欧州版TPPに反対するデモに25万人が集結・しかしマスコミは小さく見せようと必死 ドイツ【動画】

[ Video] Quarter Million Germans Protest The TPP. MSM Tries To Play It Down.

10月15日【Anonymous】http://anonhq.com/video-quarter-million-germans-protest-tpp-msm-tries-play/ より翻訳




最近のドイツでのデモ・抗議活動は、あまりにも容易に「極右」や「移民の受入賛成」のようなカテゴリーに分類されているが、それにより視聴者や読者はキャッチフレーズだけを聞いて、ドイツでのデモ全体に同感することを止めてしまっているようだ。しかしマスコミがあなた達から隠そうとしているのは、今日まででも最大規模の抗議活動のテーマは、移民とはまったく別のものであった、ということである。

そう、25万人という力強いデモが起こされたのは、私たちのみなが心から重要視している問題、つまり環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)に対してなのである。秘密の貿易協定であるが、しかし一部の情報は漏洩され、私たち市民の知るところとなっている。

同協定では、各国の権限に優先する企業が支配する採決機関が設置されることになっており、企業が罰金を課したり、あるいは企業の利益を損なわせる可能性のあるような政府の決定を無効にすることが認められており、多数の人間の生活を破壊するということが、わずかながら漏洩された情報によって明らかにされた。


裁判官は大企業自身によって選出され、訴訟の当事者らは裁定機関に対して内密に審議するよう求めることさえ可能になっているという。まるでTTIP自体の制定過程と同じようではないか!

ドイツの市民がこれほどに怒り、マスコミがこの超巨大な抗議活動をほとんど報道していない理由をご理解いただけたであろうか?ロイターの記事がデモの参加者にインタビューを行っている。

デモの参加者に対するスピーチで、市民運動団体Campactの責任者であるChristoph Bautz氏は次のように述べている。

「ドイツで行われた抗議活動の中でも、このデモは何年もの間で最大のものです」

Oliver Zloty氏:

「私が一番気にしているのは、消費者としての私たちを保護する法律が緩和される、ということです」

「また、企業などに独裁権力を与えることも望んでいません」


デモ行進に参加していたドイツの左翼党ディートマー・バーチュ副党首は、協議の周辺における透明性の欠如に対して懸念していると言う。

「私たちは同協定に関し、決定されているとされていることを知る必要が絶対的にあります」


このような懸念を打ち消そうとしてだろうか、上記インタビューの直後にロイターはある企業の代表のインタビューに切り替えている。そこで代表は気持ちを落ち着けるようなトーンで、「共通のスタンダード」の利点や、魂を犠牲にしてもロシア・中国に立ち向かう必要性があると述べていた。あたかも、TTIPという条約はそれだけが目的であるかのように。

このデモの重大性は、同協定の他の締結国にとって学ぶべきものであろう。特に私たち「陰謀論者」が、キム・カーダシアン(アメリカのモデル・女優)のお尻の大きさよりも明確に重要性の低い問題について騒ぎ立てているアメリカでは特に学ぶところが大きいはずだ。

ドイツの首脳陣は、抗議活動の規模に面食らったことはたしかである。ロイターでは、抵抗の規模が「アンゲラ・メルケル政権を驚愕させ、TTIP協定に対して好意的に動いた場合に同政権が直面するであろうチャレンジを浮き彫りにさせた。しかしTTIPの支持者は、同協定により8億の市場を創出され、中国の経済力に対する拮抗勢力となりうるとしている」とまとめられていた。


土曜に、複数の新聞に掲載された1ページ全面を使った書簡で、ジグマール・ガブリエル経済・エネルギー相は「恐怖を盛り上げるデマ」に対する警告を発し、次のような文面を記した。

「成長を続ける世界的貿易に対し、新しく製品のスタンダードを設定することのできるチャンスを手にしています。意欲的に環境面や消費者のための基準を定め、投資や労働者にとって公平な条件を設定することができるのです。これこそが私たちの目的であるべきでしょう」


ドイツ工業連盟(BDI)のUlrich Grillo会長は次のような声明文を公開している。

「公平で包括的な自由貿易協定は、欧州内での成長および繁栄をもたらします。明日の世界貿易のための規定に、私たちも積極的に参加するべきです」

マスコミがここで事実を捻じ曲げていると言ったら、私は不公平になると思われるだろうか?
マスコミの見出しタイトルの一部をご覧いただきたい。


タイム・マガジン  「TPPはアメリカとオバマのレガシーに望ましい
ワシントン・ポスト 「TTPは祝われるべき貿易協定


またここで、今回のデモの様子を写したマスコミの動画と、RT版の動画を比較してみよう。


私は以前にもギリシャのデモで同様の比較を行っているが、偏向っぷりは笑えるほど明白である。

こちらがマスコミ(ロイター)の偏向特集で、より小さい群集や路上の個人に焦点を合わせ、デモの群集が小さく見えるようにされているもの。

https://youtu.be/SO9xhozUgyQ


そしてこちらが、25万人強の群集が実際にはどう見えるかをとらえたRTの報道だ。ある程度の距離を開けることで、実際の人数が強調されている。



Germany: Thousands protest against TTIP in Berlin





この記事の参照元:
Zero Hedge, Yahoo News, The Guardian, Huff Post



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【コメント】

翻訳元の原文ではTPPとされていますが、ドイツですので訳文ではTTIPに変更してあります。内容はかなり似たようなものでアメリカと欧州間の自由貿易協定で、TTIPも欧州では各国で大規模な反対運動が起きています。

私もイギリスで開催されたデモでは、イギリスのメディアとRTの報道の違いを見て楽しんでいます。


日本の大規模なデモについても、当方で何度かRTの記事を取り上げています。
大規模なデモがあっても、日本のメディアが無視・軽視している場合も多い中で、実際にデモに参加された方にはRT以外のマスコミの報道の偏向っぷりがよくご理解いただけるかと思います。

デモの規模を小さく見せようと必死、というのも各国共通のようですね(^_^;)