前回の記事で

“普通の”人々と【異邦人】が見ている

他者と自分の関係性の相違について書きました。

⇒『異邦人の目に映るこの世界は?

 

この世界がどう見えているか?

(下手な汗)図に書けるまで

はっきりと両者の違いを認識できるのは

 

私自身にこの二つの視点が、同時に存在しているからです。

 

【異邦人】であった私は、当然のことながら

長年【異邦人】視点でしか、この社会を捉えられませんでした。

 

また載せますが、コレ下差しですね。

 

 

私に見えていた世界はコレだけでしたので

他の多くの人が、社会や他者をどう捉え

どんな世界を見て生きているのか?を知りませんでした。

 

けれど、高橋先生のカウンセリングを受け

それと同時にさまざまな試みを続けていたら

次第次第に、“普通の”人の世界が見えてきました。

 

カウンセリングで自分を語ることによって、心は自然と広がり

同時に、今までしなかったような行動に思い切って踏み出して

色んな経験をしているうちに

 

あれ?・・・・あ!

違う景色が見える!!

 

という感覚が確かにありました。

 

こちらの方下差しです。

 

 

すごくラクになった氣がしました。

 

動きが軽やかになり、氣持ちはオープンになり

機嫌がよくなりました。

 

それまでの止むことのなかった強い緊張と不安は

ぐっと遠ざかって

 

スーパーやカフェの店員さんにさえ

笑顔でちょっと言葉を交わしたりして

 

おや、この世界は私が今まで思い込んでいたより

ずっとフレンドリーで住みやすいところではないか!

 

そう感じたことを、その晴れ晴れとした新鮮な氣分を

よく憶えています。

 

 

ところが、その時点ではまだ

私はこの二つの視界を図解できるほどには

明確に認識できてはいなかったのです。

 

生き心地は、確かに大きく変わりました。

 

でも、客観的に見ることはできないでいました。

 

 

これをまざまざと明確に認識できたのは

強烈な引き戻しに遭い

再度【異邦人】の視界でこの世を見た時でした。

 

「見た」というより

突然「それしか見えなくなってしまった」のです。

自分の視界のチャンネルが自動的に、且つ強制的に

切り替わってしまった、としか思えない状態でした。

 

【異邦人】として長い間生きてきて

じわじわと見える世界を構築していった過程では

ついぞ味わったことのない恐怖感でした。

 

心が硬く狭く閉じていた時期よりもむしろ

ずっと強烈で圧倒的な恐怖を味わって

突然変化した視界にパニックに陥りました。

 

3日ほどの間、私は家から出ず

ほとんど布団を頭からかぶって震えていました。

 

「震えていた」って、比喩的な表現ではないのです。

 

本当に、物理的に、現実として

布団を頭からかぶって、震えていたのです。

 

そして、「怖い…」「怖い…」という言葉が

繰り返し口から洩れました。

 

日中一人で家で過ごしていた時ももちろん

夜、隣に夫が眠っている時にも

この震えと「怖い…」という呟きは

止めることができませんでした。

 

さすがに、朝、夫から

「もう二晩も唸り続けているけど、大丈夫なの?」と

心配されてしまいました。

 

そうして、3日目の夕方

私はふっと自分の中に二つの視界があることに氣づいたのです。

 

氣づいたことによって

恐怖は少しずつ小さくなってゆきました。

 

身体の震えも、パニック状態も治まって

少しずつ普通の生活に戻っていきました。

 

 

振り返ってみると

 

その恐怖感は、とてつもない大きさと深さで

威力は絶対的で、圧倒的で

私をまるごと飲み込んでいってしまう

ブラックホールのように感じらるものでした。

 

二つの視界のギャップがもたらしてくれた

「ホンモノの恐怖」というものとの対面でした。

 

この体験をしたことで

私は数々のことに氣づきました。

 

  • 二つの視界が同時に私の中に存在すること
  • 感じた恐怖は、人間の持っていて然るべき根源的なものであること
  • そして、私はこの二つの視界と、根源的な恐怖を携えて、これからも生きていくのだろうということ
  • その生き方は決して忌むべきものでないということ

 

 

何にせよ、私はバイリンガルならぬ

「バイビジュアル」なのです(笑)

 

“普通の”人の見ている世界も知っている

【異邦人】が見ているこの世の見え方も知っている

 

これは、今の私にとっては大変に喜ばしい事実です。

 

「両側が見えること」

 

これはカウンセラーとしては

とっても大切な資産だと思っているからです。