アイスランドの「バンクスター(銀行家)」らがカウプシング銀行での不正行為で懲役刑に


(Icelandic 'banksters' get jail time over Kaupthing fraud)



12月13日【RT】http://rt.com/business/iceland-jail-kaupthing-bosses-186/  より翻訳



破綻したアイスランドのカウプシング(Kaupthing)銀行の責任者4名に対し、3年から5年の懲役刑が下され、裁判費用として数百万ポンドの支払いを命ぜられた。アイスランド国内で最大であった当銀行が2008年10月に破たんする以前に行った不正行為に対して有罪判決を受けたためだ。これはアイスランド史上で、金融不祥事に対する刑罰としては最大のものである。


カタールの投資家がカウプシング銀行自身から違法に融資を受け、その資金で同行の株式保有比率5.1%を購入したことを隠匿していたことに対し、これらの銀行家らが告訴を受けたものだ。


カウプシング銀行元頭取Hreidar Mar Sigurdssonに対しては5年半、Sigurdur Einarsson会長には5年、オーナーのOlafur Olafssonには3年、そしてルクセンブルグ支店の財務担当重役Magnus Gudmundssonは3年半の懲役刑がそれぞれ言い渡された。

カタールとの取引は、2008年10月の同行が巨大な負債のために破たんした1、2週間前に行われた。

5年前、カウプシング銀行や他のアイスランドの銀行、Landsbanki銀行 やGlitnir銀行は破たん寸前であった。これらの銀行は顧客のクレジットを確保するために金融市場から資金を借り入れていたが、2008年には借入額がアイスランドの国内総生産の6倍以上にまで膨れ上がっていた。



●大手銀行は安く罪から逃れがち

世界の金融業者の「いわゆる危機以前の不正行為」を精密に調査してみると、ヨーロッパやアメリカの銀行はこれまでのところ、アイスランドのケースと比較すると安く罪から逃れているようだ。

世界の最大級の銀行の一部に対しては、記録的な罰金が科せられることになるが、取締機関によって与えられた刑罰はすべて金銭的なものばかりで、銀行上層部の者はこれまでのところ責任を逃れ続けてきていた。

先週、欧州委員会は6つの大手銀行が、世界経済に対し重要な役割を果たす貸出利率(プライムレート)を操作したことに対し、17億ユーロという記録的な罰金で攻撃した。

11月に最も大きな罰金刑を受けたのはJPモーガン・チェース社で、米国の財政危機以前に「悪質な貸付」を行ったことに対して130億ドルの支払いに合意している。
 


(翻訳終了)


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【コメント】




11月25日には、イギリスでも

「発展も可能だった企業を債務不履行に押しやった銀行家を檻にぶちこめ!(Jail Bankers who forced viable firms to default)」

という見出しが新聞の一面を飾っていたので、その新聞を買ってみたところでした。(上の写真)



アイスランドの革命については↓


「アイスランド革命 #keizai 借金奴隷金融制度からの脱却 #IMF」




アイスランドでは無血革命が起こってから、かなり熱いですね。

普通の人が確実に罰せられるような行為も、銀行などは通常は手厚く保護されていて、あまりこのような懲役刑(しかも執行猶予なし)を受けることは稀ですが、被害の大きさを考えると妥当な判決ではないでしょうか。

歌手のビョークもこの銀行に預けていた預金をすべて失ったそうです。

被害を受けた人にしてみたら、これでも十分ではないかもしれませんけどね。



こういった「銀行は何をしてもせいぜい罰金刑で済む」という常識も、変わってきているのかもしれません。