISのテロリストが国連世界食糧計画の車両をシリアに入国する際に護送トラックとして使用している証拠」だったそうですが、この証拠は彼女の死後も回収されることはありませんでした。

これについては、アメリカ人ジャーナリストが不審な死亡を遂げたにもかかわらず、アメリカではあまり報道されていなかったという不思議な情報もあります。

普通そういった事件があれば、アメリカのメディアは感情的に大騒ぎするようですが。。。



****


クルド人によるデモ活動の間、撮影をしていたRTのレポーターがトルコ警察の催涙ガスによって負傷

RT Reporter Tear Gassed by Turkish Police During Kurd Protests
11月30日http://sputniknews.com/world/20151130/1030993336/rt-reporter-gas.html


トルコでは
何年も暴動に近いデモが繰り返し行われており、催涙ガスや放水車での負傷者・死者もよく出ています。

また世界中のデモを報道していそうな勢いのRTですが、常に最前線で取材を行っています。




こちらは今年7月の動画で少し前のものですが、トルコのデモの様子です。


シリアとイラクに対するトルコ軍の空爆に反対する活動家がデモで警察官らと衝突、逮捕者も

Clashes, arrests as activists protest Turkish airstrikes in Syria & Iraq
  


トルコのデモ(暴動)とそれに対応する警察官の対応は、いつも見るたびにかなり過激です。



***


トルコには言論の自由も表現の自由もあまりないようです。

エルドガン大統領の「証拠があるなら出してみろ」発言の自信も、このような「情報漏えい防止」対策から来ているものなのでしょうね。それでもすでに、いろいろな情報は漏洩しまくっているようですが・・・