めずらしく暑かった夏至の6月21日(土)、ロンドンで規模なデモが開催されました。
このデモは、主に「People's Assembly against Austerity」という緊縮財政に反対する様々な団体が、反対活動を目的に緒関係団体を統合して主催したものです。
(動画:当日のデモの様子 「March Against Austerity」)
この団体を支援している団体の中には、NHS(イギリスの国営医療機関)の民営化に反対するグループ、反戦の複数のグループ、グリーン党(政党)、労働連合やそれを統合した団体、教員労働組合などが含まれてます。(リスト一覧)
うちの近所に住む、アノニマスで活動家、自覚はないけどかなりアナーキストなママ友も、変革を求める団体を立ち上げており、この団体も参加していました。(私も行く気満々だったのが、家族の体調が悪く、断念しましたが・・・)
この団体は、マーチの前に夏至を祝ってレスター・スクエアの公園で瞑想の会をしたり、海洋生物の保護を訴えて、海洋生物やビーチな格好をしてロンドンの地下鉄を動き回るFLASH MOBというなんとも楽しい活動を展開していました。
銅像もビーチ仕様に★
その後は、BBC本部の前で People's Assembly のデモ隊と合流。
イギリスのメディア・Guardian 紙によると、その時点でデモの参加者はなんと50,000人に到達していたそうです。
(写真:wave of action uk より)
そして、BBC本部前からマーチを始めたデモ隊が国会議事堂前(有名なビッグ・ベンの建物)まで到着した際に、諸団体からいろんな方が出て、政府の緊縮財政に対してそれぞれの立場から素晴らしいスピーチを行っています。
中でも一番、注目を集めたのは最後に出たラッセル・ブランドです。イギリスの大手メディアのガーディアン紙は彼のスピーチを最初に報道しています。
6月21日【the Guardian】
「連立政権による財政緊縮政策に反対するデモに何万人もが集まる
(Tens of thousands march in London against coalition's austerity measures)」
この記事では、そういった他の方のスピーチがほとんど無視され、ラッセル・ブランドにばかり焦点がいっているのが残念ですが、話題性ということを考えてのことでしょう。
しかし少なくともBBCの報道よりは何千倍も優れた記事になっています。
しかも、BBCがこれを報道したのは、最初は一切このデモを視していたBBCに対し、多くの活動家が正式なフォームで苦情を入れたから、渋々報道したようです。言ってみるものですね)
上記のガーディアン紙の伝えるところによると、ラッセル・ブランドは、次のようにスピーチを行ったとしています。
「この建物(下院)の中にいる人たちは、一般的に言いますと、私たちを代表してなどいません。彼らは、大企業を所有する自分の友達の代表をしているのです。私たちの力を取り戻す時ではないでしょうか」
「これは、平和で努力のいらない楽しい革命になるでしょうし、また私はPeople's Assemblyに参加することができて感謝しています」
「権力はあそこ(国会)にはありません。力はここ、私たちの中にあります」
「必要とされている革命は過激的なアイディアの革命ではありません。
そうではなく、私たちがすでに持っているアイディアを実行することによる、革命なのです」
「Russell Brand Calls for "Joyful Revolution" 」
・・・そして、サービスのつもりか、シャツを脱いで上半身裸になっています。
自分大好き感、満点ですね(笑)
Facebookのグループ上に掲載されたラッセル・ブランドの動画に対し、「でも、彼って権力側とつながってるじゃない?」というコメントに対し、友人の所属団体は次のようにコメントを返しています。
「ところで、ラッセル・ブランドは終わる5分前に来て、ぱっと即興でスピーチをしたんですよ。何万人もがラッセルを見にきたわけでもないでしょう。(略)
私たちが集まったのは、彼を見るためではなく、緊縮財政に反対して立ち上がるためにです。
私たちが見たのは、一人の男が数分話したというだけのもので、その前には素晴らしいスピーチもたくさんありました。この動画をシェアしたのは、デモの直後に動画がいくつかあったからというだけです(笑)
解決策がなかったって?誰がラッセル・ブランドから解決策を出してもらいたいものでしょうか。。。これはみんなが共同して努力するべきもので、一人の人間のする仕事ではありません。
どのセレブが誰とセックスしているかなんて、私はぜんぜん知りませんし、まったく気にしてもいません。どうでもいいものは読んだりしないからです。
なぜ彼が何かを暴露するはずなど、あると思うんですか。
ラッセル・ブランドの仕事は、ちょっと俳優をしたり、ジョークを言ったりすることだと思っていましたが。(略)もう、改宗した人に説教をしてもほとんど意味がないでしょう。
私たちはもっと人数が必要で、政治的問題にあまり関心のない人に興味を持ってもらうために彼は理想的だったでしょう。カルト宗教じゃないんですから。
家のリビングルームに座って、みんながトカゲだという恐怖の中で、イルミナティ探しでもしていたらよいのですか?
私は外に出て、何か変化を作るように挑戦している方がよほどいいんです!」
・・・この辺が、「陰謀論者」と「革命家(活動家)」の違いなんでしょうね。
私はどっちもおもしろいと思いますけどね
ちなみに、デモを主催した団体のスポークスマンは、
「これはただの、始まりにすぎません。これから、もっとデモをやっていきます」
と話しています。