TVドラマ『鍵のかかった部屋』 で使われた短編4編が収録。
TVはほぼ原作に忠実にドラマ化していたので、トリックに変更はないのですが、榎本の人物像がだいぶ異なるので原作で読み直しても十分楽しめます。
青砥弁護士との掛け合いも楽しませてくれます。
「鍵の掛かった部屋」では、榎本の“古い友人”なる会田の事件に協力する話ですが、純子が「もしかして、同業者ってことはないんですか?」と聞いた際にも、榎本は「いや、会田さんが防犯コンサルタントをしてるなんて聞いたことないです」と返します。このトボけっぷりが喰えない感じ
青砥弁護士も原作では基本はツッコミ役で、推理になると榎本が思わず止めたくなるボケ役に
「密室劇場」でが強烈な個性の集団、劇団「土性骨(どしょつぽね)」が名前も新たに再登場。
相変わらず、強烈すぎる人たちです。
脚本家の左栗痴子が話し方とは対照的に何を話していても、主張がおかしい。笑えます
心機一転の新劇団名も「土性骨」を英語の直訳しただけだというけど、「ES&B」にはさすがの「やっぱり、いくら何でも」と突っ込むものの、本人に「何か問題でも」と返されて、二の句が継げないという個性の持ち主(ちょっと、書くのは憚るな~)
犯人の最後のつぶやきも最後までトボけてます
ここはトリックよりも劇団の個性を楽しむのがおススメです
- 鍵のかかった部屋 (角川文庫)/貴志 祐介
著者:貴志 祐介
出版社:角川書店(角川文庫)
2011年7月(2012年4月文庫化)