最近流行りの“人が死なないミステリー”を“コージーミステリー”と呼ぶらしいです
傾向としては、人が死なないミステリーだからか、探偵役が鑑定士だったり、古本屋の店主だったり、喫茶店の店員だったり。
本作は喫茶店の雇われ店長の弟が探偵役
この探偵役・悠貴のSっぷりが溜まりません
相当、モノをはっきり言う、言う
考えなくモノを言う美久に罵倒の嵐。ここまで言うといっそ気持ちがいいくらい。
でも、相手によって、笑顔も振り撒ける腹黒ちゃん。
こういうキャラ好きなので、読んでて楽しかった
柔らかな黒髪に知的な眼鏡、王子様のような美少年。なのに、口は人一倍悪い高校生の上倉悠貴。
主人公の大学生・小野寺美久は就職活動の中、企業説明会に向かう途中、バスに乗ろうと全力疾走したことから途中で行き倒れます。
遠のく意識の中見たのは天使のような微笑みで自分をゴミ捨て場に捨てる美少年。
気が付くと吉祥寺・井の頭公園脇の喫茶店で介抱されている。
店長と話していると現われたのは自分をゴミ捨て場に捨てた美少年。
成行きで悠貴の探偵活動に同行することになる美久ですが、もう少し控え目でもいいかも
お節介じゃないと話が動かないとか分からないではないんだけど、お節介加減がやや不自然な気がしなくもない。
親しくない相手にそこまで踏み込むという気がしなくも。
でも、扱っている謎はコージーミステリーで、より日常にある謎で、相談者が持ち込む不思議な事象の背景には人の心、人間関係に迫る謎だったりして、読んだ後、ちょっと泣いて、ほっこり
私は第4話「キャラメルコーヒー」のお雛様の話、好きだな~
事故で妻を失った男性が「妻の幽霊がいなくなったので探して欲しい」と依頼したり、初恋の「お雛様を探して欲しい」という依頼があったりと、一見、ありえなそうな依頼の背景が気になり、ぐいぐい読んでしまいました。
悠貴が解決の報酬としてもらっている黒い封筒の中身等、まだまだ語られていない部分があって、続編を予感させますが、安易に悠貴と美久が互いに好意を持つ展開は嫌かな~
- オーダーは探偵に―謎解き薫る喫茶店 (メディアワークス文庫)/近江 泉美
- 作者:近江 泉美
出版社:アスキー・メディアワークス(メディアワークス文庫)
2012年11月22日