記録:肥大性骨関節症とは(獣医向け) | vivre avec un chien

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わんことモフモフHappy☆

私が頼りにしている獣医さんのサイトで、この病気を質問したところ
わざわざ獣医さん向けの説明を記載して下さいました。
難しい言葉が並びますが、できるだけ理解したうえで大学病院で質問できたらと思います。

病気について研究している学校があって、
直接お会いできないのに親切に質問に答えてくださる獣医さんがいてくれて、
そんな場所を提供してくれているインターネットが普及していてくれて、
この時代に生きていることをほんとに本当にありがたく思う。
もちろん、かかりつけの病院の先生にも感謝しています。

もし、私以外にも愛犬にこの病気が判明し悩んでいる方がいたら一緒に向き合いましょうね。



概説

末梢血流量の増加と骨膜性新骨形成を起こす疾患。新骨形成は長骨の骨幹部に沿って起こり,遠位の指骨,中手骨および中足骨から始まることが多い。
病因は確定していない。慢性の低酸素症,何らかの毒素,高エストロゲン症,迷走神経あるいは肋間神経の求心枝を介する自律神経血管反射作用などの説がある。
肥大性骨症(HO)は原発性疾患の進行の過程で現れるものと考えられている。


特徴

猫よりも犬に多くみられる。
最も発生率の高い年齢は8歳であり,これは肺腫瘍の発生の頂値と一致している。
非腫瘍性の肺病変を有する犬の平均年齢は5.6歳である。
胎子性横紋筋肉腫は1―2歳の大型犬種の犬でみられる。


徴候
病歴所見

倦怠感
運動を嫌う。
四肢の遠位部の腫脹


身体検査所見
跛行,四肢の疼痛
肢端が腫脹し,触ると硬く水腫性ではない。
腫脹は肘関節や膝関節より下位で起こっていることが多く,爪先にまで広がる。


原因および危険因子

原発性および転移性肺腫瘍
非腫瘍性胸腔内病変―肺炎,犬糸状虫症,先天性/後天性心疾患,気管支内の異物,血色食道虫の食道への寄生,局所的な無気肺など
食道の肉腫
膀胱の胎児性横紋筋肉腫
肝臓や前立腺の腺癌
胸腔内および腹腔内の中皮腫


鑑別診断
骨髄炎―骨は対称性におかされず,全身的な浮腫がみられる;骨融解の存在;穿通創あるいは全身性感染の病歴
転移性腫瘍―骨は対称性にはおかされない。


一般血液検査/生化学検査/尿検査
アルカリホスファターゼが高値を示すことがある。

画像診断
四肢のX線写真―両側性,対称性で広範囲に広がる長骨の骨幹部における粗な骨膜性新骨(PNB)形成;PNBが皮質骨から外に向かって長軸と垂直に突出している;PNBは骨の全周に形成される;関節はおかされない。
種々の全身性疾患を除外するためには,胸部および腹部のX線検査を行う。
超音波検査は原発性病変を確定したり,鑑別するのに有用である。

治療
潜在する原発性疾患を治療しなければならない。
肺病変の存在する側の壁側胸膜の切開および骨膜下の肋骨切除術による片側性迷走神経切断術あるいは両側性頸部迷走神経切断術などが治療法として示唆されている。

糖質コルチコイドは臨床徴候を改善し,腫脹の波及を軽減するために用いられる。
必要に応じて鎮痛薬を使用する。

原因の除去によって臨床徴候の寛解が認められる場合も認められない場合もある。
骨病変の回復には数カ月を要する。
最も多い原因が腫瘍であるため,予後は要注意または不良である。
HOは他の疾患の進行の指標となる。それゆえ,原発性疾患を確定するためのより進んだ検査の必要性を認識することが重要である。