もうすぐ日食! | びっくりビクセンBlog

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八代目によるビクセンの褻(ケ)

あと一週間で金環日食です。

ビクセンでは、一人でも多くの方に日食に

興味を持ってもらい、かつ多くの方に

日食を観測していただきたいと

これまで走ってきました。

ビクセンは光学機器メーカーなので

日食グラス以外の商品には

「太陽を見ないでください」

という注意書きが漏れなく入っています。

本来、太陽を見てもらいたくないメーカーなのです。


なのに、「日食グラス」を作ってしまいました。

それは、ビクセンのビジョンである

「星を見せる会社になる」を実現させる為です。

身近な星である「太陽」を「安全」に見てもらうことは、

ビクセンのビジョンを実現させる上で、欠かせないと

判断したのです。

大げさな事を言うようですが、空を見上げて、星を見て

自然を感じて、人とのつながりを感じて、大事にしなきゃ

いけないことを思う。そんなきっかけに日食がなってくれ

れば、と考えたのです。

そこで、一番大事にしていること、しなければいけない事は

「安全に!」です。

安全を実現する事は、何よりも優先してきました。

まずは、国内生産にこだわりました。

しかし国内であればどこで作っても良い

と言う訳ではありません。生産ラインは

出来るだけシンプルにしました。

不良の際のトレサビリティを考えて、

生産ラインを構築しています。

不良が発見されれば、ラインを停止して改善できるようにしてきました。

生産が始まった頃、10万枚目に1枚の梱包ミスが発見され

それまで生産された全ての在庫を再度全品検査しました。

ミスの原因を追究して、生産ラインの流れを改善しました。

「当たり前」と言われると思います。

その「当たり前」が出来るように、国内生産にこだわったのです。

100万枚目の生産で、最終検品でミスが見つかりました。

もちろん検品で外部に行くことを防ぐ事が出来たのですが、

最終検品でミスが発覚する事はあってはならないことです。

その結果、一次検品、二次検品の方法を改善しました。

検品に時間をかけることにしたので、生産効率は落ちました。

HPにも万が一の事を考え、目立つように注意事項を書き加えました。


ビクセンの日食グラスの遮光プレートは、オリジナルの

ソーラープロテックを使用しています。これも国内で生産しています。

ソーラープロテックの遮光性能は、HPで公開してあります。

こちら→日食グラスQ&A

ちなみに可視光の視感透過率は、JIS規格(T8141)で15等級となります。

この「視感透過率」を自ら計測し、公表しているメーカーは

少ないと思います。この数値を公表するために

生産ロット毎に、また同一ロットでも生産開始から終了までの

適宜なところを抜き出して、視感透過率を計測しています。

商品の性能が均一である事も「安全」にとっては重要な事です。

(数値(等級)については当初公表を控えておりましたが、

消費者の方には公表する事が妥当と考え、HPで表記いたしました。)

ソーラープロテックは、遮光能力の検査以外に

光学性能(平行度、屈折力、非点収差度)、耐熱性、対紫外線放射

表面磨耗抵抗、クロスカット試験などのJISの品質要求項目にしたがった

検査を実施しています。


2009年の皆既日食の時にも日食グラスを発売しました。

この時にも、安全には十分に注意しましたが、

初期ロットの数枚に、不良が発見されました。

70万枚の生産のうちの数枚でしたが、

消費者の方には不安を与えてしまい、今でも申し訳なく

思っています。この時は新聞にも掲載されました。

この新聞の切り抜きは、今も私のデスクに貼ってあります。

決して忘れない為です。


来週の月曜日に、日本全国が日食になります。

金環にならない地方でも

これだけ大きく欠ける部分日食は貴重です。

是非見てもらいたいと思います。


日食グラスの安全性には、細心の注意を払ってきました。

それでも、お願いがあります。

・日食グラス(遮光プレート)にキズや変色、ゆがみがないか

・日食グラスのフレームが壊れたり、破れたりしていないか

こうした事を確認してからご使用いただきたいと思います。

これは、ビクセン製日食グラスに限らず、お願いしたいと

思います。


日食は貴重な天文現象であり、自然に興味を持つ大事な入口だと

思います。

どうか事故のないように、貴重な体験を、この日本全てで

共有しましょう!

ビクセンは、金環日食休暇となり5月21日はお休みを頂きます。

私は、家族と一緒に見る予定です。