打製ものにありがちな贋です
こちらもそうした特長がよく現れたものです
まず鋳造写しを作り打製の特徴を出すために叩きますが本物のように1打~多くても3~4打で打ち上げられておらず小さく小さく何回も叩いている(いわゆる彫金製作)のが特徴です
文字など叩かれていないところに特徴が出やすいのでこうした特長を覚えておくと贋を掴む確立はぐっと下がります
内輪~小さく小さくハンマーが入っていることが良くわかります
クランプ痕でしょうか?
丸内側(郭方向)はほとんど叩かれていませんでした
ココを何のために残したのか、、、本物でもこうした形状の何かがあるのか?
なにぶん本物はまずめったなことでは出てこないレア銭、、、以前某資料館でちょっと見せていただいたことがあるのですが、その頃はまだ古金銀のデータを集める前だったため何となく見ただけで、今思うとせめて撮影だけでもしておけば・・・・と後悔いたしております
皮膜ですが、鉄錆を凝着させたものでした
贋小判などの金錆風の着錆技法です
本品のスペクトル
分析の結果第二期以降精錬材であることが判明
現代の同等品位(18K製品)スペクトル
もちろん電解精錬材です(第二期以降)
本品地金露出部極皮データ
炭素は鉄錆焼付け時に全体に付着したカーボンです
俗にグリーンゴールドと呼ばれます 割り金に銀のみ混入されたものです
数%とはいえ若干品位は異なりますが 本品と現代18Kグリーンゴールドのスペクトルを重ねてみました
まさにぴったり合致しています
江戸期のグリーンゴールド(割り金としては銀のみ、、検出の銅は自然混入分)
他微量元素の含有比もまるで異なります
こちらは古式精製ですので当然ですが・・・・
こうしたものが公然と100万円越えで取引されている収集界・・・
何とかならないものでしょうかね・・・
このままでは20年後には現在の収集品のほとんどはただのクズと化してしまう恐れも否定できません
下は以前参考品としてご紹介いたしたもの(打製写し)ですが、江戸の時代からこうした写し物はたくさん作られてきたようです
しかし今回のものはそうした古い写しではなく極々最近(戦後)に作られましたもので明らかに誰かを騙そうとして製作されたものなのでしょう。。。
改めて叩いて打製色を強調され、仕上げに時代感を出す金錆風の加工が施されたものですのビギナーやあまり詳しくないコイン商あたりですと簡単に騙されてしまうでしょう
銅の錆と異なり金錆、銀錆は人為的に付けられたものと自然発錆を見極めるのは非常に難しいです
安易に金錆があるから本物、、などとお考えにならないようご注意ください
まして、写真のみで判断しなくてはならないオークションの場合画像からすべての情報を得るのは絶対に不可能です
勉強代?というにはあまりにも・・・
真贋不明ということだったらしいですが、法的には購入者が本物と信じ購入したものがそうでなかった場合など返金請求権はございます
泣き寝入りはしてほしくないですね。。。