大阪の大東市で小学校5年生の男の子が自殺したそうだ

遺族によると、遺書らしきメモには「どうか一つのちいさな命とひきかえに、とうはいごうを中止してください」と記されていたとのことだ。

ここしばらくのマスメディアの報道によって、ちょっと頭のいい子供だったら、自殺をすればマスコミも騒ぐし、行政も動くということを学習させてしまったのだろう

何も考えずに、「正義の味方」として、自殺を美化し、加害者をボロクソに叩く(自殺報道としてはやってはいけないこととして、ガイドラインにも明示されているのだが)マスコミの姿勢が、こんな幼い命を奪ったとしたら、本当にやるせない事件である

さらなる命を奪わないためにも、これによってマスコミが騒いだり、小学校の統廃合を再検討するなどということにならないでほしい

こういうものは、自殺でなく、住民運動や選挙によって勝ち得るべきものだ

住民運動や選挙より、人の死によって行政が動くというのは、民主主義の破壊でもある

昨日は、とある会合で、財務省の偉いさんと一緒になった

さらなる円安が進むという予測(おそらく確実に当たるだろう)だったが、私が100円では利かずに120円くらいまでどんどん進んで日本経済に逆の悪影響を与える心配を話したら、「円高を止めるのは難しいが、円安を止めるのは簡単」とのことだった

要するに、円高の場合、そのほうが海外の企業が得だったりするので、外国に協力してもらうのは難しいが、円安の場合は、その協力が得やすいということだった

ただ、私はそんなに楽観していない

外国の投資家やファンドがそのほうが儲かると判断すれば、円安をどんどん仕掛けてくるように思えるのだ

中央銀行が使える金より、ファンドの使える金は大きい

榊原英資氏は勝つまでやると腹を決めていたから、円高でも止められたそうだが、それができるかどうかだろう

そして、円安のほうが得をする製造業者のほうが、円高のほうが得をする外食産業やその他のサービス業、小売業(こちらのほうが就労者が多い)より声が強い分だけ、政府の足かせになるような気がする

気がつけば、日本企業が買われまくっているなんてことにならないといいが

こういうメッセージをいただいた

「昨日、横浜市立大学の上村雄彦(うえむら たけひこ)教授の金融取引税についてのセミナーに行ってきました。
 金融取引税とは株や債券、デリバティブなどの金融取引に課税するもので、国際的な環境問題、貧富の差の拡大などの対策のための財源にしようというものです。
 1%の世界の富裕層が世界を支配し99%の弱者や貧困者が犠牲になる。このような世界システムはおかしいです。資金に余裕のある富裕層が金融取引取引に関与して、その取引額も大きいのだから金融取引に課税しようというものです。
 投機的資金の流れを抑制しバブルの発生と崩壊を防ぎ実体経済に投機的資金が悪影響を及ばさないようにする効果もあると思います。」(引用終わり)

これもその通りと思うが、アメリカの投資家がニューヨークでやる取引に課税できないと、実効性はほとんどない

世界中が金融バブルに懲りて、実体経済重視というコンセンサスがない限り、非常に難しい

アメリカはウォール街のやたらに強い国だが、オバマあたりが金融健全化、実体経済の大切さに気付いてやってくれればとは思う

『さて、以前、「人間には相続欲がある」とブログで拝見しましたが、私は「相続欲」より「倹約欲」のほうが正しい気がします。私がもしお金持ちであっても、将来が不安なので派手にお金を使わずに貯蓄に回してしまうと思います。松田元をはじめ、経営者が貯金しすぎというところには和田先生に同感ですが(といっても経営者の実態などほとんど知りませんが)、和田先生のようにお金を使うのもお金の使いすぎという気がして、同意しかねます。私は「将来生活保護暮らしでいいから今あるだけのお金を使おう」というふうに考えることはできませんし、私と同じような感性の人だったら、「ある程度のお金は銀行に預けておいて、使っても大丈夫な分だけお金を使おう。ある程度のお金を死ぬまでに使わなかったら、子どもに相続しよう」というふうに考えると思います。ある程度のお金が銀行にないと不安になってしまう性格、というか人間の性質はけっこう多くの人に当てはまると思いますし、それが理由で相続税100%だったり派手な消費に
反対する人がいるのではないか…と思いました。』(引用終わり)

「浪費は悪、倹約は美徳」というのは、生まれついての「欲」というより、広い意味での教育によって得られた価値観だろう

だから、国民性によってあてはまる国とそうでない国がある

アメリカはちょっと減税をしたり、ちょっとお金を借りやすくするとすぐに消費に走る

だから、為政者が景気を回復するのは比較的容易だ

しかし、日本は、そうはいかない

生産性の不足の時は、政治や経営者の力で改善できるが(逆にそれがダメな北朝鮮のような国では、この時代になってもモノ不足である)、消費不足の世の中では価値観を変えないといけない

消費不況の際には、この倹約欲は邪魔なものであり、浪費のほうがむしろありがたい

経済というのは、回ってナンボのものだ

道徳の教科書を作るとかいうが、また、倹約の美徳を説くようなら、日本の消費不況はさらに悲惨なものとなる

いずれにせよ、倹約欲というのは、ある国民とない国民がいるから本能的なものとは思えない

ところが相続欲というのは、種の保存にまつわる本能的なもののように思える
(食欲がなければ、最終的にその生物は餓死するし、性欲がなければ、種の保存ができないのと同様に、本能的な欲というのは、種の保存にまつわるものだろう)

だから、どんな原始部族でも、王とか、長というのは世襲が原則だ

アメリカが農地解放をやったのも、相続の経験のない人間にでも、土地を所有させれば、そこにしがみつくから、これをやることで、日本が広い道路や空港が作れないで、二度と戦争ができないし、発展もしないだろうという読みにまつわるものと思われる

その読みは見事に当たった

人々が長生きして、親から相続するのが60歳とかいう時代に、相続欲の脱却は人間の大きなテーマだと私は信じている

親から相続した財産を使わないまま、死んでいく

その巨大な資産のデッドストックが経済を停滞させるし、金を使わない高齢者のせいで、本来は成長産業であるはずの高齢者向けのビジネスが発展せず、逆に高齢者福祉が国の財政を圧迫する

年金などなくしてしまって、生活保護に一本化して、貯金がつきた時点で、年金から生活保護に切り替えてはどうかとさえ思ってしまう

ただ、老後が不安という心理はよくわかる

おそらく、この投稿をした18歳の少年(18歳の子供が、老後という言葉は使わないにせよ、将来が不安で使えないというのが日本の大問題なのだが)より、52歳の私のほうが、よほど老後が心配だ

体が動かなくなったり、ボケたりした際に、家族に迷惑をかけずに、安心して入れる施設を作ったり、老後の生活保障をしっかりしたりする

北欧のように、大衆が政治を信頼していないという問題はあるが、その道筋がつくことは、日本の立て直しのために相当大切なことのように思える

ところで、昨日は何人かの、勝ち組官僚(局長クラス)と一緒だった

彼らは一様に腰が低い

そして、政治家から電話がかかってくるとものすごい低姿勢だ

実際は、政治家に低姿勢にしなくても、出世や上がりのポストの見えている人で、東大を出た中でも勝ち組の中の勝ち組なのに、世襲の若造に頭を下げている

法案を通してもらうためだという

別に通らなくても、出世には響かないのだが、国民が困るからだという

嘘でないように聞こえた

外資に引き抜かれたら、ホイホイと行ってしまうとか、自分自身が政治家になるとか、頭を下げなくていい大学教授のポストにすぐ転身するとか、そういうのと違う、この手の旧来型(それを守旧とかいうのだろうが)官僚はいつまで残るのだろうか?