昨日は、ワーナーの社長が自殺をなさったという。

エグゼクティブ向けのカウンセリングが必要だと思って開業したが、芸能人が一人来ただけで、むしろあまり豊かでない人がなけなしの金をもって相談にくる。多少のディスカウントはしてあげられても、スタッフを抱えていることもあって、それ以上のことができないことをご理解願いたいが、それ以上に日本のお金持ちや経営者は、自分だけは心の病にならないと思い込んでいるのだろう。そういう情報のなさだけを見ても外国の経営者に勝てるわけがない。

結局、円高だって、日本のアホ経営者は、いくら円高にしても外国の企業や資産を買えないだろうとタカをくくられているから、むこうが好き放題円高にできる。1ドル10円なんかになったら、アメリカの資産や企業を日本が買い放題になるのだが、買わないのがわかっているからいくら円高にしても怖くないのだ。そして、日本人を33000人も毎年自殺させるような形で、日本人をクビにし、人件費を値切ってやっと稼いだ金がすぐに吹き飛ぶ。外国人の手で利益がどんどん減るのに、利益にしかかからない法人税を下げろという。法人税を下げて、会社に金をためたところで、企業買収もできなければ、技術投資もろくにしないくせいに。日本人は前も書いたが、理系の人は優秀だが、文系のアホのせいで国力が弱いのに、さらに理系を冷遇して国力を弱めている。しかし、若者は数学を勉強するのが嫌だから、ますます文系の人間が増える。なんとかならないものだろうか?

さて、中国の獄中の人権活動家がノーベル賞をとって騒ぎになっている。

中国に独裁をやめろという圧力のつもりなのだろう。しかし、中国はどんどん経済力をつけている。あまり露骨に圧力をかけると、内政干渉ということになるだろうし、それでその国から品物を買わないという脅しをかけることだろう。これも独裁国家だからできることだ。

私の邪推だが、アメリカにしても、西欧諸国にしても、独裁のほうが有利だということがわかっているから、中国にも、「民主主義」と「人権」というハンディをつけて競争してくれという意味での圧力なのではないだろうか?

実際、独裁のほうが改革のスピードは速い。準独裁のようなことをやったプーチンはたちどころにロシアを立ち直らせた。

戦争をするにしても、いちいち議会にお伺いを立てているようでは、あるいは予算を議会に握られているようでは、独裁の国に勝てない。大統領制の国なら、まだそれでも迅速な処理も可能だが、議会制民主主義では相当に難しい。日本など、完全にその状態に陥っている。もちろん、軍事力や資金力で圧倒していたら勝てるだろうが、勢力が均衡してくるとそうはいかなくなる。

独裁ならツルの一声でいろいろなことができる。キューバなどは医者を増やそうと決めたら、あっという間に医者の多い国になって、南米に余った医者を派遣していくうちに、南米のほとんどの国を反米にするのに成功している(少なくともその一因になっているし、南米の人たちはアメリカよりキューバが好きになっている)

だから、西欧諸国もアメリカもどんなことがあっても、中国に独裁をやめさせたいのだろう。さまざまな形で情報戦を使い、インターネットなどを通じて若者を煽動していくだろう。

もちろん、中国だって、これだけおいしいゲームを手放すわけがない。

自由や人権と、豊かさとどちらを選ぶのかという対抗情報を流し続けるだろう。

おそらく、そのときに、豊かにみえるけど、ホームレスがいっぱいいるとか、そういう人が段ボールの家に住んでいるとか、あるいは、民主主義と言いながら、天皇陛下が動くたびに、制服の(なぜ私服にしないのだろう)警官が必死になって警備をして、国民にがまんさせている映像が有効に使われるだろう。

日本ほど暗殺リスクが少ない国はないのに、警察があまり派手に動くから、独裁の国では、天皇陛下を独裁者のように報じることがざらにあるという(実際、そういうキャプションのついた写真やそういう話を聞いたことがある)。

国の体面とか、外国からどう見えるかを何も考えない警察や政治家のバカさ加減には前から呆れていたが、独裁をなんとしてでも守りたい中国の思惑通りになるなら、日本は西欧諸国やアメリカから、また邪魔な国と思われ、バカにされることだろう。

独裁を批判するなら、独裁でないほうがいいことを民にわかりやすく示す必要と責任がある。独裁じゃないほうが貧富の差が大きくなるという彼らのロジックに説得力をもたせるなどもってのほかだ。