ちっとも耳寄り情報ではないが、慶応大学に事実上無試験で入る方法がある。

ニューヨーク慶応高校という慶応大学付属のボーディング・スクールがあるのだが、値段が高いのと、心配性の親が多い(多少悪いうわさを聞いたことがあるが、真偽のほどがわからないし、私も逮捕されたくないので書けない)ので、あまり人気がないようだ。年に何度も試験をやり、実質、受ければ入れるというような状況のようだ。
(こういうことを私が書くことで、志願者が増えて、セレクションが行われると慶応にとっていいことだと信じているが)

実際、都内の慶応より偏差値の低い大学の付属の中学から高校に内部進学できなかった生徒が受験して、何人も受かっているのを聞いたことがある。

しかし、入ってしまえば、卒業生の慶応大学進学率100%だそうだ。さらに言うと、医学部にも一人入れる。

授業は日本語でやるもののほうが多いクラスがあって、語学力に自信のない人でも入れる。(逆に、語学力がつかないことが問題になっているようだが)

慶応にしても早稲田にしても、内部進学者や推薦、AO組と一般受験の学生のレベルが違いすぎることが問題になっている。

慶応の経済学部は私も実は受験したのだが、国語や社会科がいらない(数学、英語、小論文で受けられる)ので、理系の優秀な学生が意外に滑り止めで受ける。法学部は推薦やAOなどで、むしろ入学定員を減らして、法学部の法律学科は定員280人で、東大の文Ⅰより少ないのに、京大法学部や一橋大学の法学部を受験する人も受けるので、正規合格に関しては文Ⅰより難しいそうだ。(もちろん東大とダブル合格すれば、みんな東大に行くのだろうが)その上、早稲田のほうが、いい加減な定員増や推薦枠の拡大をやっているので、慶応人気があがって、一般入試での慶応合格はかなり難しくなっている。

ところが、いっぽうで幼稚舎から上がる学生、ニューヨークから来る学生、推薦やAO組の学力が低く、経済学部でも数式を書いた途端に授業を聞かなかったりノートをとらなかったりする学生が相当数いるそうだ。

文部科学省が高大接続テストをする意向を示しているが、これはかなり簡単なテストになりそうだ(それでも、やらなければ一桁の足し算や引き算ができない大学生が実際いるのだが)。

私自身は、受験勉強に意味がある、入試に意味があると考える立場だが、東大に入らないような多様な人材を採るのも意味があるのかもしれない(幼稚舎出身でも坂村健さんのようなすごい学者もいる)。

だったら、もう少し卒業や進級を厳しくしたらどうだろう。

大学に入ってから勉強するのなら、ニューヨークからの大学入学も緩くてもいい。そのほうがアメリカ的かもしれない(ただし、アメリカは緩いように見えてもSATは課されるが)。

ショーバイも大事かもしれないが、もう少し大学の格というものやあるべき姿を考えるべきだろう。