日本の自衛隊でも、この「ゾンビ薬」ラリアムが危険性を承知の上で使用されているようで、他人事ではないようです。


海外に派遣される自衛隊員への抗マラリア薬「塩酸メフロキン」予防投与の実態と副作用に関する質問主意書(防衛省・自衛隊HP)




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「ゾンビ・ドラッグ」ラリアム摂取後に、イギリスの兵士1,000人が精神科送りに

1,000 British soldiers given psychiatric help after consuming ‘zombie drug’ – new figures


4月16日【RT】http://www.rt.com/uk/250169-lariam-mod-mental-illness/ より翻訳


(画像 Reuters / Nigel Roddis / Reuters             )


イギリス軍部は、所属の兵士精神衛生の保護に失敗し非難を受けることになった。新しい調査によると、英国防省が安価なマラリア予防薬ラリアムを投与した後に、精神科による治療を受けた兵士は1,000人近くにのぼるというのだ。

2008年以降、精神科医・精神病院に収容された軍務従事者は994人と、当初の予想をはるかに超える実情が、情報公開法の要求により明らかにされた。

この統計は過去は2007年までを対象にしたもので、ラリアム(Lariam、別名メフロキンmefloquine)はそれ以前から使用されており、実際の数字はずっと高いものであると考えられる。

軍隊に与えられている投薬の一つであるラリアムが、国防軍内の精神病の大流行の原因であるという懸念がある中でも、国防省は一貫してこの薬を弁護し続けている。しかし軍部高官や活動家、影響を受けた兵士の親族などからの圧力は強くなる一方だ。




アメリカの特殊部隊が2年前に禁止したラリアムは、イギリス軍部
ではパイロットや運転手への投与は避けられてはいるものの、一般兵士には依然として配給され続けている。

2012年、アフガニスタンのパンジュワイで、アメリカ人兵士がラリアムを摂った後に17人のアフガニスタンの一般人(うち子供9人)を大量虐殺しており、このマラリア予防薬との関連性を示す証拠があるにもかかわらず使用され続けているのである。

一等軍曹のRobert Balesはその後、終身刑が科せられた。


この医薬品の製造企業であるロシュ社(Roche)の内部報告書では、この大量殺戮は「副作用」であったと記されている。

ロシュ社自身は、この医薬品の副作用には、「幻覚、精神障害、自殺、自殺願望、自己を危険に晒す行動」などがあり、さらに「一連の精神神経疾患」も誘発する可能性があると敗北を認めている。


軍務中にこの薬品を摂取した英国の退役軍司令官が現在、警備された精神科病棟に収容されていることが発覚し、上記のデータが明らかにされたものである。

ボスニアでは、アレスター・ダンカン少将は英国軍の指揮権を取っていた。

彼の妻、エレンさんがIndependent紙に次のように語っている。

「他の人と同じように、私もこれはスキャンダルだと思いました。もし1,000人の兵士が効果を報告しているとしたら、報告していないものも必ずいるに違いありません。私は個人的に数人、そして他聞によればもっと数多くそのような兵士がいるのを知っています」

「これから来る数年の間に、この医薬品の長期的な効果が証明されることになるでしょう」



彼女曰く、国防省は「この副産物の対応が、驚くほど準備できていない」ということだ。

2012年、アメリカ陸軍の伝染病学者のRemington Nevin博士は、自らの研究でラリアムは脳に対する毒性がある可能性があるとDaily Mail紙に話している。

「メフロキンはゾンビの薬です。危険で、何年も前に潰されておくべきでした」

同博士は、ラリアムは「軍用としては最もふさわしくないであろうと思われる医薬品」であったとし、この副作用は、戦闘ストレス反応の症状とよく一致している、と話している。

この薬品が依然として使用されている理由を考えるに当たり、一人の元軍事指令官は、福祉よりも経済の問題ではないかと推測している。

フォークランド紛争の間、第三奇襲部隊(3 Commando Brigade)を率いていた元海軍少将のジュリアン・トンプソン氏は、Independent紙に対し次のように話している。

「国防省には大量のラリアムの補給品があり、国防省内の一部の『地上勤務』で業務命令に従うだけの人間が、経費削減の手段として、代替の医薬品が購入される前に、在庫のラリアムを消費することを命令したのではないか、という結論しか思いつきません」


ドキシサイクリンやマラロンなどの他のマラリア予防薬よりも、ラリアムは際立って安価だ。

国防省の広報官:

「私たちのすべての医学的アドバイスは、イングランド公衆衛生サービスが設定している現在のガイドラインに基づいたものです」

「専門家からの助言により、国防省はメフロキン(ラリアム)を推奨のマラリア予防法の一部として処方し続けます。これにより、私たちの職員をマラリアから保護する手助けとなりますから」



今回の新事実の暴露を受けた労働党は、5月の総選挙で与党の座についた場合には、ラリアムの使用の影響に、全体的に対処することを約束している。

影の内閣国防長官Vernon Coaker氏は、チャンネル4に対して次のように話している。

「ラリアムによって起こされた可能性のある被害の証拠が増え続けていることを受け、私たち(労働党が)次期政権を形成した場合には、即座にこの医薬品の使用について再検討することを約束いたします」





【関連記事】アフガニスタンでの大量虐殺の後、悪名の高い薬を陸軍が再検証(英語)

【関連記事】 1日に6人の退役軍人が外傷後ストレス反応(PTS)の治療を求めている(軍事関連チャリティー)(英語)





(翻訳終了)


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【コメント】


こちらは今年の春の記事なのですが、今頃になって翻訳していたらちょうど、今日のBBCに新しいニュースがありました。


8月17日【BBC】Call for Army to stop using malaria drug mefloquine

保守党の政治家が、市民から大量の手紙でこのラリアムの苦情を受け、この使用を即座に停止するように要求しているようですが、国防省からの反応はこの記事とまったく同じものでした。

そして国防省はラリアムを在庫として11,500箱以上所有しているとのこと。


「愛国心」に駆られ、あるいは家庭が貧しいために他の選択もなく兵士になったイギリスの若者たちは過酷な戦場に送り込まれ、それだけでも精神が参りそうなものですが、その上人体実験と在庫処理なのか、このような強烈な副作用のある薬を与えられているなんて開いた口がふさがりません。

また、上記の精神科の治療が必要になった兵士の数はあくまでもラリアムとの関連性が高い兵士に限定されたもので、実際に精神を病んでいる退役軍人の数はこれをはるかに超えるものです。しかも知人の話などからは、政府はとても十分に面倒をみているとは言えない状況のようです。






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