他の方のブログで設定を読んで面白そうだと思い読んだ本です
最近読んでいる中では久しぶりに推理小説らしいものだったかもしれません。
N大の建築学科助教授(今は准教授と呼ぶんでしたっけ?)犀川創平は自分のところに出入りする同じ学科の1年生西之園萌絵の提案でゼミ旅行の行先として孤島に行くことになります。
その孤島には15年前に両親を殺したとして、天才の呼び声高い真賀田四季博士が隔離されています。
萌絵は犀川を真賀田博士に会わせたくて、仮病を使って、真賀田博士のいる研究所に連れて行きます。
行った先では停電が起こり、その後には真賀田博士の死体が発見されます。
密室で起こった殺人、起こるはずのなかった停電、防犯カメラの目、そして第2、3の殺人。
殺人現場が密室だったり、防犯カメラがあるので、犯人はいつどうやって殺して、出て行ったのか
事件発生以降、通信手段が取れなくなり、殺人と通信できない理由の2つを並行して探っていくことになり、面白く読めます
ただ・・・ところどころ難しいよぅ
冒頭の萌絵と真賀田博士の会話が以下の通り。
【『すべてがFになる』から抜粋】
「・・・(略)1から10までの数字を二組に分けてごらんなさい。そして、両方とも、グループの数字を全部掛け合わせるの。二つの積が等しくなることがありますか?」
「ありません」萌絵は即答した。「片方のグループには7がありますから、積は7の倍数になりますけど、もう片方には7がないから、等しくはなりません」
「ほら、7だけが孤独でしょう?真賀田女史が言った。
・・・・・これ、皆は読んですぐに分かるんですかなんで7が孤独なの
数学脳が全くない私は相方に説明してもらった、ようやく理解
きっと分からない人は他にもいるよと自分に言い聞かせて下記に書いてみます
それぞれの数字が何から出来ているかを分解するとこんな感じ。
1= 1
2= 2
3= 3
4= 2×2
5= 1×5
6= 1×2×3
7= 1×7
8= 1×2×2×2
9= 1×3×3
10= 1×2×5
7以外の数字は2または3または5から出来ていて、それぞれ偶数個(2は8個、3は4個、5は2個)出てくるので、うまく2つのグループに分ければ積は同じになるのですが、7だけが浮いてしまいます。
7があるために、2つのグループの積が同じになることはない、という意味で「7は孤独」と言ったようです。
ふぅ上の会話だけでは私は理解できないよぅっ
分かれば面白いトリックなんだけど、誰もがすぐに分かるのか個人的にはちょっと謎。
あと、購入後、「だまされた」(注:別に誰も騙してません)と思ったのは男女の探偵コンビじゃーんってこと。
ホームズしかり、ポワロしかり、御手洗しかり、京極堂しかり、探偵コンビは男男コンビよねと推理以外の期待も入っていたのですが、登場人物読んで、しゅーん
萌絵、お嬢様過ぎて、冒頭、少々・・・
と散々言った挙句になんですが、楽しめますよ
タイトルも読後に「あぁ~なるほど」となります。
- すベてがFになる (講談社文庫)/森 博嗣
著者:森 博嗣
出版社:講談社(講談社文庫)