今回の事件でもやはり、すでにいろんな情報や推測が出回っています。

中にはたいした害の無いような噂もありますが、一部はやはり「煽り」目的かと思われるデマもありましたので、万が一、日本でも広まった場合に備えてこちらの記事をご紹介いたします。


【注】ツイッターの画像が表示されない場合は、ツイッターの日付部分をクリックするとご覧になれます。


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信じてはいけないパリ同時テロ関連のパリソーシャルメディア上の12の噂


Social Media Rumours About The Paris Attacks That You Shouldn’t Believe

11月14日【BuzzFeedNEWS】http://www.buzzfeed.com/tomphillips/paris-attacks-social-media-rumours?bffbnews&utm_term=.pipLdJQZA#.gsRo2bymjより翻訳




1. フランスのサイトJeuxVideoは、攻撃を予測していません。このスクリーンショットは偽物です。




パリ同時テロの直後に出回っていたこのスクリーンショットは、同サイトが11月5日に投稿したもので、「数日以内に」パリで100人以上殺害する攻撃を予測していたものとされているが、BuzzFeedフランスのサイトが報道している通り、この画像は修正されたものです。




実際のポスト上では、攻撃については一言も言及していません。






2.エッフェル塔の電飾は今回の犠牲者のためには消されていません。

「今回のパリ攻撃のため、エッフェル塔の電飾が消されました。( @SkyNews より)  ニューヨークポスト(@nypost)」
(ツイッターより)


エッフェル塔の電飾が消される動画は広くシェアされていましたが、これは実はシェリルエブド襲撃事件の直後の1月に撮影されたものでした。



Instagram / Via vine.co


さらに言えば、エッフェル塔の電飾は毎晩午前1時には消されています。



(エッフェル塔の公式サイトから引用したツイッター)






3. このバタクラン劇場で攻撃開始直前に撮影されたと言われているこの写真も、実はそうではありません。


写真に写っているのはバタクラン劇場で演奏していたEagles of Death Metalですが、この写真はFrance Infoが指摘している通り、金曜の夜のものではなく11月10日にダブリンで行われたギグの写真です。



(画像 France Infoより



#Paris. The horror. Photo inside the Bataclan before the shooting. :( pic.twitter.com/irrxZHGcqL




4.カレーの難民キャンプ、通称「ジャングル」で火災が発生したのは確かですが、これが報復によるものであるかどうかは確認されていません。

(カレーの火災が、パリの同時テロに対する報復だと主張するツイッター)


カレーのキャンプでの火災原因については現在、確定されていません。

「詳細は今のところ、よくわかっていません」と、私たちのサイトBuzzFeed Newsのインタビューに対し、支援ワーカーの一人が話しています。

この火災がパリ攻撃の報復攻撃としての放火であったという噂に対しては、現在のところ、証拠は見つかっていないのです。

また同キャンプ場で火災が発生したのは、過去数ヶ月の間にもあったことです。



(カレーでの火災の後の写真を投稿しているツイッター)





5. この写真は、フランス市民への団結の念を表明するためにドイツ人が行進を行ったものではありません。



ドイツのドレスデンで3月に行われた反イスラム主義グループ、ペギダ(Pegida)の行進の写真です。





6. テロリストの一部のソーシャルメディアのアカウントであるとして、画像が出回っていますが、政府当局は犯人の身元については何も公開していません。


(ツイッターのスクリーンショット)


フランス政府は犯人の身元については何も公開しておらず、これらの画像が正しいものかを確認することは不可能です。

前回の攻撃の直後にも、ソーシャルメディアおよびメディアの両方で、何の罪もない人たちの身元がテロリストだとされることが何度かありました。







7.フランスの銃の統制に関する法律についてドナルド・トランプがツイートしたのは1月の話で、今回の攻撃の反応としてではありませんでした。




共和党員で大統領候補者のトランプ氏は、このツイートが今回の攻撃に対して無神経な反応を行ったと勘違いした人たちから広く批判されています。

しかし実際には、これはシャルリエブド襲撃に対するトランプ氏の1月の反応でした(当時も無神経だとして批判されていましたが)。

在アメリカのフランス大使も、トランプ氏に批判した一人でしたが、現在は批判のツイートは削除しています。




(フランス大使のツイッター画像)



今回の攻撃に対するトランプ氏の反応は、こちらのツイートです。




「パリで起きた惨い攻撃の犠牲者と人質の方たちのために祈ります。
皆様が神とともにあられますよう
@realDonaldTrump」







8.広く出回っているエッフェル塔とピースサインが組み合わさったイメージ像は、バンクシーの作品ではありません。




この「バンクシー」と称しているツイッターアカウントは偽物のアカウントですが(プロフでは、「ファンのアカウント」としています)、他のアーティストの作品を誰の作品か説明せずにリツイートしていることがよくあります。


今回のエッフェル塔のイメージ画は、実際のところはJean Jullien氏というアーティストの作品です








9.エンパイヤー・ステート・ビルは電飾の色を変えていません。


複数のツイッターが、ニューヨークのエンパイヤー・ステート・ビルが金曜の夜、フランス国旗の色に変えられたと主張しています。

しかし現実には、この画像はシャルリエブド襲撃の後に、フランス市民との連携の念を表明するために行われたもので1月の画像です。




今回のパリ同時テロ攻撃の後は、電飾が完全に消されました。












10.パリ市内が空っぽになったと主張しているこの画像は、本当のところは20008年のアート作品でした。


(画像 ツイッターより)



パリ市の中心部にあるコンコルド広場の画像は、2008年に行われた「無言の目撃者(Silent Witness」」という名のアート作品の一部で、長時間露出で市の中心を撮影し、世界の終わりを表現した物でした。








11.パリ市民が路上に繰り出しているこの画像は、1月のシャルリエブド襲撃直後のものです。


(画像 ツイッターより)



1月の場合とは異なり、パリの市当局は、市民の大規模な集会や徹夜は避けるように勧告しています。







12. ウーバー(Uber)は攻撃の最中にタクシーの料金を急増していません。

(訳注:ウーバーとは、アメリカ合衆国の企業が提供している自動車配車ウェブサイト・アプリです)




ウーバーの価格システムは、需要が高いときにタクシー料金を上げるように設計されています。

同社は2014年のシドニーでのテロ攻撃の際、同社はタクシーの運転手がもっと路上に出てくるようにと価格を急上昇させたと豪語していますが、これにより暴利をむさぼったと非難を集める結果となりました。

しかし今回の事件では、ウーバーがパリ市内で金曜日の夜にタクシーの料金を急増させたという証拠はありません。同社は価格の急増を抑制し、サービスは続行させたと主張しています。






(翻訳終了)


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【関連情報】



デマ情報を見抜くための簡単なテク6つ 画像・動画編




【追記】

Facebook上では自分のプロフ写真をフランスの国旗風に変えてパリ市民との連携を表明する動きもすでに出ています。

確定ではないためかこちらの記事には記載がありませんが、今年の夏に同性愛者への支援を表明するとしてプロフの写真を虹色に加工するサービスもありましたよね。


(画像 Mirror紙





そのサービスは実は、Facebook上でよく行われている「リサーチ」の一つだったということが明らかにされていました(2015年6月 Mirror紙)。具体的には、Facebook上の情報が、どのように拡散されるかを調査するための大々的な実験だったということです。

別にたいした害はないかとは思いますが、念のため。



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