お祖父さんの兄弟が二人も原爆でなくなった方やツィッターで沖縄県民の米兵の被害を知ったという話など、いろいろと考えさせられるメッセージをいただいた。

私自身は、人間というのは残念ながら攻撃性をもつ生き物なので、戦争がなくなることはないだろうし、純粋な意味で平和主義者とは言えない。

しかし、いっぽうで、国家レベルの戦争がどんどん割の悪いものになっているので、テロはあっても、たとえば中国や北朝鮮が本気で戦争をするかということには疑問をもっている。

だから日本が核兵器をもつことには、反対しないが、基本的には軍縮論者だし、今後、高齢社会の財源を考えても、軍事費に使う金を減らしたほうが、結果的に多くの命が救えるとも思っている。

北朝鮮にしても、日本を攻めるのはともかくとして、50km先にソウルがあり、陸軍の戦争なら、多少なりとも韓国に脅威を与えることができるだろうし、ゲリラ戦なら勝つことはできなくても、負けないですむかもしれない。飢えた北朝鮮の兵士なら、略奪しておいしいものが食べられるだけで、いつ暴発してもおかしくない。それがないのは、当の金正日自身がフセインみたいになりたくないから、軍部に戦争をするなと必死になって抑えにかかっているという話さえ聞く。

要するに、私の読みでは、よほど追い詰めるようなことがない限り、戦争というものは今後そう起こるものではないが、逆に死ぬのが怖くない人間が一番怖い(金正日が怖くないのは、彼自身が死ぬのが怖い人間だからだ)。だからテロは今後も起こるだろうし、テロでなくても、宅間守とか、加藤智大みたいな人間は、時々は(そうしょっちゅうではないだろうが)出てくるだろう。

そういう点で、適切な防衛上の軍備が今どのレベルのものかは読めないが、アメリカと同盟関係を組んでも、戦争をしかけてくる相手がいないのに、逆にテロのリスクが増えるなら本末転倒かもしれない。

一ついえることは、4000人も殺されたり、レイプされたり、強盗されたりして、しかも多額の米軍駐留予算を払ってまで、いてもらう価値があるかを考える必要はあるだろう。

たとえば、日本はアメリカが沖縄を返してくれたのに、ソ連が北方領土を返さないことに憤る人は多い。でも、たとえばソ連がある時代に、アメリカに対してと同じ条件を出したらどうだっただろう。

つまり「千島にソ連軍の基地はおいていい。その費用も日本が出す。その上、基地の人間が、住民をレイプしても、強盗しても、殺しても、日本のほうで拘束しません。それどころがソ連軍の兵士が日本のどこにいても同じ待遇にします。ただし、ソ連は日本を攻めないという約束をしてください。」という条件をソ連に出したら、すんなり北方領土を返してもらえたかもしれないということだ。逆に言うと、日米安保条約がある以上、千島に基地を作られても文句が言えないのに、冷戦時代のソ連が、それを返してくれると考えるほうが人がいい気がする。

そういう点では、日本の返還条件がアメリカとソ連で違いすぎるのに、アメリカはいい国で、ソ連はひどい国と言っていいのかという疑問は残る。しつこいようだが、4000人が、殺人、強盗、強姦にあっているそうなのだから。

そもそも論として、別の国の基地がいっぱいある状態で、しかもその基地の軍人が治外法権を確保された状態で、返してもらったと言えるのかという素朴な疑問も感じてしまう。

核のない世界を望む身内が二人も広島で殺された人の気持ちは痛いほどわかる(つもりだ)。

でも、それにしても、核で人殺しをした実績がある国が、それのない国(北朝鮮も含めて世界中の残りの国はみんなそうだ)に対して、お前らがもつと人殺しに使うかもしれないから、もたせないなどといえた義理なのだろうか?

やられた国は、いつまでも核をもてず、やった国は作り放題で核を作り、実験も続ける。

こんな強いもの勝ちの論理がまかり通りことが不思議だが、日本人は誰も文句を言わないし、言うと左翼とか言われる。しかし、左翼は左翼で、核は持たないという。

日本が核をもつときには、「うちの国だけは痛みがわかっているし、被爆国だからこそもつ権利がある」といったときに、現行の核保有国以外は、多くの国が理解してくれそうな気がするというのは甘いのだろうか?

少なくとも、今回のメッセージを読んで、日本がいつまでもアメリカの理不尽の言いなりになっていていいのかという個人的な気持ちだけは強まった。