とらぶろす2人展『Deconstruction by chance operation』 | wajiajia

wajiajia

Atelier & Folkcraft shop

『こうふのまちの芸術祭』に先立って
本日18日より久々の地下展示会が始まります!

『とらぶろす』とは

高橋辰雄+高橋裕親子による

現代美術と実験音楽のユニットです

目と耳で感じて楽しめる展示になっております


地下への階段を降りて行くと

胎内のような不思議な空間へ迷い込む感じで

空気感もがらりと変わるので本当に異空間です


近づいて作品をじっくり見たり

階段の上からみたり座ってみたり

ぜひじっくりと色々な角度からご覧下さい!



以下高橋辰雄さんよりコメントです

↓  ↓  ↓  ↓

 「とらぶろす」2 人展 第3弾! ~  Deconstruction by chance operation [再生する家 / ガレキの中から生まれるもの] ~

   
 暑さの中にも晩夏の兆し、秋が待遠しい季節です。知る人ぞ知る迷宮カフェ「わじあじあ」の地下カーブへようこそ! 
「とらぶろす」2人展~Deconstruction by chance operation [再生する家 / ガレキの中から生まれるもの] の会場へお出で頂き、誠にありがとうます。
「とらぶろす」は、現代美術の高橋辰雄と実験音楽の高橋裕の親子ユニット、今回は、昨年の夏の「対話しようとする音」に続く第3弾の発表です。甲府市郊外のカフェ「わじあじあ」の地下スペースを会場に繰り広げられる、3,11東日本大震災後のリアクションのひとつ。前回は高橋裕のサウンド・インスタレーションがリードしましたが、今回は高橋辰雄が空間表現がリード、「破壊と再生」のイメージに高橋裕の不思議な電子音を重ねたコラボレーションです。

 当初のイメージは「ガレキの中のコンテナハウス」。ジャンク・カフェとも言える、一見かなり緩い造りに見えるコンテナハウスが、意外と強い構造を持っているのではないか。舞台となるコンテナのベースが震災で崩れ流されたら、そのカタチと営みが、どんな姿で再生するかを考えようとしたのがきっかけでした。未曾有の震災と原発事故後の現実に、表現者としてリアルなアクションが求められています。皮相的なヒューマンな言説だけがまかり通るメディアも、何か変です。ガレキの風景を上空から眺めれば、私には、「災害の爪痕もまた自然の営みのひとつの姿」に見えます。更に、見えない放射線の禍いは次元を異にした問題を未来に向け投げかけています。眼前に広がるガレキの風景を、我々はどうとらえたらいいのでしょう? 

 共同で作業を進めるうち、イメージは更に「ガレキの中から生まれるもの」へと広がり、サブタイトルは「再生する家/ガレキの中から生まれるもの」としました。崩れ、流される。壊れる、破壊される。とはどう言うことなのでしょう。身体の傷が治癒するように、やがて復興され、再生するとはどう言うことなのでしょうか。そもそも正常のカタチとは何なのか、日常の安堵する営みとは何なのかを、考えざるを得ません。病んでいる人間の危うい精神、壊れかけた内なる家の再生、都市のダイナミズムと深い闇など、ずっと考え来たことも重ね合わせたテーマです。この災害を契機にして、露わになった日常の亀裂を、美術(絵画的インスタレーション3点)と電子音楽のコラボレーションによって表現します。

 ふと日頃の雑事と喧噪を忘れて、地下の暗闇をゆっくりと覗いて頂きたく、ご案内申しあげる次第です。

(作品写真「廃墟となった遊園地」付きDMを添付いたしました。詳細をお問い合わせください(tel  055 -232-7603 ))
  
                                                                             
 ●高橋辰雄
美術家&ライター。1952年甲府市生まれ。山梨大学工学部計算機科学科卒業後、改めて、Bゼミschool、創造のアトリエ(横浜)に学ぶ。 大学に戻りしばし研究生として過ごしながら、再び上京し新日本文学会文学学校に学ぶ。'80年代以降は活動拠点を地元に置き、<絵画のプラクシス><環境芸術ワークショップ>を主宰、山梨、東京、静岡、横浜で作品を発表し続ける。美術活動と共に、都市と村落の民俗に興味を抱いて、県内の街町と山間地を隈無く踏査。09に現代美術と実験音楽のユニット「とらぶろす」を息子・高橋裕と結成する。地域に取材したエッセイ「濁川余話」「山の辺残照」「人がつくる家・家がつくるドラマ」を地元誌に連載するなど、多彩な活動を展開している。


 ●高橋裕
1986年甲府市生まれ、その長男。幼少より音楽に親しみピアノ、サックスを演奏。東北大学理学部で物理学を専攻した後、IAMAS(情報科学芸術大学院大学)に進学、スタジオ2(time based media)にて、電子音楽、作曲、メディア・アートを学ぶ。修士論文『不協和度解析に基づいた作曲の試み』、ガムラン曲『ラグドリアンに落ちる粒』ピアノ曲『at the moment』『in the moment』等を発表。終了後も引き続き研究生として、作曲家・三輪眞弘について現代音楽を学ぶ。父子のセッションは学部生の頃から数回に及び、現在は2人のコラボレーションは、「とらぶろす」として展開。'11年より東京在住、未来に向けた芸術理論の基礎研究を目指しながらも、現実の生活に奔走中である。


 ●とらぶろす( TORA Bros.)
2011年の春から、各々の活動と併行して行う様々な表現を「とらぶろす」として展開している。時に応じてどちらかがメインになりリード、テーマを共有し、現代美術と実験音楽の境界を行き来し、最先端の表現領域でパフォーマンス目指している。今回は、沖縄時間美術館(沖縄)、富雪ギャラリー(山梨)に続く、第3弾の発表となる。




                                                                9/18  2011 PRAXIS 高橋辰雄