酒井若菜オフィシャルブログ「ネオン堂」Powered by Ameba-IMG_9180.jpg


本棚を見ればその人が分かる。

とはよく言ったもので、私の本棚は、歴史書や辞典、古典文学など気難しい書物で溢れかえっていた。
学生時分、勉強が苦手で決して賢いとは言えなかった私が、唯一幼少の頃から好きだった読書を通して、卒業後にそれなりに勉強してきた、という証。
ここ数年は、漫画や洋書も少しずつ増え、バランス的には最高の本棚だったと思う。

私は時々、全てをリセットしてしまう癖がある。
三年前は、衝動に任せて、うっかり芸能界をやめ、うっかりマンションの退去届けを出し、うっかりケータイ電話を捨てた。

予定調和、という言葉が私の辞書にはない。
物や事に対しての執着心がまるでない。

そんな私が捨てられなかったもの。

それが、本。

最近ずっと断捨離をしていたことは先日のブログに書いたけれど、何せ物への執着心がないので、あっという間に部屋の荷物が3分の1程度になった。
が、それは本を抜きにした場合。
酒井家の荷物の大半は、本。
本がある限り、酒井家は本という名の歴史、過去に支配されたまま。

私の自宅には通称「本部屋」があって、友人達の中には、我が家にくると、リビングではなく本部屋に閉じこもって、飽きるまで本を読んで勝手に帰る、という完全に酒井家を図書館代わりにしているツワモノがいたくらい、多種多様のえげつない量の本が揃っていた。

私はとにかくリセットがしたかった。

本は私の歴史。
大切な記録。

何冊あるんだろ、とおもむろに数え始めた。
1000冊まで数えたところで数えるのをやめた。
キリがないな、と思った。
一冊一冊に、思い入れがある。
だから、バイバイを決めた。
リセットという言葉に打ってつけの、バイバイ。

震災で壊れた本棚も、この際バイバイ。
小さな備えつけの棚を空けて、そこに200と数十冊程度の本をつめたら、すっぽり収まった。
おかげで酒井家ガランガラン。

残した本のうち、半分は漫画。
以前の私には考えられないセレクト。
あとは折り目だらけの文庫や特別な本。

正直に言おう。
本離れをした理由には、読みたい本が一向に新刊で出ないから、読書意欲がなくなってきてしまった、ということが多分に影響している。
同じ本を読み返すか、買っても昔に書かれた純文学。

ヒキの強いインパクト系より、売れなくても誰かの「宝物」になるような心に残る本が新刊で読みたい。

出版もテレビ同様、厳しい時代なのは承知の上。
でもだからこそ、メディアは夢物語を創るものなのでは、と思うんだ。

売れるものより、残るもの。

ビバ夢心地。

そんな骨太な優しい作品に会いたい。
現実を生きてる人間に、現実を諭しても意味ないから(環境問題とかは別)。

今の私の小さな本棚には、ワンピースや司馬作品、マボロシの鳥や宮沢賢治、ロックウェルや星野富弘さんの画集など、キューと心臓が鳴る作品しかない。
自分の本棚の中に、宝物が十分にあった幸せ。
他の過去は捨てた。
だって、そうは言いつつ、今後も新刊が本棚を埋めていくだろう事実は否めないから。

なくなりゃ欲しくなるんだよ、きっと。

意欲を高めるためにも、一旦リセット。
そして、リセット成功。

今私は、とても清々しい気分だ。

新刊への期待を込めて。


割とね、月並みだけど「明日死ぬと思ったら何でもできる」を日常でやってる人間でね、私。
相手の都合を考慮して我慢することも覚えたけれど、自分の夢や願いに関しては基本的に「やらずに後悔」とは無縁の生活でね。
本能に忠実なんです。
特に今年は、本能を大事にする、とブログで宣言したし。

何かしようとするとき「やめな」とアドバイスをもらっても、実行しちゃって、失敗して、「だから言ったじゃん!」と怒られて、死ぬほど落ち込んで、でも死ぬわけなくて、最後は「頑張れることは全部やった!」と納得する。

やらずに後悔なんて、あり得ない。
一歩が踏み出せない、なんて悩んだりしない。
悩んでいる間に五歩は進める、と思ってしまう。

120歳まで生きたい私には、あと90年しかないんだもん。
躊躇してる時間はないの。

間違えたら、ちゃんと反省して、リスタート。

失敗しない人生なんて、絶対ないもの。

要らないモノが増えたら、物でも事でも思考でも記憶でも、ちゃんとお礼を言って、リセット!

そんくらいがちょうどいい。


そういえば、そんなことを考えていた夏、やり残したことはないかと真剣に考えていた私。
「君はペット」という7、8年前のドラマに出ていた若手出演者で、当時マギー兄ちゃんにコインケースをプレゼントしたのだけれど、去年だか一昨年だか兄ちゃんに会ったとき、ボロボロになったそれをまだ使ってくれていたことを思い出した。
で、新しいコインケースをすぐに買いに行って、自宅に送りつけてしまった。
八月のこと。
ちなみに兄ちゃんの誕生日、五月。
もし私が兄ちゃんなら、数年ぶりに、しかも誕生日の三ヶ月後に、突然プレゼントが届いたら、結構、いや、相当、気味が悪い(笑)
私なら、とりあえず法律を調べて、パトロールを頼むか検討する。

兄ちゃん、ごめん…

うん、あんまりオススメできないな、この生き方。


さて、ずいぶんと長い間更新せずにスミマセンでした。

パソコンが動かなくなって、ここ2ヶ月くらいiPhoneでブログを書いていたのですが、ある日「ウォーリーを探せ」のアプリを落としてしまってね、この一ヶ月、ずっとウォーリーを探してました。

体調不良でも、心を痛めていたわけでもなく、ただただ探してたんです、ウォーリーを。
全然見つからないんだもの、あの人。
まいったわよ、ほんとに。


心配、労りの言葉をメッセージしてくださった皆さん、ほんとにありがとうございました。
そして、あの紅白ボーダー丸メガネの惑わせ上手なお兄さんに夢中になってしまってスミマセン。

いつまでも
探すと思うな
ウォーリーよ

この句を肝に銘じて、これからはなるべく探さないように気をつける所存です。


写真は、私のお家にある糸。
刺繍とか裁縫、昔から好きでね。
美人でしょ、私んちの糸たち。


皆さんお元気ですか?

私は元気です


ごきげんよう