裁判員裁判による死刑判決が出るかもしれないということで、いわゆる「耳かき殺人事件」が話題になっている。

前にも書いたかもしれないが、ラジオで神足祐司さんが同情的なコメントをしていて、私も同情してしまった。

耳かきという仕事がもともとは看護師とかでないと許されていなかったのに規制緩和で誰でもできるようになって雨後のタケノコのように耳かき屋ができて、一部は個室でやるようになった、それもかなり高い金をとって。

神足さんは、自らも体験取材したが、個室で膝枕で耳かきをしてもらうと、疑似恋愛のような気分になるという。

この殺人犯は、20年以上まじめにサラリーマンをやっていた人だったらしい。そして、その人がとち狂った上での犯行。

死刑になるかもしれないが、この手の人間は、その時点ではとち狂っていたので、死刑は抑止力にならないだろう。

確かに同情したい気になる。

一方、別のニュースで、妹が連れまわされたと思った兄が、仲間を連れて、妹を連れまわしている男のグループをリンチまがいのことをして、結局殺してしまう。

こっちも妹をもったことがないからわからないが、妹を夜中連れまわす奴をしめてやろうという気持ちはわからなくもない。

ただ、このケースの怖さは、やはり仲間をつれて暴行した点だ。

日本では集団リンチで人を殺すと、殺意がなかったという話が簡単に通って、通常は殺人でなく、傷害致死で訴えられる。犯人が少年だったり、従犯だったりすると簡単に執行猶予がつく。

これでは犯罪の抑止力にならないのは明らかだ。

私は、この手の暴行を受けて、死ななかった際のトラウマのひどさを考えても、単独犯より複数犯による暴行は重罰にすべきだし、死んだ場合は、殺意の有無にかかわらず未必の故意を認めて、殺人罪にすべきと考えている。従犯も同罪だ。

人間は集団になると判断が甘くなり、暴力もエスカレートする。

集団暴行を厳罰にするだけで、集団になって「狂う」前に、集団でリンチすると罪が重いぞと知られることで、抑止力になりえる。

レイプについては集団のほうが罪が重いそうだ。当たり前の話だ。

暴力についても集団の罪を重くすべきなのだが、そうすると警察や自民党と仲のよい暴力団があがったりになるので、なかなか重罰化が進まなかった。

石井一さんのような方がいるから民主党も暴力団と仲がいいので、集団犯罪の厳罰化は難しいのだろうか?