笑わない数学者 | 闇鍋ハロウィーン

闇鍋ハロウィーン

漫画、小説(主にミステリー)等、好きなものについてだらだらと。
「あぁ、分かる~」とか「へぇ」と思って読んで頂ければ。
腐思考(嗜好?)なので、ご注意ください(^ω^;)

森博嗣さんのS&Mシリーズの3冊目です。



犀川と萌絵は天才数学者・天王寺翔蔵の孫である同級生・片山和樹に誘われ、山あいに建つ三ツ星館でのクリスマスパーティーに出掛ける。

犀川は尊敬する数学者に会えることを期待して赴くが、クリスマスイブである最初の晩は三ツ星館内にあるプラネタリウムでスピーカー越しに天王寺博士の声を聞くに留まる。

プラネタリウムの後に三ツ星館への来訪者のうち、最初は博士の息子嫁の律子が、続いて律子の息子の俊夫も死体で見つかる。



最初の『すべてがFになる』 の出だしが難解な会話から始まったので、頭の中がぐるぐるしたのですが、読み進めていくと推理小説としては意外に分かりやすくて、余計なものがなく、すごく好きですニコニコ


三ツ星館という変わった舞台も惑わされる装置の一つで、想像しながら読んで面白かったです。


元が数学者のためか、謎解きも非常に数学的に聞こえるのは先入観でしょうか。

トリックも「結果が1なら、最初は0のように見えても、本当は最初から1なんですよ」みたいな数学的な謎解きをしてくれます。


今回はトリックが分かったので、ちょっと嬉しい音譜・・・犯人は分からなかったけどあせる

でも、テーマは“不定”のようなので、分からなくてもいいのかもショック!


ちょっと動機に共感しにくいような気もしましたがこのシリーズはトリックに主眼をおいて読んでいるので、まぁ、いいかひらめき電球という感じで。


また、ラストは後引く余韻がありました。

やはり“不定”がテーマなんだと思いますが、色々な部分で含みのある話でした。


笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)/森 博嗣


   著者:森 博嗣

   出版社:講談社(講談社文庫)

   1999年